図の△９八竜は△５八竜▲同玉△５六香以下の詰めろであることが判明し、里見女流四冠が抜け出したようです。

（飛龍）

互いに成駒が相手玉に迫り、いよいよ寄せ合いです。△７九角▲５六玉△５八飛成▲５七銀打（変化図）が検討されていました。


その局面は▲９三香成以下の詰めろになっていそうですが、手番を握る後手に手段があってもおかしくないようです。本譜は△７三金▲９三香成△同飛成▲９四歩△同竜▲８六桂と進みました。形勢不明のようです。


（飛龍）

図は▲４二と△５三歩に▲３二角成と進んだところ。先手玉を上部から押さえられれば後手が勝ちそうです。

（飛龍）

上図は馬に当てて▲６四金と打たれたのに対し、王手に桂の犠打を放ったところ。▲８六同歩なら△９六馬と王手で馬を逃げられます。実戦の進行は▲６八玉△５五銀▲７四金△４六歩。▲７四金の瞬間が甘く、飛車取りの歩が飛んできました。


糸谷八段は▲１七飛△７四歩▲５五歩を挙げ、先手が少し指せそうとの判断です。
「▲６四角から▲８六角で桂を角で外せれば駒得の先手がよさそうですね。▲４二とや▲４二桂成から飛車を取る狙いもあります」（糸谷八段）

（対局再開前の一コマ）

（飛龍）

上図から△２七角▲４七飛△６三角成。里見女流四冠は飛車取りに角を打ち、自陣に馬を作りました。

礒谷女流初段は▲３二歩成と成り捨て、△３二同金に▲４三歩成が当たるようにしましたが、里見女流四冠はと金を放置して△７四馬と桂のほうを取ります。詰めろをかかりにくくして当面の危機は去りました。以下、▲４一と△同飛▲４三歩成で下図。棋士室では長い展開も予想されています。消費時間は▲礒谷１時間46分、△里見１時間47分。


（里見女流四冠は桂を外して長期戦も辞さない構え）

（飛龍）