右四間飛車ってどんな戦法?右四間飛車を指しこなす極意を解説!|将棋情報局

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右四間飛車ってどんな戦法?右四間飛車を指しこなす極意を解説!

攻撃力が高く、アマチュアにも人気のある戦法、右四間飛車。
今回は右四間飛車を指す上で基本となる考え方を解説します。
級位者~初段ぐらいまでの方にも勉強になる内容になっています。

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 皆さんこんにちは。

本記事では、「右四間飛車」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年6月28日に発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。

今回は右四間飛車を指しこなす基本的なポイントを解説します!

※本稿は、大平武洋著『これだけで勝てる右四間飛車』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
 

右四間飛車の3つのコツ


右四間飛車で重要な3つのコツは下記です。
①歩をたくさん突き捨てる
②桂馬を積極的に使っていく
③後ろは振り返らずに攻め続ける
順に解説していきます。

①歩をたくさん突き捨てる


1つ目のコツは「歩をたくさん突き捨てる」です。
歩を突き捨てるのは後で歩を打てるようにするためで、遅くなると取ってもらえるかどうか微妙になるからです。
具体的な手順を見ていきましょう。
第1図は右四間飛車対四間飛車の序盤です。

第1図から3筋を狙いますが、単に▲3九飛は△2四角で受かってしまいます。そこで▲3五歩としても△同角で取る手があります。

そのため、先に▲3五歩△同歩としてから▲3九飛とします。
同じように△2四角と受けてきますが、▲2五歩△1三角▲1五歩△同歩▲同香△3一角(第2図)と進みます。

第2図でも単に▲3五飛は△3四歩から△3三歩の連打で受けられてしまう可能性があります。
ここでは▲2四歩(第3図)と突き捨てるのが好手です。


▲2四歩の意味は△同歩▲3五飛△3三歩に対して▲3四歩(結果1図)と攻めることです。

結果1図以下、△同歩▲同飛△3三歩には▲2四飛と回ることができます。
▲3四歩△同歩のタイミングが飛車取りになっているので、先に▲2四歩を捨てておかないとこの攻めはできません。
対振り飛車では、そこまで歩を突き捨てて攻めることはないですが、攻める側の歩は全部捨ててしまってもいいくらいの気持ちで指しているといいでしょう。

続いて第3図で別の将棋を見ていきます。

今度は後手が右四間飛車です。
後手が仕掛ける局面ですが単に△6五歩では▲同歩と取られます。
そこで△7七角成は▲同桂ですし、△同桂も▲3三角成△同桂▲6六銀(参考1図)で攻めにくい局面になります。

そこで第3図から△9五歩▲同歩△7五歩▲同歩と歩を突き捨ててから△6五歩(第4図)と仕掛けます。

参考1図から△9五歩や△7五歩と突いても▲同歩と取る一手ではないですが、先に突いた場合は▲同歩と取るくらいしかありません。
9筋は関係ないように見えますが、△8五桂と跳ねる可能性もありますし△9五香で歩を入手することもできます。


第4図で何もしないと△6六歩▲同銀△8五桂(参考2図)と攻める手があります。

したがって先手は▲同歩と取りますが△同桂▲3三角成△同桂▲6六銀まで一本道の進行です。
▲6六銀には△7七歩(結果2図)が突き捨てを生かした攻撃で、▲同桂△同桂成▲同銀には△8五桂と「おかわり攻撃」をしていけば後手優勢で局面は進んでいきます。

攻撃をスムーズにするために歩をたくさん突き捨てましょう。


②桂馬を積極的に使っていく


2つ目のコツは「桂馬を積極的に使っていく」です。
第5図は右四間飛車対四間飛車の基本的な形です。

ここから仕掛けていきますが▲4五歩ではなく▲2五桂(第6図)が正しい攻め方になります。

▲2五桂に△2二角と引かれると▲4五歩に△2四歩で桂馬は取られてしまいますが以下▲4四歩△2五歩▲4五銀(参考3図)のように勢い良く攻めて行けば先手が優勢になります。

