2024.06.28
右四間飛車で四間飛車を攻略する方法は?覚えておいた方がいい攻め筋を解説!
右四間飛車を指していて、その場で攻め筋を考えても思いつかないことってありますよね。
今回は右四間飛車対四間飛車の戦い方を解説します。
参考になる攻め筋をたくさん解説していますので、級位者~初段ぐらいまでの方にも勉強になる内容になっています。
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皆さんこんにちは。
本記事では、「右四間飛車」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年6月28日に発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
今回は右四間飛車対四間飛車の戦い方を解説します!
※右四間飛車の基本的な考え方については、こちらの記事で解説しています。
※本稿は、大平武洋著『これだけで勝てる右四間飛車』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
第1図の局面で、後手は△4二飛と四間飛車に回ってきました。先手も▲4七銀と上がって第2図。
第2図から、△6二玉▲6八玉△7二玉▲7八玉△8二玉(第3図)とお互いに玉を囲います。
第3図から▲5六銀△3三角▲5八金右と進んで第4図。
▲5六銀のタイミングで後手が何もしないと、▲4五歩と突きます。△同歩は▲2二角成で飛び上がります。
△3三角はそれを受けた手で、先手もそれならばと▲5八金右で舟囲いを完成させます。
第4図以下、後手が△4三銀と上がった時に▲4八飛(第5図)として右四間飛車の完成です。
▲4八飛に対して後手は△5四歩(参考1図)として▲4五歩の攻めを受ける指し方もありますが、完全な受け身になるので指す人も減りましたし、先手が恐れる形ではありません。
第5図以下、△5四銀▲3六歩△7二銀▲9六歩△9四歩(第6図)と進みます。
現状では4筋の戦力は互角なので、▲3六歩で桂馬を使えるようにしていきます。
▲9六歩△9四歩の交換も、船囲いの場合は居飛車に得が多いです。
第6図以下、先手は▲3七桂(第7図)と跳ねます。
▲3七桂は自然な手で▲4五歩や▲2五桂から攻めていく狙いです。
▲3七桂では▲3五歩と突いて△同歩に▲3八飛(参考2図)という攻め方もあります。
しかし、これは自玉が堅い場合に有効な攻め方で、船囲いでは△3二飛と迎え撃たれてしまい、飛車交換になると先手が自信のない局面になります。
この周辺が右四間飛車の手筋満載なので繰り返し読んででも覚えてください。
意味としては▲1一角成とダイレクトに取られる手を消していることで、居飛車側の攻めに制約を与えています。
確実にプラスになる手ではないものの▲4五歩から攻めてくる場合には有力な手です。
第8図で▲2五桂と仕掛けると、△2四角▲4五歩△同歩▲1一角成に△3一金(参考3図)で攻めが続きません。
▲1六歩△5二金左の交換を入れてから、▲2五桂(第9図)と仕掛けます。ここからが右四間飛車の醍醐味です。
▲2五桂に△2二角は▲4五歩と攻めて問題ありません。
そこで▲2五桂に△2四角(第10図)と逃げる手を紹介します。
△2四角に対しても▲4五歩と仕掛けます。
▲2五桂から▲4五歩が右四間飛車の攻め方です。
また▲4五歩に代えて▲5五銀とぶつけるような手もありますが△6五銀とされて▲4四銀に△7六銀(参考4図)は玉に近い分先手が自信ありません。
▲4五歩に対しては、
まずは①△同歩の変化を見ていきます。
▲4五歩△同歩は▲3五歩と突いて△同角に▲1一角成(第11図)とします。
△4六角が後手の反撃ですが、▲2一馬から攻め合って△1九角成▲3三桂成△4四飛に▲3六桂(結果1図)で技が決まります。
△4一飛と逃げるくらいですが▲3二馬と引いて後手は困ります。
▲3五歩の突き捨てがないと▲3六桂が打てないので後手がやや優勢の局面になります。
ここまで△2四角▲4五歩△同歩の変化を見てきましたが、先手が有望な展開であることが分かりました。
続いて②△同銀です。
▲4五歩△同銀(第12図)は通常見ない形ですが、ここで▲5五銀として▲4四銀を狙うのは、△4三金(参考5図)で攻めになりません。
