第31期竜王戦挑戦者 広瀬章人八段 「目に見えた結果を」~将棋世界 2018年11月号より|将棋情報局

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第31期竜王戦挑戦者 広瀬章人八段 「目に見えた結果を」~将棋世界 2018年11月号より

深浦康市九段と広瀬章人八段によって争われた第31期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負は、第1局を深浦九段、第2局を広瀬八段が勝って第3局までもつれ込み、広瀬八段が勝って挑戦権を獲得した。将棋世界 2018年11月号では、竜王戦七番勝負初登場となる広瀬八段にインタビュー。第1局を完敗して迎えた第2局、挑戦を決めた第3局の振り返り、そして七番勝負へ向けての抱負を聞いた。本記事では第2局振り返りの部分を掲載する。

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231手の死闘

――挑戦権獲得おめでとうございます。本稿では挑戦者決定戦第2、3局と、七番勝負に向けての抱負をお伺いしたいと思います。まず第2局ですが、1局目が完敗だったあとに迎えるということはいかがでしたか。

「割と日が空いていましたし、その間に別の棋戦でも深浦九段と当たって勝ちました。また後手番を落としただけとも考えられるので、悪いイメージを引きずることはありませんでした」

――第2局の内容について、解説をお願いします。

「本局は先手番で、相居飛車から序盤は作戦勝ち模様だったと思います。ただし、そこからもっと積極的に動いたほうがよかったですね。躊躇してしまい、深浦九段にうまく立ち回られてしまいました」

――8筋を突破した後手が、かなり優勢になったと見られていました。

「そうですね。途中は、はっきり負けの順もあったと思います。しかしそこからの粘りが功を奏して、こちらにも少し楽しみが出てきたような気がしていました。第1図で▲7七同銀△同馬▲同桂△3九竜▲4九歩ならば、後手の攻めを受け止めることができたでしょう。この順ならば方針が分かりやすいです。相手の攻めが途切れたら勝ちになりますから」

――本譜は▲4八玉と早逃げしました。

「対する△6七成桂が厳しかったです。分かってはいたんですけど、ずっと負けだなと悲観していたのが悪いほうに出て、最善手を逃してしまいました」

――以下の進行については。

「多分、お互いに小ミスを重ねていると思います。感想戦で最後の分岐点とされたのは第2図の局面で、ここから△1五竜ならばどうかとされましたが、実際はまだ難しかったです」

――実戦は第2図から△9五桂▲4六香△同金▲5五金△同角▲同馬△4四香▲9一竜△3二金打と進みました。

「手順中の▲5五金に△同角ではなく、△6六銀ならばどうなっていたか分かりません。△3二金打でこちらも寄せを諦める気になりました」

――相入玉の駒数勝負となれば、大駒を3枚持つ先手に分がありますね。

「ええ、以下の進行で大駒を取られることがなくなり、勝ちを意識しました。最後は後手玉を寄せる見込みが立ち、即詰みに討ち取ることができました」

 

 

激戦となった第2局を制した広瀬八段。縁の深い北海道が地震に見舞われた9月6日に行われた第3局をどう戦ったのか。そして、被災しながらも応援してくれたファンへの熱い気持ち、また七番勝負へ向けての抱負はいかに?

本インタビューの全文は将棋世界 2018年11月号でお読みいただけます。

 

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