ニュースターを生んだ新棋戦~叡王戦七番勝負開幕を前に|将棋情報局

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ニュースターを生んだ新棋戦~叡王戦七番勝負開幕を前に

どちらが勝っても初戴冠! な叡王戦七番勝負の第1局が迫ってまいりました。これまでもニュースターを生んできた「新棋戦」。その歴史をたどってみましょう。

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今週土曜日の14日、金井恒太六段と高見泰地六段による第3期叡王戦七番勝負が開幕します。

どちらが勝ってもタイトル初戴冠となるフレッシュな組み合わせです。

注目しましょう。


金井恒太六段(左)と高見泰地六段

挑戦手合ではなく、決勝進出者同士がタイトル獲得を争うことになる新棋戦。間近に迫った叡王戦が必ずそうなるように、これまでも棋界に新たなスターを生んできました。七番勝負を前に、その歴史を振り返ってみましょう。(段位・肩書は当時)

 

シンデレラボーイ誕生! と言えば、まずは「第1期竜王戦」が思い出されます。

同棋戦は第26期まで行われた「十段戦」を発展させる形で1988年に誕生しました。

第1期竜王戦決勝トーナメントの顔ぶれを見ると、今は亡き大山康晴十五世名人、米長邦雄九段、大内延介九段、小野修一六段の名前も見られます。


週刊将棋1988年10月12日号より

第26期覇者の高橋道雄十段がスーパーシードに据えられて行われたトーナメント、決勝七番勝負に進んだのは、一流中の一流・米長邦雄九段と、タイトル戦初登場の島朗六段でした。

島は和服が当たり前のタイトル戦を高級ブランドのスーツで通し、また対局場となるホテルに水着を持参、プールでスイミングに興じるなど、その行動が大きな話題となりました。今までにないスタイルの棋士ということで、当時の流行語を使い「新人類棋士」とも称されました。

そして、島が周囲を驚かせたのはその行動だけではありませんでした。盤上では大方の予想を覆し、4―0と米長を圧倒! 一気に棋界のトップに駆け上がったのです。


週刊将棋1988年11月23日号より

お次は一気に年月を進めて2011年。

女流棋界の新棋戦としてリコー杯女流王座戦が産声をあげました。

16人による第1期本戦トーナメントを勝ち抜き決勝五番勝負に名乗りを上げたのは、清水市代女流六段と加藤桃子奨励会1級。


週刊将棋2011年9月28日号より

レジェンドに弱冠16歳の奨励会員が挑む構図となった五番勝負は、第4局まですべて後手番が勝つ展開で2―2となり、運命の最終戦は振り駒で先手番を引いた加藤が勝利! 奨励会員にして女流棋界のトップに立ったのでした。


週刊将棋2011年12月21日号より

ニュースター誕生の歴史、いかがでしたでしょうか。叡王戦七番勝負ではどんなドラマが生まれるのでしょうか。

対局はニコニコ生放送将棋連盟ライブ中継でご覧いただけます。

日程は以下の通りです。

場所 持ち時間 先手
4月14日(土) 名古屋市「名古屋城」 各5時間 金井
4月28日(土) 福岡県宗像市「宗像大社」 各5時間 高見
5月12日(土) 宮城県宮城郡松島町「瑞巌寺」 各3時間 金井
5月26日(土) 群馬県富岡市「富岡製糸場」 各3時間 高見
6月3日(日) 甲府市「常磐ホテル」 各1時間 金井
各1時間 高見
6月10日(日) 山形県天童市「ほほえみの宿 滝の湯」 各6時間 (振り駒)
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