効率的に強くなろう!絵美菜流チャンク式将棋ドリル 第5回「新章突入!チャンクで戦法を覚えよう!」|将棋情報局

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効率的に強くなろう!絵美菜流チャンク式将棋ドリル 第5回「新章突入!チャンクで戦法を覚えよう!」

京大卒女流棋士、山口絵美菜女流1級が卒業論文の研究を元にした新しい将棋上達法「チャンク式将棋ドリル」を紹介します。

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 今週のチャンク式将棋ドリルの時間です!今日から第2章の幕開け!心の準備はいいですか?

まずは前回の復習おさらいから。

【復習問題】前回覚えたのは何囲いでしたか?下の盤面にその形を思い浮かべてください。再現できた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)して答え合わせをしましょう。

前回覚えたのは「矢倉(やぐら)囲い」といって、お城のように金銀3枚がギュッと集まった囲いでしたね。

そして前回の宿題はこちら。
①相手玉が矢倉になるように盤面に作ってみよう!
②金銀は全部で4枚ありますが、守りに3枚使ったら残りの1枚は何に使うか考えてみよう!
③居飛車と相性がいい囲いはどうして玉が左にあるのか考えてみよう!(ヒント:もし玉が右にあったら……と想像してみること) 

宿題②は考えてみましたか?「玉の守りは金銀3枚」という格言についての宿題です。盤上に金銀は合計4枚ありますが、守りには「金・金・銀」の3枚を使うのがいい形。残りの銀はというと……「守り」の反対、そう!「攻め」に使うのです!

ちなみに③ですが、答え合わせは次回にしますのでぜひ引き続き考えてください。

今回は「戦法編」。囲い編で一番最初に覚えた「美濃囲い」と相性のいいあの戦法(≒攻め方)を覚えちゃいましょう!

まずは美濃囲いのおさらい問題から。

【問題1】
次の局面を記憶してください。(駒11枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

ゴールデンウィークを挟んだせいで美濃囲いはもう忘却の彼方……というあなた!絶好の復習日和です。第2回「チャンクで囲いを覚えよう!」 に戻って覚えなおすとより効果的です!

美濃囲いを思い出したところで、ここからが今日の本題です。右側は美濃囲いにするなら左側はどうしたらいいのでしょう?「攻め」の形を覚えます。

【問題2】次の局面を記憶してください。(駒1枚) 覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

飛車が登場しましたね!左から数えて4筋目にいるので、ここに飛車がいる戦法を「四間飛車(しけんびしゃ)」といいます。最初に飛車がいる位置から飛車を動かして(=振って)いるので、「振り飛車」という戦法のひとつです。ちなみに、飛車が最初にいる位置から動かさない戦法を「居飛車(いびしゃ)」といいます。そこに居る飛車と覚えてください。

次に覚えるのは歩の位置です。飛車先の歩、どこでしょう?

【問題3】次の局面を記憶してください。(駒2枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

歩が1枚増えました。もう少し駒を増やしますよ! 

【問題4】次の局面を記憶してください。(駒4枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

桂と香が加わりましたね。初形のままの位置です。

次は歩です!「階段」で覚えてください。

【問題5】次の局面を記憶してください。(駒5枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

矢倉囲いで見た歩の形ですね。2個ずつ階段状に並んでいます。矢倉の時は7七のスペースに銀がいましたが、四間飛車ではどの駒がここに来るでしょう??

【問題6】次の局面を記憶してください。(駒6枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

7七には角が来ました!「飛車」「角」は大駒といって、攻めに欠かせない二大エースです!

次は「銀」が位置につきますよ!

【問題7】次の局面を記憶してください。(駒7枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

金銀4枚のうち、3枚は守りに、残りの1枚は攻めに使います。6七の銀は攻めの銀です。

次問でいよいよ四間飛車の完成!

【問題8】次の局面を記憶してください。(駒9枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

四間飛車の形ができました!穏やかな序盤でじっくり戦えるので、最初に覚える戦法としておすすめです。

それでは、問題1で思い出した美濃囲いと合わせてみましょう!難易度が上がるので、左半分と右半分でわけて思い出すといいかもしれません。

【問題9】次の局面を記憶してください。(駒20枚)覚えた!と思ったら画像をクリック(またはタップ)してください。

20枚の駒を全部覚えなきゃ!と焦る必要はありません。「囲い」のチャンクと「戦法」のチャンクで分けて考えてみましょう。

「囲い」の主役は「玉」なので、玉はどこにいるか?その玉に金銀3枚はどうくっついているのか?を順に考えてば、ゆっくりでも確実に思い出せます。「戦法」の主役は「飛車」なので、飛車はどの筋にいるのか?攻めの銀は?残りの駒は?と、少しずつ思い出していければ満点です。

次の図はおまけ、四間飛車のチャンクと美濃囲いのチャンクが交互に出る図なので、復習がてらタップ(またはクリック)して目を慣らしてください。

それでは今週の宿題です。
①相手陣が四間飛車になるように盤面に作ってみよう!
②頑張って問題9を覚えてみよう!
③(前回の続き)振り飛車と相性がいい囲いはどうして玉が右側にあるのか考えてみよう!

今回は覚える駒が多かったので、ゆっくり何回もトライしてみてくださいね!それではまた次回もお楽しみに!
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著者

山口絵美菜
1994年5月4日宮崎県出身の女流棋士。小学5年生の時に将棋と出逢い、女流棋士になるために京都大学文学部に進学。2017年に卒業し、現在は大阪を拠点に将棋の棋力向上と普及に努めている。史上初の京大卒女流棋士で、将棋をテーマとした卒業論文『将棋の「読み」と熟達度』では「チャンク」について研究を行った。趣味は勉強と文を書くこと。