『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー yama様|将棋情報局

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『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー yama様

『マンガでわかる1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー第6弾です!

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダー企画
レビュー第6弾はyama様に書いていただきました。

今回は5手詰が解けるくらいの棋力の方のレビューということで、また違う角度から本書の魅力を語っていただけました。ポイントを5つに分けてわかりやすく書いていただき、誠にありがとうございました!

それでは、どうぞ。
 

こんにちは。
「マンガでわかる子ども・初心者のための1手詰」の棋書アンバサダーを務めますyamaと申します。よろしくお願いいたします。

棋士や女流棋士の先生に駒落ちで教わるのが好きな指導対局将かつ観る将です。指導対局では二枚落ちで先生方に教わっています。平手の指し方が分からないため、棋力は不明です。毎日眠る前に詰将棋を見ることを日課としており、現在は5手詰を解いています。とよP先生の教えを守り、見るだけでもOKをノルマとするようなライトな将棋ファンです。

私自身は棋書を読んだこともあまりないため、的外れなことを記載している可能性もあるのですが『マンガでわかる子ども・初心者のための1手詰』を読んで感じたことを率直にリポートしたいと思います。

登場人物は、バスケットボールがぶつかって5人に分裂した豊島先生改めミニしま先生と、バスケ少女の成田杏ちゃんです。小さくなったミニしま先生を元に戻すべく、詰将棋を解いて分裂したミニしま先生を集めていくストーリーが、発売前から話題です。

本書のおすすめポイントは多々あるのですが、5つに分裂した豊島先生にならい、5つのポイントで紹介します。
 
1.なんといってもイラストが可愛い
2.すべてにルビが振ってある親切心
3.解答欄にて不正解の考え方も知れる一石二鳥三鳥
4.初心に返れる 基本を思い出させてくれる問題
5.豊島ファン必読書

1.なんといってもイラストが可愛い
ミニしま先生の可愛さは言わずもがなですが、駒たちの動きが可愛いのです。特に好きなのが、序盤戦~終盤戦について紹介している箇所です。2Pで序盤・中盤・終盤がどのようなものかを表現されているのですが、駒たちの心情?が記載されており、理解へ一役買っています。終盤戦のコマの一言がSしま先生を彷彿とさせる点も見逃せません。

 

また杏ちゃんのコメントが初心者の気持ちを代弁してくれているため、自分事として読み進めることができます。

初心者にとってハードルとなっている、文字だけや盤面と文字だけの圧迫感のあるページがありません!
可愛いイラストが親近感をもたせ、ページをめくらせてくれます。

2.すべてにルビが振ってある親切心
タイトルから会話、注釈にいたるまですべてにルビが振ってあるため、ひらがなを覚えたお子様から学ぶことができます。これがすごく丁寧だと感じました。誰も置いてきぼりにしない優しさを感じながら読み進めることができます。
将棋特有の説明をするにあたって少し文字が多いかなと思うところもあるのですが、そこはマンガの良さが発揮されています。まずは興味を持ってもらう。という点において、全編マンガで学ぶことができる点が秀逸だと感じます。

3.解答欄にて不正解の考え方も知れる一石二鳥三鳥
問題は全部で81問。はじめは少ない駒の配置からはじまり、駒の位置が一マス変わる、駒が一つ変わる、駒が増える等、少しずつ変化していきます。
駒や位置が一つ変わるだけで考え方も変える必要がある。
初心者の時はこの考えを身につけるのに時間がかかるのですが、自然と身につく問題の流れとなっています。
少しずつ難しくなっていくのですが、その流れが緩やかなため解きやすいと思います。

この本の素晴らしいところだと感じたのが、正解だけでなく、不正解についても記している点です。不正解は、なぜそれがダメなのかが分からないと、結局は理解につながらないと思います。本書では、すべての問題で「なぜこの考えが不正解となるのか」「何を意識するといいのか」について紹介されています。
“初心者を置いてけぼりにしない”そんな小田切先生の想いが伝わってきます。
すべてにルビを振っている点とあわせ、本書をおすすめする一番の理由になります。



4.初心に返れる 基本を思い出させてくれる問題
3手詰や5手詰に挑戦している際、なかなかうまくいかない時があると思います。そのようなときに、基本に戻る意味でおすすめです。
特に、大人になってから将棋に触れた方におすすめだと感じます。大人になってからの学びは、(私だけかもしれませんが)コスパを考えたり分かった気になっていることが多いのですが、本書では基本から伝えてくれるため、間違いやすい点もしっかりと学ぶことができます。各問題のヒントやミニしま先生のコメントから、基本の考え方を思い出すこともできます。

5.豊島ファン必読書
あらゆるところにいるミニしま先生のしぐさにやられます(笑)





「どのミニしま先生が好きか選手権」を行ってみたいほどです。しかしながら一人に決めることが難しいため、開催は難しいことでしょう。

「あ、これこれ!」とファンがついつい目で追ってしまう仕草や言動。さざなみさんの再現力が素晴らしいです。
肝心の問題は、すべてにおいてミニしま先生がヒントをだしてくれています。杏ちゃんと一緒に考え・学ぶことができます。まるで本物の豊島先生から教わっているかのような錯覚に陥ります。
時折見せるSしま先生に喜んでしまう。そんな楽しい一面もあります。

「豊島ブートキャンプをやりたいな」と思いながらも足を踏み出せない方、この本なら背中を推してくれると思います。
ミニしま先生もおっしゃっています。「まずは1手詰から少しずつでいいんですよ」と。



豊島先生が出る最後の一コマがすごくよいです。
これはぜひ手に取って確かめてください!
思わず「はい!」と言ってしまうと思います。

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全体を通してすごく分かりやすい構成です。問題数も将棋盤のマス目の数と同じ81問。
多すぎず少なすぎず「もう少し解いてみたいな」という心理を掻き立てる設計になっています。ミニしま先生が集まってくるシーンも、よくよく考えるとシュールなのですが、一体感があり、マンガを読んでいるとまったく違和感がありません。早くミニしま先生を集めよう!となるから不思議です。

「マンガでわかる子ども・初心者のための1手詰」にて81問解いた夜、日課の5手詰本を開いたところ、前日まで苦戦していた問題がすぐ解けました。
それは、第15問の応用でした。



豊島先生が仰る「見た瞬間にわかるまで解く」が、はじめて分かった気がします。
「1手詰は基本」と身に沁みながら、気持ち良く眠りにつくことができました。

イラストも可愛く、テンポの良い構成のため、将棋教室や将棋コーナーでの展開に加え、将棋コーナー以外にも並んでいると、より多くの方に興味を示してもらえるのではないか。と感じました。

この度は棋書アンバサダーの機会をいただき、誠にありがとうございました。

小田切先生、さざなみさん、マイナビ出版様、そして豊島先生、素敵な本を作成いただき、ありがとうございます。
手元に届く日が待ち遠しいです。
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