2024.08.21
『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー 北斗様
『マンガでわかる1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー第5弾です!
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダー企画
レビュー第5弾は北斗様に書いていただきました。
今回のアンバサダー企画で初めて、将棋指導者の方にレビューを書いていただきました。今までの方とは視点も感想も一味違っていて、なるほど~と感じました。ありがとうございました!
それでは、どうぞ。
この度、『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』の棋書アンバサダーを務める北斗です。よろしくお願いします。
私の棋力はアマ三段で、将棋普及指導員の資格を持っています。普段は勤務先の塾の校舎に将棋コーナーを設け、授業後の空き時間に中学生の生徒たちへ将棋を広めています。生徒たちからは「将棋の先生」と呼ばれ、すっかり苗字では呼ばれなくなりました(笑)。
その将棋コーナーには、将棋の盤と駒に加え、「(私の苗字)Tからの挑戦状」と称して(TはTeacherのT)、1手、3手、5手の詰将棋を中心とした問題集を設置しています。しかし、詰将棋に取り組むのは既に将棋を知っている生徒で、多くの生徒はいきなり盤駒を使って実戦をしたがります。生徒たちにとって、「問題集=難しいもの、実戦=ゲーム」というイメージがあるようで、いかに詰将棋を取り組むことへの抵抗感を減らせるかが上達のカギになると感じています。実際に私が問題集の1問目、本書49ページの頭金と同じような問題の解説をすると、生徒は「なるほど!面白い!」と喜んでくれます。こうして詰将棋もパズルゲームのような感覚でゲーム化できれば詰将棋への抵抗感も減るはずです。
そこで重要になってくるのが、取り組みやすい詰将棋のテキストです。私が設置した問題集は、挑戦状などという言葉を使い、いかにも難しそうな雰囲気を醸し出してしまいましたが、本書『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』は180度テイストが異なります。可愛らしいイラストが目を引く表紙で、内容も1手詰に限定しています。また、全ての漢字に振り仮名が施されている点も素晴らしいと思いました。初見で歩を「ふ」と読むことができる生徒はまずいません。
本書の魅力的な点は多々ありますが、まずはオープニングの漫画。キャラクターが非常に可愛らしい点もさることながら、豊島先生が5人に分裂するという空前絶後の展開。一気に本書の世界観へ引き込まれます。ばらばらになった5人の豊島先生を集めるという目的があることで、冒頭に触れた「詰将棋のゲーム化」がなされていると感じました。また、分裂した豊島先生の等身が生徒役の女の子よりも低くなることで一気に親しみやすくなります。
そしてメインの詰将棋について。問題の品質は非常に良いと感じました。微妙な形の違いで答えが異なるというパターンが多く、類題演習を通して効果的な上達が見込めそうです。特に、問41から始まる一間龍の反復練習は、重要手筋の反復という点で非常に効果的であると感じました。
本書では、手筋を学び、それを活用する、という流れが完成しています。後半に行くにつれて盤上の駒の枚数が多くなり、実戦に近い局面となるため、学んだ内容が実戦で活きるという経験を通してより詰将棋への意欲が湧いてきます。
問題の解説は、58ページの「▲2二銀と真横から打つのは王手になりません。」という文章から分かるように、初心者目線で易しく書かれています。
王手でない手を思いつき、そしてその手で王様の全ての逃げ道が塞がれた場合、解けたと勘違いすることはよくあります。ところが、王手にならない手は通常、解説のページに載らないため、なぜ自分の回答が間違いであるかを確認できないということが発生します。しかし、この一文があることで、詰将棋は王手の連続で詰ますというルールを再確認できます。
本書は、冒頭の漫画において詰将棋を始める抵抗感を減らすこと、内容面において詰将棋を続ける意欲を掻き立てることを達成しています。さらに、本書の最後で「私の将棋ライフここから始まります!」とあるように、本書を足掛かりに、よりステップアップした内容にも取り組みたくなります。本書はまさに「序盤、中盤、終盤、隙がない」入門書です。
本書を通して、気軽に将棋を始め、継続し、そしてより深い将棋の世界へ飛び込みたくなること間違いありません! お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
レビュー第5弾は北斗様に書いていただきました。
今回のアンバサダー企画で初めて、将棋指導者の方にレビューを書いていただきました。今までの方とは視点も感想も一味違っていて、なるほど~と感じました。ありがとうございました!
