藤井竜王が昇級懸けて近藤七段と対戦 注目の一戦は角換わり腰掛け銀に 第80期順位戦B級1組|将棋情報局

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藤井竜王が昇級懸けて近藤七段と対戦 注目の一戦は角換わり腰掛け銀に 第80期順位戦B級1組

現在二番手の藤井聡太竜王は、順位戦で土をつけられた近藤誠也七段と対戦

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渡辺明名人への挑戦権を争う第80期順位戦(主催、朝日新聞社・毎日新聞社)は、12月2日にB級1組9回戦の一斉対局が行われます。カードはそれぞれ▲佐々木勇気七段(7勝0敗)-△屋敷伸之九段(3勝5敗)、△藤井聡太竜王(7勝1敗)-▲近藤誠也七段(2勝5敗)、▲千田翔太七段(6勝2敗)-△三浦弘行九段(4勝3敗)、△横山泰明七段(4勝4敗)-▲松尾歩八段(1勝6敗)、▲郷田真隆九段(3勝4敗)-△阿久津主税八段(2勝5敗)、▲木村一基九段(2勝5敗)-△久保利明九段(2勝5敗)です。また稲葉陽八段(5勝3敗)は抜け番です。

■過去にも大一番を戦ってきた藤井―近藤戦

昇級を窺う藤井竜王は、近藤七段との対戦です。藤井―近藤戦といえば、11月19日に行われた第71期ALSOK杯王将戦の王将リーグの対局が記憶に新しいところです。相掛かりの戦型から中盤で抜け出した藤井竜王が快勝、一戦を残して王将挑戦を決めた一局でした。また3期前の2019年2月に行われた第77期順位戦C級1組でも両者は昇級争いの直接対決で対戦しており、この時は角換わりの熱戦を近藤五段(当時)が制しました。藤井竜王にとっては初めての順位戦の敗戦となり、またその敗戦によって昇級を逃すという苦い経験となったことをご記憶の方も多いでしょう。

本日行われている各局の過去の対戦成績は佐々木―屋敷戦が屋敷九段の4勝0敗、藤井―近藤戦が藤井竜王の5勝1敗、千田―三浦戦が1勝1敗の五分、横山―松尾戦は松尾八段の1勝1敗、郷田―阿久津戦が8勝8敗の五分、木村―久保戦が久保九段の13勝12敗です。

B級1組は上位2名がA級に昇級、下位3名がB級2組に降級となります。佐々木、藤井、千田にとっては昇級へ結びつけるための大きな一戦。そして千田七段と戦う三浦九段にとっては昇級戦線に生き残るためにも負けられない戦いです。また3勝以下のメンバーは首が寒い状況と言えますが、一つでも多くの星を重ねて安全圏へ逃げ込みたいところでしょう。

■藤井―近藤戦は角換わり腰掛け銀に

B級1組9回戦の対局は、12月2日の午前10時に東西の将棋会館で一斉に始まりました。藤井―近藤戦はオーソドックスな角換わり腰掛け銀に進んでいます。角換わり腰掛け銀は事前研究が活きやすい戦型で、トップ棋士たちは奥の奥まで研究を深めて臨むことが前提となっています。本局の形は先手が▲5八金、後手が△5二金と構えた形。この形は古くから指されてきた自然な形ですが、現代では▲4八金、△6二金の形が主流です。もしこの形のまま戦いが始まると、近年よく指されている形とはまた大きく違った展開が予想されます。

昼食休憩の時点ではまだ駒がぶつかっていません。研究部分は一気に飛ばすのが主流の近年の傾向から考えるとややスローペースの印象です。わずかな形の違いをどう解釈するのか、両対局者がじっくりと思案しているのでしょう。

順位戦は、1日制としては最も長い持ち時間が6時間で、決着がつくのは深夜になることが多いです。対局者それぞれにとって負けられない一戦、その戦いぶりに注目しましょう。

対局前に一礼する藤井竜王(右)と近藤七段(提供:日本将棋連盟)

相崎修司(将棋情報局)

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