豊島将之叡王が防衛か、藤井聡太二冠が奪取か!? 運命の叡王戦第5局は藤井二冠が先手で相掛かりに|将棋情報局

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豊島将之叡王が防衛か、藤井聡太二冠が奪取か!? 運命の叡王戦第5局は藤井二冠が先手で相掛かりに

王位戦第5局と同一の進行になるも、藤井二冠が手を変えて別の展開に

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豊島将之叡王に藤井聡太二冠が挑戦中の将棋のタイトル戦、第6期叡王戦五番勝負(主催:株式会社不二家)。ここまでは両者2勝2敗で一歩も譲らずにフルセットになっています。豊島叡王が防衛するのか、それとも藤井二冠が奪取するのか。運命の大一番、第5局が9月13日に東京・将棋会館で行われています。


第6期叡王戦五番勝負の勝敗表

ここまでの叡王戦五番勝負は、第1局から第4局まですべて先手番が勝利しています。最終局の第5局は改めて振り駒が行われるため、どちらが先手を取るのか注目されていました。

タイトル保持者の豊島叡王が振り歩先で振り駒は行われ、と金が3枚出ました。この結果、藤井二冠が先手番です。

藤井二冠が初手に▲2六歩と指して対局が始まりました。豊島叡王も△8四歩と飛車先の歩を伸ばします。両者持ち時間をほとんど使うことなく、戦型は相掛かりになりました。これで両者の対戦では、4局続けて相掛かりの登場です。

豊島叡王はあえて7四の歩を相手の飛車に取らせ、その間に銀を進出させる作戦を採用します。これは王位戦第5局でも用いた形。この将棋は2日目に豊島叡王に大失着が出てしまい、大差になってしまいましたが、作戦には問題がなかったということでしょう。

その将棋から先に手を変えたのは勝った側の藤井二冠でした。王位戦第5局では▲8七歩を打たずに戦いましたが、本局ではすぐに▲8七歩と着手。これですぐに激しくなる将棋ではなくなりました。

豊島叡王は2枚の銀を6四と5四に配置する攻撃的な陣形を採用します。もはや玉を囲うような展開ではなく、このまま居玉で戦いに打って出るつもりでしょう。

対する藤井二冠は7五の飛車を▲2五飛~▲2九飛と自陣に戻します。次に相手から2枚銀を生かした△6五銀左という攻めが来ることが見えているだけに、指しにくい手です。

相手にやってこい!と言われているところに踏み込むのは勇気のいるものです。豊島叡王はじっくり66分考えて、△6五銀左と繰り出していきました。

この手の狙いは△7六銀~△8七銀成。このように進めば後手大成功です。先手の対処法は2つ。1つは▲7七金と上がって、△7六銀の進出を防ぐというもの。もう1つは▲4五歩と仕掛けて、△7六銀~△8七銀成の2手を間に合わせないというものです。

藤井二冠の選択は前者でした。方針の岐路にも関わらず、5分程度の考慮で着手。相手の長考中に考えをまとめていたのでしょう。

▲7七金で相手の攻めを封じられればいいのですが、そうはいきません。豊島叡王は△7五歩と打って攻めを継続します。▲同歩には△同銀で、2枚目の銀も攻めに活用することができます。6八にいる藤井玉の頭上から襲い掛かっていく、迫力のある攻めです。

相手の攻め駒に対し、先手は受け駒の数が足りていません。防戦一方になる展開では苦しいので、どこかで2~4筋方面で攻め合いに転じるか、7~8筋で相手の攻めを利用したカウンターを狙うことになるでしょう。いずれにせよ、午後からは激しい白熱した戦いを堪能できそうです。

本局は王位戦、叡王戦、竜王戦と続く豊島竜王VS藤井二冠による19番勝負の第2ラウンド最終局でもあります。第1ラウンドの王位戦は藤井王位の防衛という形になりました。第2ラウンドを制し、いい流れで第3ラウンドの竜王戦を迎えるのはどちらになるでしょうか。

豊島叡王が二冠を死守するのか、それとも藤井二冠が三冠目を獲得して史上最年少三冠になるのか。注目の戦いは本日夕方から夜にかけて決着の見込みです。

4強の時代が終わり、ついに藤井時代の幕開けとなった一局。
豊島叡王が藤井二冠の勢いを食い止め、4強時代がまだまだ続くことになった一局。
後年振り返った際に、上記のように棋史のターニングポイントとなった一局として語られることになるかもしれない重要な戦いから、目が離せません。


初手を着手する藤井二冠(右)と2手目を指す豊島叡王(提供:日本将棋連盟)

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