右四間飛車で雁木を攻略する方法は?気をつけるポイントを解説!|将棋情報局

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右四間飛車で雁木を攻略する方法は?気をつけるポイントを解説!

アマチュア間ではよく指されている右四間飛車。
今回は右四間飛車対雁木の戦い方を解説します。
級位者~初段ぐらいまでの方にも勉強になる内容になっています。

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本記事では、「右四間飛車」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年6月28日に発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。

今回は右四間飛車対雁木の戦い方を解説します!

※右四間飛車の基本的な考え方については、こちらの記事で解説しています。
※本稿は、大平武洋著『これだけで勝てる右四間飛車』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
 

右四間飛車VS雁木

今回は「雁木」との戦いを紹介していきます。
これは角換わりの定跡が見直されていく中で指されるようになった形で、後手が角換わりを選ばなかった時に現れる指し方です。
ですから理想としては、角換わりを得意戦法にして後手が変化してきたら右四間飛車というのがいいでしょう。
まず▲7六歩△8四歩に▲2六歩(第1図)と突きます。


これに対して△8五歩から△3四歩としてきますが、△3四歩に▲2五歩は△7七角成▲同桂△2二銀(参考1図)で先手作戦負けになります。

この形は△8六歩の交換が受かりませんし跳ねさせられた桂馬がやや不安定です。
それを防ぐために銀を上がりますが▲6八銀(第2図)がオススメの指し方です。

▲8八銀と上がるのは▲6八角と引いてから▲7七銀と立て直す前提です。
これは手数が掛かりすぎるので厳しく、また▲7八銀もありますが、序盤の駒組みで気を使うことが多いので有段者向きの指し方です。

第2図以下△3二金▲7八金と進んで第3図。


ちなみに第3図から△7七角成▲同銀△4二銀(参考2図)と進めば角換わりになります。


今回は△4四歩▲4八銀△4二銀(第4図)の手順を解説します。

△4四歩は角換わり対策の変化球として令和になった頃から指されるようになりました。
この対策が優秀なので角換わりを指したい人は▲2五歩を決める人が増えています。
ただ△4四歩と突いてくれるのは、右四間飛車をやる側からすればありがたいことなので、この形を狙っていくのも序盤作戦の1つです。
△4四歩に▲4八銀と上がります。▲2五歩を決めるのは作戦の幅が狭くなります。

雁木に対しては第4図以下、▲3六歩△4三銀▲3七銀(参考3図)のような「早繰り銀」という指し方も良く見ます。

ただ、3筋から攻めていく指し方は雁木の守備力が生きやすい形でもあるので、右四間飛車の方が分かりやすくてオススメです。

というわけで第4図以下、▲4六歩△6二銀▲4七銀△4三銀▲5六銀(第5図)から銀を使っていきます。

お互いに銀を動かして△4三銀で雁木の形ができました。
雁木の特徴としては、角筋がそのままになっていることと中央が厚いことです。
先手も▲5六銀と上がって形を決めます。

第5図以下、△5四歩▲4八飛△5三銀(第6図)で、後手も厚みを作りに動いてきます。

序盤のポイント:すぐの仕掛けは無理筋

チャンスがあればすぐに仕掛けていくというのが大事な心構えです。
では、第6図の局面で▲4五歩と仕掛けるとどうなるでしょうか。
△同歩に▲同銀では△4四歩で歩を交換しただけですので、角交換から▲3一角(参考4図)と打っていきます。

△4四角なら▲4五銀で優勢ですが△7一角(参考5図)が受けの好手です。

▲2二角成から▲4五飛は△5二銀(結果1図)で、以下▲8五飛も△8二歩で受かっています。

▲2二角成とせずに▲4五飛も、△3二金とかわされてダメです。


序盤のポイント:端歩を突いて玉の逃げ道を広げる



仕掛けが無理となれば、自陣を整備していくのが重要です。
整備の方向としては囲いを強化することと攻撃力を上げることです。

第6図以下、▲3六歩△5二金▲6九玉△4一玉▲7九玉△3一玉と進んで第7図。

まず▲3六歩とするのは、いつでも▲3七桂と跳ねられるようにするためです。

△5二金に▲6九玉としますが▲3七桂(参考6図)は、やや形を決めすぎで桂馬を跳ねるタイミングは重要です。

すぐは大丈夫ですが後手に歩があれば△3五歩という手があるので、仕掛けの直前で跳ねるイメージです。
第7図以下、▲9六歩△1四歩▲1六歩△9四歩で第8図。

何気ないようですが▲9六歩が大きな一手です。
対局を重ねていくと実感できると思いますが、終盤で▲8八玉と逃げた時に▲9七玉(参考7図)と逃げられるから詰まないということがよくあります。

他にも先手の角が居なくなった時に、8筋から攻められて△9五桂と打たれて負ける。これも居飛車のあるあるだと思います。
早く攻めたい気持ちは分かりますが「端歩は心の余裕」と言うので、仕掛け前に準備しましょう。


中盤のポイント:一段金+下段飛車の状態で仕掛ける

第8図以下、▲5九金△6四歩▲3七桂△7四歩と進んで第9図。

右金の使い方ですが、ここでは▲5九金がオススメです。
▲5八金と上がる場合は▲6六歩から▲6七銀上や▲6七金右と自陣を固める場合で、このまま決戦になりそうな時は一段金の方が戦いやすくなります。

第9図以下、▲4九飛△7三桂▲4五歩(第10図)と仕掛けていきます。

第9図の局面ですぐに▲4五歩でも悪くはないですが、後手からの仕掛けはないので▲4九飛と一手待ちます。
この手が見た目以上に大きくて△3七角や△3六歩~△3七歩成で飛車当たりになるのをあらかじめ避けています。

後手は△7三桂と跳ねましたが、この手で△7五歩▲同歩△7二飛には▲4五歩(参考8図)と仕掛けて先手ペースです。

代えて△3三角も桂馬の目標になるので、ややマイナスの手になります。
△7三桂には▲4五歩と仕掛けます。

第10図は後手の分岐点で、対応としては反撃するか守備に徹するかに分かれます。
今回は△4二金右と金銀を集結させて守る方を解説します。

同じ待つ手としては△8一飛(参考9図)もありますが、こちらは飛車の守備力がやや落ちてしまう感じなので、ここではやや損な手です。


先手は攻めの理想形になっていますが▲4四歩から攻めていくのではやや単調なので、▲1五歩△同歩▲3五歩△同歩と突き捨ててから、▲4四歩△同銀右(第11図)と攻めていきます。


第11図から▲4五歩と打つのは△5五銀で先手の攻めが受け止められている感じです。
しかし▲2五桂(第12図)と跳ねておくのが好手で▲1三歩と▲3三歩の2つを後手が受けきれません。


△5五歩が唯一の抵抗ですが、そのタイミングで▲4五歩(結果2図)と打てば△5三銀には▲5五銀でいいですし△5六歩▲4四歩の取り合いも、銀取りになっている先手が優勢です。


右四間飛車を体系的に学ぶならこの本がおすすめ

ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が右四間飛車対雁木の戦い方です。

詳しくは、2023年6月28日発売の『これだけで勝てる右四間飛車』(大平武洋)に載っています。
本書ではほかにも、「対矢倉」などの戦い方も解説しています。
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