それでは、どうぞ。
この度、『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』の棋書アンバサダーを務める北斗です。よろしくお願いします。
私の棋力はアマ三段で、将棋普及指導員の資格を持っています。普段は勤務先の塾の校舎に将棋コーナーを設け、授業後の空き時間に中学生の生徒たちへ将棋を広めています。生徒たちからは「将棋の先生」と呼ばれ、すっかり苗字では呼ばれなくなりました(笑)。
その将棋コーナーには、将棋の盤と駒に加え、「(私の苗字)Tからの挑戦状」と称して(TはTeacherのT)、1手、3手、5手の詰将棋を中心とした問題集を設置しています。しかし、詰将棋に取り組むのは既に将棋を知っている生徒で、多くの生徒はいきなり盤駒を使って実戦をしたがります。生徒たちにとって、「問題集=難しいもの、実戦=ゲーム」というイメージがあるようで、いかに詰将棋を取り組むことへの抵抗感を減らせるかが上達のカギになると感じています。実際に私が問題集の1問目、本書49ページの頭金と同じような問題の解説をすると、生徒は「なるほど!面白い!」と喜んでくれます。こうして詰将棋もパズルゲームのような感覚でゲーム化できれば詰将棋への抵抗感も減るはずです。
そこで重要になってくるのが、取り組みやすい詰将棋のテキストです。私が設置した問題集は、挑戦状などという言葉を使い、いかにも難しそうな雰囲気を醸し出してしまいましたが、本書『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』は180度テイストが異なります。可愛らしいイラストが目を引く表紙で、内容も1手詰に限定しています。また、全ての漢字に振り仮名が施されている点も素晴らしいと思いました。初見で歩を「ふ」と読むことができる生徒はまずいません。
本書の魅力的な点は多々ありますが、まずはオープニングの漫画。キャラクターが非常に可愛らしい点もさることながら、豊島先生が5人に分裂するという空前絶後の展開。一気に本書の世界観へ引き込まれます。ばらばらになった5人の豊島先生を集めるという目的があることで、冒頭に触れた「詰将棋のゲーム化」がなされていると感じました。また、分裂した豊島先生の等身が生徒役の女の子よりも低くなることで一気に親しみやすくなります。
そしてメインの詰将棋について。問題の品質は非常に良いと感じました。微妙な形の違いで答えが異なるというパターンが多く、類題演習を通して効果的な上達が見込めそうです。特に、問41から始まる一間龍の反復練習は、重要手筋の反復という点で非常に効果的であると感じました。
本書では、手筋を学び、それを活用する、という流れが完成しています。後半に行くにつれて盤上の駒の枚数が多くなり、実戦に近い局面となるため、学んだ内容が実戦で活きるという経験を通してより詰将棋への意欲が湧いてきます。
問題の解説は、58ページの「▲2二銀と真横から打つのは王手になりません。」という文章から分かるように、初心者目線で易しく書かれています。
王手でない手を思いつき、そしてその手で王様の全ての逃げ道が塞がれた場合、解けたと勘違いすることはよくあります。ところが、王手にならない手は通常、解説のページに載らないため、なぜ自分の回答が間違いであるかを確認できないということが発生します。しかし、この一文があることで、詰将棋は王手の連続で詰ますというルールを再確認できます。
本書は、冒頭の漫画において詰将棋を始める抵抗感を減らすこと、内容面において詰将棋を続ける意欲を掻き立てることを達成しています。さらに、本書の最後で「私の将棋ライフここから始まります!」とあるように、本書を足掛かりに、よりステップアップした内容にも取り組みたくなります。本書はまさに「序盤、中盤、終盤、隙がない」入門書です。
本書を通して、気軽に将棋を始め、継続し、そしてより深い将棋の世界へ飛び込みたくなること間違いありません! お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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