第12図以下▲同銀△同歩(第13図)と銀交換になった局面の判断は難しいところです。
駒の損得は後手が歩を一枚得していて、玉の堅さも後手が有利。
ただ手番が先手なのと桂馬の働きは先手の方が勝っています。
それを踏まえて考えるとほぼ互角の形勢ですが、手番を持って攻めることができる先手の方が実戦的には勝ちやすい局面です。
この▲3三銀が右四間飛車の手筋です。このタイミングで打ち込めば△同桂▲同桂成△4一飛(第14図)までは必然の進行になります。
途中▲同桂成に代えて▲3三同角成として角交換をしてしまうのは、後手の角をさばかせてしまうだけ損な手です。
また、本譜でも桂馬を成り込んで順調のようですが、△4一飛の局面が難しく、上手く攻めないと攻めが続かない形です。
攻めが難しい局面ですが、おすすめは▲3二成桂(第15図)です。
▲3二成桂は一見すると重い攻め方で、知らないとできない攻め方です。
△5一飛と逃げてくれれば▲4五飛(参考6図)と走る手が気持ちよく先手優勢です。
次に▲4一成桂で飛車が取れますし△4三歩にも▲4二歩や▲2二角成で攻めが続きます。
かなり狭い位置ですが△4三飛と逃げるしかありません。
先手は歩を持っていれば▲4四歩で飛車を取れますが、残念ながら歩を入手できる場所がありません。
ゆっくりしていると△4六歩が厳しいので先手は攻め続けます。
歩が欲しい局面ですが▲9五歩はやや無理攻めで△4六歩▲9四歩△4五飛(参考7図)で後手優勢です。
また▲9五歩に代えて▲4四桂と打てば△6二金寄に▲4五飛と走ることができますが、先手の飛車先が重い形で自信ありません。
そこで▲5五桂(第16図)と打ちます。
△4四飛と逃げますが▲6三桂成(第17図)と追撃します。
これが「3手の読み」と言われる考え方で流れるような攻め方です。
▲6三桂成のように、駒が動いて大駒の道ができる場合に技が決まりやすいので、手筋として覚えてください。
▲6三桂成に対して、
まずは①同金から。
▲6三桂成に対し、飛車を逃げずに△同金と高美濃にしながら取るのも味のいい手です。
先手はそれならばと▲4四角と飛車を取りますが、△4六角(第18図)と△1九角成を狙ってきます。
第18図以下、▲4二成桂(第19図)と攻めていきます。
第19図以下△1九角成に▲2二飛(結果2図)が肝心な手で▲3二飛は▲5二成桂に△4三銀という受けがあるので攻めになりません。
結果2図からは△6二金引か△6四馬でやや先手有利の局面です。
第18図では▲3三角成(参考8図)という手もあります。
次に△1九角成なら▲4五飛を狙っています。
▲3三角成に△5四銀(参考9図)や△5四金としてほぼ互角の戦いでしょう。
続いて、②△7四飛。
飛車を渡さない△7四飛(第20図)の方が一般的な指し方です。
この手に▲7二成桂は△同金に▲6一銀と打てますが△6二金左▲7二銀成△同金(参考10図)とされた局面がつまらない形です。
そこで▲5二成桂(第21図)と取って、金を離れる形にします。
△同金に▲4五飛とすると、△7六飛(参考11図)と走られてしまいます。
▲7七歩では角が使えず苦しいですし▲7七角も△6五桂の筋が残ってしまい先手苦戦です。
▲4五飛に代えて▲7五金(第22図)として、△7六飛を防ぎます。
△同飛▲同歩△7六銀が怖いですが▲2二角成(参考12図)で大丈夫そうです。
第21図以下、△5四飛(結果3図)と逃げた局面は互角の形勢です。
以上が右四間飛車対四間飛車の戦い方です。
詳しくは、2023年6月28日発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)に載っています。
本書ではほかにも、「対矢倉」などの戦い方も解説しています。
ぜひ本書を読んで、をマスターしてください! お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
本記事では、「右四間飛車」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年6月28日に発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
今回は右四間飛車対四間飛車の戦い方を解説します!
