2018.02.05
新刊案内「相掛かりの新常識」 ~なぜ飛車先交換をしなくなったのか?~
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
こんにちは。J・F・Kこと編集部島田です。
寒い日が続きますが、こたつのように心も体も温まる新刊案内いきます。
今日ご紹介いたしますのは2月15日発売の中座真先生の新刊「相掛かりの新常識」です。
新しい形が毎日のように出て定跡が日々進化している相掛かりについて、この戦法を得意とされている中座真七段に解説していただいた一冊です。
まずは目次をご覧ください。
序章「相掛かりの変遷」から始まり、先手のいろんな形が紹介されています。第3章の「▲5八玉型」と第5章の「▲5八玉戦法」って何がちがうねん!と、思った方もいらっしゃると思いますので基本図を掲載しておきます。
▲5八玉型はコレ。
▲5八玉戦法はコレです。
「▲5八玉型」は相掛かりで互いに銀を上がってから▲5八玉と立つ指し方。「▲5八玉戦法」は横歩取りと見せかけての相掛かり、といった趣で佐藤康光九段が得意にしている指し方です。
と、目次の説明はこれくらいにして、今日は序章の「相掛かりの変遷」に書かれている、「なぜ飛車先の歩交換をしなくなったのか?」について紹介したいと思います。
まずは日々の喧騒を忘れて次の図を見てください。
相掛かりといえば、この局面から▲2四歩とするのが当然でした。と、いうか、それが相掛かりの定義だと思ってました。
飛車先を交換して▲2八飛。
ここで後手も当然のように△8六歩から飛車先を交換します。
ここで先手が▲3八銀~▲2七銀と繰り出すのがかの有名な「相掛かり引き飛車棒銀」。これで先手が指しやすいとされる平和な時代が続いておりました(パックス・ロマーナ)。
しかしかかし!この「相掛かり引き飛車棒銀」に対して後手から有力な指し方が2つも発見されたのです。
それは▲2八飛に対して△8六歩とせずに
(1)△7二銀~△9四歩~△3四歩とする指し方
※▲9六歩と受けなければ△9五歩で指せる
(2)△3四歩~△5二玉~△7四歩とする指し方
今日はこの(2)の指し方を紹介したいと思います。
△7四歩に対して▲7六歩とすると△8六歩から横歩をかっさらう手を狙われます。飛車先交換を保留した効果で手損になりません。よって先手は▲3六銀。後手は△7五歩と位を取ります。
これで長い戦いになれば抑え込むことができそうですが、一目散に棒銀に来られて大丈夫なんでしょうか??
以下、▲2五銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛▲2四歩△同歩▲同銀と進むと・・・。
えっ?普通にダメじゃね? と、思いますよね?
これで棒銀が炸裂したようにみえるので、初見ではアマチュアの85%はこうやってくるでしょう(当社比)。
しかし、ここでいい手があるのです。
それが△4四角!!
あちょーーーー!!
軽くいなすあちょーーーーーーーー!!
次に△2二銀と上がられると受かっちゃうので▲2三銀成ですが、△2七歩~△2六歩で歩の数がピッタリ!
いや~。棒銀って、意外と受かるもんなんですね。この「2歩持っての△4四角」は他の戦型でも使えそうなので覚えときましょう。
と、いうわけで、かつて栄華を誇った「相掛かり引き飛車棒銀」は、後手が飛車先交換を保留する画期的な対策を編み出したことで歴史の表舞台から消えていったのでございます。むか~しむかしのお話でございます。
で、先手がどうしたかというと、「そっちが交換しないんなら、俺も交換しないもんね」作戦に打って出ます。
つまり、こういうことです。
対して後手も飛車先を交換せずに△7二銀と上がります。
そうです。この▲3八銀△7八銀と上がったところが本書「相掛かりの新常識」の基本図なのです。
話をまとめるとこういうことです。
以上です。
書籍にはこの辺りの変化がもっと詳しく解説されています。また、ここまでの話は文字通りの序章であり、ここから先が「相掛かりの新常識」の本論となります。いろいろな形が紹介されていますので、自分の好みに合いそうなものを使ってみるのがいいと思います。
ちなみに私は第3章の「▲5八玉型」がバランスが取れている感じで好きです。
そして本書をマイナビ出版のサイトで購入していただくと棋譜データの特典がついてきます!PCで棋譜を再生しながら読むと理解が深まると思いますので、ぜひお試しください。
相掛かりの最新形がよくわかる一冊「相掛かりの新常識」。ぜひ読んでみてください。
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寒い日が続きますが、こたつのように心も体も温まる新刊案内いきます。
今日ご紹介いたしますのは2月15日発売の中座真先生の新刊「相掛かりの新常識」です。
