ダイレクト向かい飛車の仕掛けを封じられたら?逆棒銀対策を攻略する工夫を解説!|将棋情報局

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ダイレクト向かい飛車の仕掛けを封じられたら?逆棒銀対策を攻略する工夫を解説!

ダイレクト向かい飛車の基本的な狙いは、逆棒銀で2筋から攻めていくことです。
今回は、相手が逆棒銀に備える構えをしていた時はどうすればいいか、詳しく解説します。

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本記事では、「ダイレクト向かい飛車」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2024年3月25日発売の『ダイレクト向かい飛車こそが合理的な戦法である』(横山友紀)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。

ダイレクト向かい飛車は強力な戦法ですが、相手も狙いを見抜き、対策を練ってきます。
相手に備えられていた時にどうすればいいか、解説していきます。

※ダイレクト向かい飛車の基本的な考え方については、こちらの記事で解説しています。
※本稿は、横山友紀著『ダイレクト向かい飛車こそが合理的な戦法である』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
 

先手の逆棒銀対策

ダイレクト向かい飛車の基本図を掲載します。


ダイレクト向かい飛車の基本的な狙いは、△2四歩▲同歩△同銀(参考1図)からの逆棒銀です。

△2五銀と素直に進出できれば成功です。


先手は銀の進出を防げるように陣形を組んでいく必要があります。
そこで基本図以下、▲3六歩(第1図)として待ち構えます。


△2四歩▲同歩△同銀に対しては▲3七桂と跳ねれば、後手の銀はスムーズに進出できません。
そこで後手は仕掛けを断念し、緩やかな駒組みにシフトします。
第1図以下、△9四歩▲9六歩△5二金左▲5八金右△6四歩▲7七銀(第2図)と進みます。


すぐに仕掛けられないのは不安ですが、ダイレクト向かい飛車の強みは柔軟性にあるので大丈夫です。
  

序盤のポイント:△7三桂で先手の矢倉をとがめる

第2図以下、△7四歩▲8八玉△7三桂▲7八金△6三金▲6六歩(第3図)と、お互いに駒組みをしていきます。


先手がすぐに▲3七桂と跳ねないのは、穴熊を目指すためです。
もし跳ねてしまえば、△4四銀~△3五歩から桂頭攻めを心配しながら駒組みをする羽目になります。

先手が▲8八玉と寄ったことで、「玉の位置が戦場から遠い」という後手の主張がなくなったように思えますが、矢倉に対しては△7三桂~△8五桂を見せるだけで相当な圧力になります。
第3図の▲6六歩は△8五桂~△5五角のラインを防ぐ一手ですが、ダイレクト向かい飛車はこの歩を負担にさせることを目指します。
 

中盤のポイント:浮いている▲6六歩を狙って攻める

 第3図以下、△8四歩▲5六銀△5四歩(第4図)と進みます。

△8四歩は矢倉戦においてとても重要で、玉の可動域を広げつつ△8五桂の際にひもをつけています。
そして▲5六銀に対する△5四歩も先手の銀に圧力をかける素晴らしい一手です。
▲5六銀はいいポジションで、中央に幅を利かせつつ▲6七銀と引けば堅陣にもなります。
仮に▲5六銀を省略すれば、後手は△4四銀~△5五銀として中央を支配するところでした。
▲5六歩で追い返そうとしても△6六銀▲同銀△3九角があります。

第4図以下、▲6八金右△4四銀と進んで第5図。

後手の△4四銀はダイレクト向かい飛車の柔軟さを活かした一手です。
このポジションには△3五歩や△5五銀など複数の狙いを秘めています。

そして全ての準備が整ったので、▲9八香に対して△8五桂と仕掛けます。
以下▲8六銀とするしかありませんが、6六の歩が浮いたので△5五銀(第6図)とします。

▲6七銀には△3三角があり、何より△5五銀の存在が大きく取るしかないでしょう。
▲同銀△同歩▲6七銀と進んで第7図。


▲6七銀は△5六歩▲同歩△3九角を受ける意味です。
代えて▲4五角として5六の地点を受けたとしても、▲6六歩が浮いています。
したがって、△5四銀▲3四角△5六歩▲同角△5五角(参考2図)で後手有利です。


後手は△4七角(第8図)として△3六角成と△3九銀を狙います。

▲5八角で無効のようにも見えますが、△同角成とすれば手品のように隙が生まれます。
▲同金には△6九銀で駒得を主張し、▲同銀には△5六歩(第9図)を実現することが出来ます。

△5六歩は局面の有利を主張する華麗な決め手でしょう!
もちろん▲同歩には△3九角ですし、放っておけば△5二飛~△3九角(理想図)で状況はさらに悪化します。

このように玉の位置が変わらずとも、囲いの相性を意識すればアドバンテージを得ることが出来ます。
そして△5四歩~△5五銀と左銀を活用することで具体的な有利をつかむことが出来ます。


ダイレクト向かい飛車を体系的に学ぶならこの本がおすすめ

ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が先手の逆棒銀対策を攻略する戦い方です。

詳しくは、2024年3月25日発売の『ダイレクト向かい飛車こそが合理的な戦法である』(横山友紀)に載っています。
本書ではほかにも、「先手早繰り銀対策」や「先手が銀冠に組んできた場合」などの戦い方も解説しています。
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