※右四間飛車の基本的な考え方については、こちらの記事で解説しています。
※本稿は、大平武洋著『これだけで勝てる右四間飛車』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
右四間飛車VS四間飛車
第1図は、▲4六歩と突いた局面。第1図の局面で、後手は△4二飛と四間飛車に回ってきました。先手も▲4七銀と上がって第2図。
第2図から、△6二玉▲6八玉△7二玉▲7八玉△8二玉(第3図)とお互いに玉を囲います。
第3図から▲5六銀△3三角▲5八金右と進んで第4図。
▲5六銀のタイミングで後手が何もしないと、▲4五歩と突きます。△同歩は▲2二角成で飛び上がります。
△3三角はそれを受けた手で、先手もそれならばと▲5八金右で舟囲いを完成させます。
第4図以下、後手が△4三銀と上がった時に▲4八飛(第5図)として右四間飛車の完成です。
▲4八飛に対して後手は△5四歩(参考1図)として▲4五歩の攻めを受ける指し方もありますが、完全な受け身になるので指す人も減りましたし、先手が恐れる形ではありません。
第5図以下、△5四銀▲3六歩△7二銀▲9六歩△9四歩(第6図)と進みます。
現状では4筋の戦力は互角なので、▲3六歩で桂馬を使えるようにしていきます。
▲9六歩△9四歩の交換も、船囲いの場合は居飛車に得が多いです。
第6図以下、先手は▲3七桂(第7図)と跳ねます。
▲3七桂は自然な手で▲4五歩や▲2五桂から攻めていく狙いです。
▲3七桂では▲3五歩と突いて△同歩に▲3八飛(参考2図)という攻め方もあります。
しかし、これは自玉が堅い場合に有効な攻め方で、船囲いでは△3二飛と迎え撃たれてしまい、飛車交換になると先手が自信のない局面になります。
この周辺が右四間飛車の手筋満載なので繰り返し読んででも覚えてください。
序盤のポイント:▲2五桂~▲4五歩で開戦
第7図以下、△5二金左が自然な手に見えますが、この局面では△1二香(第8図)が振り飛車党必須の一手です。意味としては▲1一角成とダイレクトに取られる手を消していることで、居飛車側の攻めに制約を与えています。
確実にプラスになる手ではないものの▲4五歩から攻めてくる場合には有力な手です。
第8図で▲2五桂と仕掛けると、△2四角▲4五歩△同歩▲1一角成に△3一金(参考3図)で攻めが続きません。
▲1六歩△5二金左の交換を入れてから、▲2五桂(第9図)と仕掛けます。ここからが右四間飛車の醍醐味です。
▲2五桂に△2二角は▲4五歩と攻めて問題ありません。
そこで▲2五桂に△2四角(第10図)と逃げる手を紹介します。
△2四角に対しても▲4五歩と仕掛けます。
▲2五桂から▲4五歩が右四間飛車の攻め方です。
また▲4五歩に代えて▲5五銀とぶつけるような手もありますが△6五銀とされて▲4四銀に△7六銀(参考4図)は玉に近い分先手が自信ありません。
▲4五歩に対しては、
①△同歩
②△同銀
の2通りがあります。②△同銀
まずは①△同歩の変化を見ていきます。
▲4五歩△同歩は▲3五歩と突いて△同角に▲1一角成(第11図)とします。
△4六角が後手の反撃ですが、▲2一馬から攻め合って△1九角成▲3三桂成△4四飛に▲3六桂(結果1図)で技が決まります。
△4一飛と逃げるくらいですが▲3二馬と引いて後手は困ります。
▲3五歩の突き捨てがないと▲3六桂が打てないので後手がやや優勢の局面になります。
ここまで△2四角▲4五歩△同歩の変化を見てきましたが、先手が有望な展開であることが分かりました。
続いて②△同銀です。
▲4五歩△同銀(第12図)は通常見ない形ですが、ここで▲5五銀として▲4四銀を狙うのは、△4三金(参考5図)で攻めになりません。
第12図以下▲同銀△同歩(第13図)と銀交換になった局面の判断は難しいところです。
駒の損得は後手が歩を一枚得していて、玉の堅さも後手が有利。
ただ手番が先手なのと桂馬の働きは先手の方が勝っています。
