『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー fruits様|将棋情報局

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『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー fruits様

『マンガでわかる1手詰』棋書アンバサダーによるレビュー第3弾です!

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 『マンガでわかる 子ども・初級者のための1手詰』棋書アンバサダー企画
レビュー第3弾はfruits様に書いていただきました。

とてもとても、とーってもわかりやすいレビューを書いてくださって、誠にありがとうございます。

それでは、どうぞ!
 

私は、数年前まで将棋と交わることもなく、駒の動かし方さえも知らずに日々を過ごしていました。
そんなある日のこと(コロナ禍で不要不急の外出を自粛していた折)、たまたま観ていた将棋の対局中継で、将棋観戦の楽しさを知ることとなり、気が付けば観る将になっていました。
最近では、タイトル戦の大盤解説会や前夜祭、イベント等に参加させていただくこともあり、楽しみが増えて、人生が豊かになった様に感じています。

きっかけとなったタイトル戦のシリーズでは、その佇まいや所作、異例の9局にも及ぶ番勝負を見事に制され、第5期叡王を獲得されたお姿に、すっかり豊島先生推しになりました。

肝心の棋力の方は、残念ながら全くです(笑)。
詰将棋は1手詰なら何とかなりますが、3手詰は時々出来ることもある、という程度。実戦は6枚落ちでもなかなか相手の王様を詰ますことができません。これはもう向いていないとしか言いようのない、初級者以前の不出来者です。
いつか推し先生の御指導を受けるのが夢だなんて、口が裂けても言えません。

さて、本書は、監修が豊島九段ということと、さざなみ先生の可愛いらしい5分裂ミニしま先生のイラストが注目を浴び、発表当初からXでも話題騒然となっていました。
著者は、数多くの棋書を執筆されている指導棋士の小田切秀人先生ということで、これだけ揃えば確かな良書であることは疑いの余地もありません。
この本なら、私の詰将棋力も向上するのではないでしょうか。

1.はじめに
最初にページをめくると豊島先生のまえがきがあり、思わず居住まいを正してしまいます。先生らしい静かで凛とした、優しさ溢れる文章で本書の幕開けです。
お話は、バスケットボールにぶつかった豊島九段が5人に分裂してしまうところから始まります。
分裂してしまったミニしま先生が、特に慌てることもなく「将棋とは…」をざっくりと説明してくださいます。
実際、豊島先生は小さくなっても慌てず騒がず、こんな感じでいらっしゃるのだろうなと、笑みを浮かべながら読み進めていきました。

2.第1章 将棋のルールを覚えよう
第1章では、将棋のルールが楽しくわかりやすく説明されています。
駒の動かし方、成駒、反則、間違えやすいルール…と進んでいきます。



例えばこちら。間違えやすい駒の動きでは、金と銀をセットで覚えられるよう、幾つかのイラストでイメージしています。
私も最初、銀の動きをよく間違えたので、これはとても覚えやすいと思いました。
他の解説もこれから将棋を始める方にもぴったりな内容になっています。

3.第2章 1手詰に挑戦
さぁ、ここからは詰将棋を解いてとよぴー先生を元に戻します。
もう、全ページがとにかく可愛いんです!
ちっちゃいのに豊島先生の特徴を的確にとらえられているのが凄いです。
次々に色々な表情のミニしま先生がみられたり、先生がひとりずつ戻ってきたりするので、先の展開が楽しみになります。

最初は頭金から。シンプルな問題からスタートします。
問題ページではヒントを、正解ページでは大事なポイントを、ミニしま先生が親切に解説してくださいます。
問題は少しずつ難しくなっていき、駒数も増えていきますが、前ページとの比較や、間違えやすいポイントを押さえながら解いていけるので、とても理解しやすいです。



バスケ少女の主人公が、角と桂馬の連携をスリーポイントシュートに例えるページがありますが、例えが絶妙でここは私のお気に入りです。
後半では、実戦に出やすい問題になります。矢倉や美濃囲いといった囲いを、一撃で倒せる必殺技も出てきます。

初級者向けの詰将棋本は数多くあると思いますが、ミニしま先生に付きっ切りで教えていただける贅沢を味わえるのは、勿論本書ならではです (ミニサイズというところが親近感を抱けるポイントです)。
楽しいストーリーで、初級者にも優しくわかりやすい配慮が随所に散りばめられています
ので、初めてのお子様も楽しみながらぐんぐん吸収されることでしょう。私の様な超初心者にもうってつけです。

また、全81問(81は将棋のマス目の数ですね)という問題数も、多すぎず、少なすぎず、ちょうど良い数ではないでしょうか。
これなら私にも「見た瞬間解けるレベル」まで、#豊島ブートキャンプを続けていけそうです。
「最後は自力で頑張って」というドS講師?のお声が聞こえてきそうですね(笑)。

読み終えた時には、イラストの豊島先生の笑顔に爽やかな気持ちになると同時に、可愛い先生たちとのお別れが寂しくなって、しんみりしてしまいました。
是非シリーズ化も御検討よろしくお願いいたします(無茶ぶりですね)。

4.終わりに
本書は、お子さまや初級者の方は勿論、豊島先生のファンの方や、中・上級者で初心に立ち返ってみたい方など、多くの方におすすめです。
是非、皆様もミニ島先生たちと楽しんで学んでいただけたら、と思います。

最後に、棋書アンバサダーという貴重な経験をさせていただきました、マイナビ出版の島田様を初め、著者の小田切秀人先生、イラストのさざなみ先生、そして監修の豊島将之先生他、関係各位の方々に厚く御礼を申し上げますとともに、皆様の今後の更なる御活躍を御祈り申し上げます。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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