美濃囲いのもう1つの弱点、3九の地点を攻められたら?振り飛車党がぜひとも覚えておきたい手筋を解説!|将棋情報局

将棋情報局

美濃囲いのもう1つの弱点、3九の地点を攻められたら?振り飛車党がぜひとも覚えておきたい手筋を解説!

振り飛車党ならば誰もが一度は、美濃囲いの3九の地点に駒を打たれて詰まされた経験があるでしょう。今回は、3九の地点を受ける技を次の一手形式で解説します。
特に級位者~初段ぐらいまでの方が学べる内容になっています。

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 皆さんこんにちは。

本記事では、「振り飛車党の受けの手筋」をご紹介します。
詳しくは、2023年12月22日発売の『振り飛車党のための受けの手筋』(菅井竜也)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。

今回は、美濃囲いの3九の地点を受ける手筋を解説します。
コビンと並ぶ美濃囲いの弱点が3九の地点。
ここに駒を打たれて、一気に危なくなることもしばしば。
次の一手問題を通して受けの形を学びましょう。

※本稿は、菅井竜也著『振り飛車党のための受けの手筋』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
 

次の一手から学ぶ受けの手筋

失敗例を見てみよう

問題を解く前に、こうなったらあかん!という失敗例を勉強しましょう。
美濃囲いの弱点の1つが「3九の地点」です。
ここを攻められると一気に大ピンチ。
この地点に相手の駒を打たれないように気をつけましょう。

図は△3九銀と王手された局面です。

ここに銀や角を打たれる展開はもう最悪です。
▲1八玉と逃げたら△4八銀成と金を取られても先手の美濃囲いは壊滅状態。
または△2八金とさらに王手されても危険です。
美濃囲いの4九金が動く際は、3九の地点に注意しましょう。


次の一手を考えよう~基礎編~

ここからは次の一手問題を出していきます。
最初は基礎編。
先ほどの失敗例を思い出しながら、解いてみましょう。

というわけで第1問。


選択肢
A:▲3九玉
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!
 
B:▲3九金
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!
 
C:▲5九歩
正解です!
 

【解説】
後手は次に△4八金を狙っています。▲同金と取れば△3九銀(参考1図)が厳しい攻めです。
 
「どこかで見たことあるなー」とぼんやり思ったあなたは、この記事の最初からやり直し!

C▲5九歩が正解です。飛車の横利きを歩で止めるお得な手です。
これなら△4八金も▲同金で無効です。

A▲3九玉は△4八金なら▲同玉の意味ですが、相手の飛車に自玉を近づけるのは感覚的によくありません。
△5八金(参考2図)と打たれて先手が困ります。
 
B▲3九金は△4八金で先手失敗です。

ヒントは「失敗例を思い出して」です!


続いて第2問。

選択肢
A:▲4八金
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!
 
B:▲3九金打
正解です!
【解説】
美濃囲いの弱点は「3九の地点」です。

B▲3九金打と金を打ち、弱点を守るのが正解です。
以下①△3九同金なら▲5九金と竜を取って勝負をするか、▲3九同金△4八金▲4九金打(参考3図)と打って、千日手に持ち込むか。
 
どちらの変化も先手は負けません。

A▲4八金と金を取ると、相手は△同竜じゃないですよ。△3九銀が痛いです。
▲1八玉△4八竜(参考4図)で先手負けです。
 

C▲5九金は駒得になりますが、△同金ではなく、△3九銀が痛打。
以下▲1八玉△3八金(参考5図)で先手負けです。
 
C:▲5九金
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!

ヒントは「美濃囲いの弱点を思い出して」です!


次の一手を考えよう~応用編~


ここからは、応用編です。
ヒントも参考にしながら解いてみてください。

というわけで第3問。

選択肢
A:▲1五歩
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!
 
B:▲4九金
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!
 
C:▲5九歩
正解です!
 
【解説】
後手の次の狙いは△3九角です。以下▲1八玉△4八角成で先手負け。
美濃囲いの急所は3九の地点でしたね。

C▲5九歩が正解です。△同竜に▲4九金打がプロの受け方です。
△6九竜(参考4図)と逃げますが問題図と見比べてみてください。
 
先手は1歩を失いましたが、▲4九金打で鉄壁の美濃囲いを作り、さらに手番も得ています。
これは一手争いの終盤戦においてとても大きなポイントなのです。

A▲1五歩は△3九角が痛すぎる。
B▲4九金は持ち駒の金を攻めに使いたいのならありですが、次善手とします。

ヒントは「プロの受け方は?」です!


続いて第4問。

選択肢
A:▲3九金打
正解です!
 
【解説】
後手は次に△4八角成!▲同金△3九角という必殺の寄せを狙っています。
先手はその攻めを受ける必要があります。

A▲3九金打と自陣に金を打つのが正解です。
△4八角成ときても▲同金右で大丈夫。
「打打打」と駒を打って受けるのが受けの基本です。

B▲5九金打も正解手と同じ意味ですが、「金銀は王様の近くに引っ付ける」のが大切です。よって次善手とします。
C▲3九玉と駒を節約して受けると、△4八角成▲同玉△6六角(参考5図)が激痛です。「受けの基本は駒を打つ」です!
 
 
B:▲5九金打
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!
 
C:▲3九玉
間違いです!よく考えて、別の選択肢を選びましょう!

ヒントは「後手の狙いを読み切れ」です!


美濃囲いの3九の地点を受ける手筋まとめ

ここまでの問題で出てきた手筋をまとめます。
①5九の地点に駒を打って、飛車の横利きを止める
②3九の地点に駒を打って、相手から駒を打たれないようにする

振り飛車党が覚えるべき受けの手筋はほかにもたくさんあります。
※「美濃囲いのコビン攻めを受ける手筋」についてはこちらの記事で解説しています。

 

振り飛車党の受けの手筋を体系的に学ぶならこの本がおすすめ

ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が美濃囲いの3九の地点を受ける手筋です。

詳しくは、2023年12月22日発売の『振り飛車党のための受けの手筋』(菅井竜也)に載っています。
本書ではほかにも、「端攻めを受ける手筋」や「銀冠崩しを受ける手筋」なども解説しています。
ぜひ本書を読んで、振り飛車党の受けの手筋をマスターしてください! お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
将棋情報局では、お得なキャンペーンや新着コンテンツの情報をお届けしています。

著者