それを踏まえて考えるとほぼ互角の形勢ですが、手番を持って攻めることができる先手の方が実戦的には勝ちやすい局面です。
中盤のポイント:相手の飛車を追いかけながら攻める
第13図以下、▲3三銀と激しく攻めます。この▲3三銀が右四間飛車の手筋です。このタイミングで打ち込めば△同桂▲同桂成△4一飛(第14図)までは必然の進行になります。
途中▲同桂成に代えて▲3三同角成として角交換をしてしまうのは、後手の角をさばかせてしまうだけ損な手です。
また、本譜でも桂馬を成り込んで順調のようですが、△4一飛の局面が難しく、上手く攻めないと攻めが続かない形です。
攻めが難しい局面ですが、おすすめは▲3二成桂(第15図)です。
▲3二成桂は一見すると重い攻め方で、知らないとできない攻め方です。
△5一飛と逃げてくれれば▲4五飛(参考6図)と走る手が気持ちよく先手優勢です。
次に▲4一成桂で飛車が取れますし△4三歩にも▲4二歩や▲2二角成で攻めが続きます。
かなり狭い位置ですが△4三飛と逃げるしかありません。
先手は歩を持っていれば▲4四歩で飛車を取れますが、残念ながら歩を入手できる場所がありません。
ゆっくりしていると△4六歩が厳しいので先手は攻め続けます。
歩が欲しい局面ですが▲9五歩はやや無理攻めで△4六歩▲9四歩△4五飛(参考7図)で後手優勢です。
また▲9五歩に代えて▲4四桂と打てば△6二金寄に▲4五飛と走ることができますが、先手の飛車先が重い形で自信ありません。
そこで▲5五桂(第16図)と打ちます。
△4四飛と逃げますが▲6三桂成(第17図)と追撃します。
これが「3手の読み」と言われる考え方で流れるような攻め方です。
▲6三桂成のように、駒が動いて大駒の道ができる場合に技が決まりやすいので、手筋として覚えてください。
▲6三桂成に対して、
①飛車を逃げずに△同金
②飛車を逃げる△7四飛
の2つの指し方がありますので、順に解説します。②飛車を逃げる△7四飛
まずは①同金から。
▲6三桂成に対し、飛車を逃げずに△同金と高美濃にしながら取るのも味のいい手です。
先手はそれならばと▲4四角と飛車を取りますが、△4六角(第18図)と△1九角成を狙ってきます。
第18図以下、▲4二成桂(第19図)と攻めていきます。
第19図以下△1九角成に▲2二飛(結果2図)が肝心な手で▲3二飛は▲5二成桂に△4三銀という受けがあるので攻めになりません。
結果2図からは△6二金引か△6四馬でやや先手有利の局面です。
第18図では▲3三角成(参考8図)という手もあります。
次に△1九角成なら▲4五飛を狙っています。
▲3三角成に△5四銀(参考9図)や△5四金としてほぼ互角の戦いでしょう。
続いて、②△7四飛。
飛車を渡さない△7四飛(第20図)の方が一般的な指し方です。
この手に▲7二成桂は△同金に▲6一銀と打てますが△6二金左▲7二銀成△同金(参考10図)とされた局面がつまらない形です。
そこで▲5二成桂(第21図)と取って、金を離れる形にします。
△同金に▲4五飛とすると、△7六飛(参考11図)と走られてしまいます。
▲7七歩では角が使えず苦しいですし▲7七角も△6五桂の筋が残ってしまい先手苦戦です。
▲4五飛に代えて▲7五金(第22図)として、△7六飛を防ぎます。
△同飛▲同歩△7六銀が怖いですが▲2二角成(参考12図)で大丈夫そうです。
第21図以下、△5四飛(結果3図)と逃げた局面は互角の形勢です。
右四間飛車を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
ここまでお読みいただきありがとうございました!以上が右四間飛車対四間飛車の戦い方です。
詳しくは、2023年6月28日発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)に載っています。
本書ではほかにも、「対矢倉」などの戦い方も解説しています。
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