新しい形が毎日のように出て定跡が日々進化している相掛かりについて、この戦法を得意とされている中座真七段に解説していただいた一冊です。
まずは目次をご覧ください。
序章「相掛かりの変遷」から始まり、先手のいろんな形が紹介されています。第3章の「▲5八玉型」と第5章の「▲5八玉戦法」って何がちがうねん!と、思った方もいらっしゃると思いますので基本図を掲載しておきます。
▲5八玉型はコレ。
▲5八玉戦法はコレです。
「▲5八玉型」は相掛かりで互いに銀を上がってから▲5八玉と立つ指し方。「▲5八玉戦法」は横歩取りと見せかけての相掛かり、といった趣で佐藤康光九段が得意にしている指し方です。
と、目次の説明はこれくらいにして、今日は序章の「相掛かりの変遷」に書かれている、「なぜ飛車先の歩交換をしなくなったのか?」について紹介したいと思います。
まずは日々の喧騒を忘れて次の図を見てください。
相掛かりといえば、この局面から▲2四歩とするのが当然でした。と、いうか、それが相掛かりの定義だと思ってました。
飛車先を交換して▲2八飛。
ここで後手も当然のように△8六歩から飛車先を交換します。
ここで先手が▲3八銀~▲2七銀と繰り出すのがかの有名な「相掛かり引き飛車棒銀」。これで先手が指しやすいとされる平和な時代が続いておりました(パックス・ロマーナ)。
しかしかかし!この「相掛かり引き飛車棒銀」に対して後手から有力な指し方が2つも発見されたのです。
それは▲2八飛に対して△8六歩とせずに
(1)△7二銀~△9四歩~△3四歩とする指し方
※▲9六歩と受けなければ△9五歩で指せる
(2)△3四歩~△5二玉~△7四歩とする指し方
今日はこの(2)の指し方を紹介したいと思います。
△7四歩に対して▲7六歩とすると△8六歩から横歩をかっさらう手を狙われます。飛車先交換を保留した効果で手損になりません。よって先手は▲3六銀。後手は△7五歩と位を取ります。
これで長い戦いになれば抑え込むことができそうですが、一目散に棒銀に来られて大丈夫なんでしょうか??
以下、▲2五銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛▲2四歩△同歩▲同銀と進むと・・・。
えっ?普通にダメじゃね? と、思いますよね?
これで棒銀が炸裂したようにみえるので、初見ではアマチュアの85%はこうやってくるでしょう(当社比)。
しかし、ここでいい手があるのです。
それが△4四角!!
あちょーーーー!!
軽くいなすあちょーーーーーーーー!!
次に△2二銀と上がられると受かっちゃうので▲2三銀成ですが、△2七歩~△2六歩で歩の数がピッタリ!
いや~。棒銀って、意外と受かるもんなんですね。この「2歩持っての△4四角」は他の戦型でも使えそうなので覚えときましょう。
と、いうわけで、かつて栄華を誇った「相掛かり引き飛車棒銀」は、後手が飛車先交換を保留する画期的な対策を編み出したことで歴史の表舞台から消えていったのでございます。むか~しむかしのお話でございます。
で、先手がどうしたかというと、「そっちが交換しないんなら、俺も交換しないもんね」作戦に打って出ます。
つまり、こういうことです。
対して後手も飛車先を交換せずに△7二銀と上がります。
そうです。この▲3八銀△7八銀と上がったところが本書「相掛かりの新常識」の基本図なのです。
話をまとめるとこういうことです。
(1)「相掛かり引き飛車棒銀」は先手優勢という時代が続いた
(2)後手に△8六歩を突かない有力な2つの対策が発見された
(3)先手も▲2四歩からの飛車先交換をやめた
(4)今はいろいろな形が模索されているカオスの状態
(5)マルクス・アウレリウスの死後、コンモドゥス帝の悪政により社会は混乱した
(2)後手に△8六歩を突かない有力な2つの対策が発見された
(3)先手も▲2四歩からの飛車先交換をやめた
(4)今はいろいろな形が模索されているカオスの状態
(5)マルクス・アウレリウスの死後、コンモドゥス帝の悪政により社会は混乱した
以上です。
書籍にはこの辺りの変化がもっと詳しく解説されています。また、ここまでの話は文字通りの序章であり、ここから先が「相掛かりの新常識」の本論となります。いろいろな形が紹介されていますので、自分の好みに合いそうなものを使ってみるのがいいと思います。
ちなみに私は第3章の「▲5八玉型」がバランスが取れている感じで好きです。
そして本書をマイナビ出版のサイトで購入していただくと棋譜データの特典がついてきます!PCで棋譜を再生しながら読むと理解が深まると思いますので、ぜひお試しください。
相掛かりの最新形がよくわかる一冊「相掛かりの新常識」。ぜひ読んでみてください。
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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