△2四角に▲4五歩△同銀▲同銀△同歩(第7図)と突いて銀交換になります。

この後も桂馬を生かした攻めが出て来るので是非覚えてください。

第7図以下、まず▲3三銀(第8図)が攻めの第一弾です。

代えて▲1一角成では△4六歩と突かれて▲2一馬に△4七銀(参考4図)で先手陣は崩壊します。

第8図以下△同桂▲同桂成と銀桂交換を行い、△4一飛に▲3二成桂(第9図)と飛車を追いかけます。

△5一飛なら▲4五飛で優勢なので△4三飛と逃げますが▲5五桂がこの右四間飛車特有の攻め方です。
△4四飛に▲6三桂成(結果3図)として攻めが続きます。

これが▲3三銀からの一連の流れです。

続いて第10図。

第10図は先手が総攻撃を仕掛けている局面ですが、後手もしっかり守っていて簡単には攻め切れない形になっています。
▲4五歩と打って△3三銀なら▲2五桂というのがすぐに思いつきますが▲4五歩には△5五銀(参考5図)と出られると中央の厚みを突破するのが難しく攻めが続きません。


そこで一見パスのような手ですが▲2五桂(第11図)と跳ねておくのが急所の一手になります。

何気ない一手ですが▲1三歩や▲3三歩を狙っており、後手はこの桂に対して上手く受けないとダメな局面になっています。
後手は△5五歩と突きたいですが▲4五歩(参考6図)が厳しいカウンターになり受けきれません。

反撃を含みに△6五桂と跳ねますが、角を逃げずに▲同銀から▲5六桂(結果4図)と打てば、先手が優勢になります。

△5五銀と逃げても▲4四歩でも▲1三歩でも攻めが続きますし、先手のカニ囲いは飛車に強い形なので、飛車を切る攻めが出来るのも強みです。
右四間飛車で攻める場合は桂馬を上手く使いましょう。

③後ろは振り返らずに攻め続ける


3つ目のコツは「後ろは振り返らずに攻め続ける」です。
第12図は先手が上手く攻撃態勢を作っていますが、後手も好形で待ち構えているので簡単には攻め切れません。

▲4五桂が普通の攻め方ですが△同桂▲同銀に△4四歩(参考7図)で攻め切れません。

そこで▲4五銀(第13図)と銀から進んでいきます。

△同桂▲同桂は▲3三歩と打つ手もあるので攻めが続きます。
ここは△4四歩(第14図)が手強い受けです。

第14図以下、▲3四歩と桂取りに歩を打つのは△4五桂と桂馬を逃げつつ銀を取られてダメ、▲5六銀と引くのでは仕掛けた意味がありませんので、▲同銀と取ります。
△同銀右(第15図)と取られて駒損ですが、ここから損を取り返しにいきます。

第15図以下、まず▲3四歩(第16図)が急所の一手になります。

▲3四歩に代えて▲7一角が目につきますが△8一飛に▲4四角成から二枚替えしても、先に銀損しているので攻めが上手くいきません。
第16図以下△同銀に▲4四飛でもやれますが▲7一角(第17図)が決め手とも言える手厚い攻め方です。

△8一飛くらいですが▲4四角成と馬を作りながら銀を取り返せるのが大きなポイントです。
先に駒損しても取り返せる場合や、駒を損しても攻めが上手く続きそうな局面では、積極的に攻める手を選びましょう。

続いてはこちらの局面。
後手の右四間飛車に対して、先手が二枚の銀で中央を押さえようとしている局面(第18図)です。


ここで△6五歩と打つのは▲5五銀左(参考8図)で中央の壁が厚くなります。

そこで△6五銀(第19図)とぶつけていきます。

▲同銀には△8八角成▲同玉△6五桂(参考9図)として△7七歩と打つ筋もあって順調に攻めることができます。

 そこで▲5五歩と止めて戦いますが△6六銀と取ってしまうのがポイントです。
▲同角は飛車を切って△3九角の筋があるので取り切れず▲同金(第20図)と取ることになります。

第20図の局面では、△6五銀や△7七歩そして△8五桂など攻める手段はいくつもありますが△6六同飛(第21図)と切るのが決め手と言える攻め方です。

▲同角に△5六金(第22図)と打って攻めが続きます。

△5六金で△7六金も有力ですが△4七金や△4六金で駒を補充できる楽しみがある分△5六金が正解です。

第22図以下、▲8八角と進みます。 ここでは△6七銀もありますが△7七歩(第23図)がスマートな攻め方です。

▲同桂だと△4七金で△7六歩が厳しいですし▲同角△6五桂(結果5図)の形は攻めが厚くなりあとは押し切るだけです。



以上が右四間飛車の基本です。
この後は、相手の戦型に合わせて上記の考え方を応用していきます。
※「VS四間飛車」についてはこちらの記事で解説しています。


右四間飛車を体系的に学ぶならこの本がおすすめ

ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が右四間飛車の基本的なポイントです。

詳しくは、2023年6月28日発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)に載っています。
本書ではほかにも、「対矢倉」などの戦い方も解説しています。
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