2018.06.04
著者による「コンピュータ発!現代将棋新定跡」紹介!
皆さん、将棋情報局でははじめまして。
「コンピュータ将棋研究Blog」http://www.fgfan7.com/
を運営しているsuimonです。
今回は6月12日発売となる私の初の著書、「コンピュータ発!現代将棋新定跡」https://book.mynavi.jp/shogi/products/detail/id=90379
について書かせていただきます。
本書では、「角換わり▲4五桂」「角換わり▲4八金」「雁木」「相掛かり△7四歩取らせ」という4つの戦法について書かせていただきました。
その中で今回の記事では「雁木」について書きたいと思います。
ゴールデンウィーク中に開催された、「第28回世界コンピュータ将棋選手権」でも雁木の将棋はよく指されていました。
私もコンピュータ将棋選手権の棋譜はひととおり観賞したのですが、相雁木や雁木対して急戦を仕掛けていく指し方など、バラエティーに富んだ内容となっていました。
さて、私はゴールデンウィーク中に何をしていたのかというと、三重県の四日市市で毎年この時期に開催されている「全国アマチュア将棋レーティング選手権」という大会に出場していました。
この大会の中でも本に書いた戦法を中心として戦いました。
(結果は全国のアマチュア強豪相手に3勝3敗でした。)
今回は予選第5局の将棋について少し振り返りたいと思います。
図の局面は私が後手番で相雁木の将棋です。
ここから▲3五歩△同歩▲4六銀△3四銀▲3八飛△4三金右(下図)と進みました。
実はこの局面とほぼ同じ局面はすでに事前に研究しており、今回出版する著書にも書いていました。
それが、以下のページです。
実戦は▲7九玉と△7三桂の交換は入っていませんが、ほぼ同一局面です。
仮に▲3五銀以下、本に書いた手順のように進むと△3四歩と打たれたところで先手は飛車の引き場所が悩ましくなっています。(▲3六飛は△3一玉で後手満足の分かれ。▲3八飛には△4九銀がある。)
かといって、すぐに▲3五銀と攻めていけないのでは後手としては不満のない展開です。
事前研究の成果のおかげで、駒組み段階で時間をあまり消費せずに自信を持って局面を進めることができました。
相手の方は全国大会でも実績のある強豪の方でしたが、その後もうまく指せて勝つことができました。
その他の対局でも本に書いた手順と似たような展開になることも多く、全体的に序盤であまり時間を使わずに指すことができました。
本書の特徴のひとつとして、実戦で現れやすい局面をたくさん選んだという点が挙げられます。
「雁木」以外にも「角換わり」においてもネット将棋で出現した変化を一部収録しています。
本書を読みこなせば、序盤の時間の節約や有利な変化に持っていくといった効果も期待できると思います。
その他、本書全体の概要については私のブログ記事
http://www.fgfan7.com/entry/2018/04/30/100114
も参考にしてください。
6月12日発売です。
よろしくお願いします。
それではsuimonでした。
※「将棋情報局」で購入していただくと、もれなく「解説手順の棋譜データに加えて、著者suimonが選ぶ!本書の理解を深めるfloodgate好局棋譜データ」がダウンロードできるようになります。
この特典は、本では書ききれなかった変化についても研究できるので興味のある方は「将棋情報局」から本書を購入してみてください。