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藤井聡太七段が順位戦全勝ターン 気になる昇級の可能性はどれくらい?

順位戦C級1組で5―0の成績となった棋士の昇級期待度を探ってみました。

皆様こんにちは。

 

10月23日、第77期順位戦C級1組の19局が東西の将棋会館で行われました。

順位戦C級1組は所属する棋士(今期は39人)がそれぞれ10局を指し、成績上位2人がB級2組へと昇級します。ただし、同じ成績の場合は順位が上の棋士が昇級(※)、また全勝者が3人以上出た場合にはその全員が昇級となります。

(※例:全勝者なし、9勝1敗で3人が並んだ場合はその3人のうち順位が上の2人が昇級、順位が一番悪い人は同成績ながら昇級できない。これを業界用語では「頭ハネ」と呼びます。)

 

注目の千葉幸生七段―藤井聡太七段戦は藤井七段が勝ち、成績はこれで5勝0敗。長丁場の順位戦を全勝という最高の形で折り返しました。

リーグ表は>>こちら<<

※「成績順に並び替え」を押すととてもわかりやすいですよ。

 

しかし・・・

 

昇級はたった2人という狭き門。果たして藤井七段は、B級2組への切符を得られるのでしょうか。

初参加ということで順位は39人中31位、決して良いとは言えません。

ファンの方は気になりますよね。

 

そこで、平成に入ってからの順位戦C級1組で、5局を終えて全勝ターンをした棋士が最終的に何勝を挙げたのか、昇級は叶ったのかを調べてみました。第48期(平成元年度)から前期第76期(平成29年度)の29期分のデータがこちらです。

 

 

29期で、5戦全勝で折り返したケースは56件、うち28人が昇級を勝ち取っていました。

ちょうど半分ですね。

これを、多いと見るか、少ないと見るかは・・・

 

あなた次第!

 

個人的な感想を申し上げますと、「こんなものかな」「妥当かな」という感じです。皆様はいかがでしょうか。

 

昇級以外の部分に気をつけて改めて表を見てみますと、9勝1敗の好成績ながら順位(棋士名の横のカッコ内の数字)が悪いせいで昇級を逃しているケースがけっこうあるのがわかります。

順位31位の藤井七段も昇級には全勝が求められ、1敗なら運が良ければ、2敗は完全アウトというところでしょうか。

それにしても、9割勝って何も得られない(※来期の順位は上がりますが)可能性があるとは、厳しい戦いですね。

 

平成の順位戦C級1組で全勝ターンがもっとも多かったのは第64期で4人。全勝者なしの期は4期ありました。

今期第77期は、藤井七段を含め、調べた期間中で最多タイとなる4人の棋士が全勝ターンとなっております。

うち、船江恒平六段は23日に行われた6戦目(※)で惜しくも敗れ、5勝1敗となりました。

※参加人数が奇数の場合は「抜け番」があり、途中で対局数が同じにならない棋士が出てきます。最終的に全員が各10局指すように調整されています。

 

現在までの全勝者のひとりは近藤誠也五段。通算勝率が7割を超える関東若手の有望株です。今期の順位は6位。

9戦目で、藤井七段―近藤五段戦の大一番があります!

 

近藤誠也五段

 

そして、もうひとりはこのお方。右のお方ですね。

 

藤井聡太七段昇段祝賀会で主役と握手を交わす師匠の杉本昌隆七段(右)

 

杉本昌隆七段。藤井七段のお師匠様でございます。

順位は近藤五段より1枚下の7位です。

もし杉本七段と藤井七段の昇級! ということになれば、世にも珍しい師弟同時昇級となりますね!

 

近藤五段が順位の利を生かすか。

杉本七段が「弟子に負けておれん!」と奮闘を見せるか。

はたまた、藤井七段の連続1期抜け達成か。

1敗勢の阿部健治郎七段(8位、5―1)、船江六段(14位、5―1)、宮田敦史七段(5位、4―1)、真田圭一八段(29位、4―1)も、当然昇級戦線にからんでくるでしょう。

 

どの対局も激戦必至、見逃し厳禁です!

 

順位戦、それは「名人」に続く細く長い道・・・

強豪ひしめく中、ライバルたちに一歩先んじるのは誰になるのでしょうか。

すべては来年3月に決まります。


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著者

藤井草平(著者)