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最新の雁木講座『時代は矢倉から雁木へ 自由自在、増田流雁木』(1)

将棋世界2017年11月号の戦術特集は「現代に甦る『雁木』の思想」。
現在プロ棋戦で大流行している雁木をさまざまな切り口で紹介しています。ここでは、雁木ブームの立役者・増田康宏四段が最新形を解説した「ツノ銀雁木」講座の一部を2回にわたりお送りします。

講座の全文は「将棋世界2017年11月号」をご参照ください。

今回、雁木の講座を担当する増田康宏です。雁木は現在、プロ棋界で大流行していますが、それはなぜでしょうか。

私は以前、インタビューで「矢倉は終わった」という発言をしたことがあります。雁木流行の背景には、矢倉の問題点が密接に関わってきますので、講座に入る前に、その言葉の真意と、雁木のメリットを、私の実戦を題材に説明したいと思います。

A図を見てください。どう手を続けるか難しいところですが、▲5五歩という手があります。△同歩なら▲6五桂△6四銀▲5四歩が、次に▲5三金を狙った厳しい攻めとなります。実戦は▲5五歩に△3五歩▲2六飛△6四歩でしたが、▲6五歩と突いて攻めがつながる形となりました。

続いてB図。ここで△3三桂と跳ねる手が絶好です。次に△2五桂から△3七歩成を見せて先手は動かざるをえない局面になっています。

この二つの例を見て分かるように、左桂の活用ができることが雁木の大きな特長といえるでしょう。どちらの図も矢倉囲いですとそれができないため、指す手が難しい局面になります。



続いてC図。ここから△6二金~△5二玉~△6一玉~△7二玉(D図)として一気に玉を右側(後手から見た場合)へ遁走させました。善悪は微妙ですが、戦場(2、3、4筋方面)から遠い場所に玉を移動させたことにより、実戦的にとても勝ちやすくなりました。雁木は金銀を中央付近に配置した陣形なので、このように戦場から遠ざかる玉の移動を簡単に行えます。この玉をいろいろな場所に移動できることが、雁木の最大のメリットだと私は思っています。これも金銀が片側に偏ってしまう矢倉にはまねできません。

もちろん矢倉にもよいところはあります。囲いの局地的な堅さは雁木よりもありますし。ただ、雁木のような囲いの多様性に乏しいので、使いづらいという印象は否めません。というわけで、簡単ながら雁木が矢倉より優れている理由の説明でした。

講座の全文は「将棋世界2017年11月号」をご参照ください。

~第2回へ続く

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