9月13日ついに決着! 豊島将之叡王VS藤井聡太二冠 勝者がタイトルを獲得する大一番、叡王戦第5局|将棋情報局

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9月13日ついに決着! 豊島将之叡王VS藤井聡太二冠 勝者がタイトルを獲得する大一番、叡王戦第5局

豊島将之竜王VS藤井聡太二冠の19番勝負第2ラウンド

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豊島将之叡王に藤井聡太二冠が挑戦中の将棋のタイトル戦、第6期叡王戦五番勝負(主催:株式会社不二家)は両者2勝2敗でフルセットになっています。そしてついに9月13日、勝者がタイトルを獲得する運命の第5局が東京・将棋会館で行われます。豊島叡王が叡王初防衛に成功し、タイトルを死守するのか。それとも藤井二冠が三冠目を獲得し、史上最年少三冠になるのか。決戦のときが迫っています。


第6期叡王戦五番勝負の勝敗表

これまでの叡王戦の戦いを簡単に振り返っていきましょう。

第1局は7月25日に行われました。角換わりの将棋から、先手の藤井二冠が速攻を仕掛けて乱戦になったこの対局は、藤井二冠の常識外の受けが光った一局でした。

△2七歩と垂らしてと金作りを目指した豊島叡王に対し、▲3九角の自陣角が驚きの受け。これは△2八歩成を受けただけの手であり、本来なら攻めに使いたい大駒をここで手放すのは非凡な構想でした。その後は攻めに転じた藤井二冠がしっかりと豊島玉を寄せ切り、95手で勝利しました。

8月3日に行われた第2局は、豊島叡王が底力を発揮した一局でした。中盤で優位に立ったのは藤井二冠。盤上を広く使って攻めをつなげていきます。対する豊島叡王は捨て身の猛攻を開始。相手の歩の利きに▲5四銀!と捨てる強手は強烈でした。

どこかで受けに回っていれば、藤井二冠が勝利していたでしょう。しかし、豊島叡王の猛追に焦りが生じたのか、藤井二冠は攻め合いを選択してしまいます。この判断ミスによってついに形勢は逆転。最後は藤井二冠が王手ラッシュをかけるも、豊島叡王が正確に対処して逃げ切りました。

第2局で珍しく終盤でミスをしてしまった藤井二冠でしたが、それから1週間も経たない8月9日に行われた第3局では正確無比な終盤力を披露します。

3局続けて角換わりの戦型となり、両者一歩も引かない寄せ合いの終盤戦へ突入します。藤井玉は相手の馬と成香に迫られ、いかにも危険そうな格好。しかし、藤井二冠は相手の攻めを見切っていました。すぐに受けに回るのではなく、相手玉の守りを薄くしてから、一転して受けたのが絶妙な手順で、最後は手に入れた香を用いて豊島玉を寄せ切ったのでした。

第4局は8月22日に行われました。第3局が藤井二冠の快勝譜なら、第4局は豊島叡王の会心譜でした。中盤の入り口で藤井二冠が指した△9三桂を的確にとがめる構想を披露。戦いの最中にじっと▲7九金と引いて守りを固めたのが好手。自陣に憂いのない状態にしてから、藤井陣を攻略していきます。

反撃してきた藤井二冠に対し、攻め合うのではなく、受けに回ったのが勝利を確実にした豊島叡王の好判断でした。最後は藤井二冠の攻め駒を一掃してから、素早く藤井玉を寄せて、豊島叡王の勝利となりました。

この叡王戦の4局が行われていた期間中には、両者の間で争われたお~いお茶杯第62期王位戦七番勝負の対局も行われていました。こちらは叡王戦第4局が行われた直後の8月24、25日に第5局が行われ、藤井二冠が4勝1敗で防衛に成功しています。

大注目の叡王戦第5局の戦型予想をしていきましょう。両者のこれまでのタイトル戦での戦いでは、戦型が偏る傾向が見られます。以下は王位戦と叡王戦の結果と戦型です。(2日制の王位戦は決着日を記載)

6月30日:王位戦第1局 豊島勝ち 相掛かり
7月14日:王位戦第2局 藤井勝ち 角換わり
7月22日:王位戦第3局 藤井勝ち 角換わり
7月25日:叡王戦第1局 藤井勝ち 角換わり
8月3日:叡王戦第2局 豊島勝ち 角換わり
8月9日:叡王戦第3局 藤井勝ち 角換わり
8月19日:王位戦第4局 藤井勝ち 相掛かり
8月22日:叡王戦第4局 豊島勝ち 相掛かり
8月25日:王位戦第5局 藤井勝ち 相掛かり
9月13日:叡王戦第5局 ??   ??

王位戦第1局は相掛かりだったものの、そこから5局続けて角換わり。そして現在は3局続けて相掛かりの戦型となっています。

また、王位戦第5局以降、藤井二冠は2局対局を行っており、どちらも先手番で相掛かりを採用しています。一方の豊島叡王は1局対局していますが、後手番で、相手側が角換わりに誘導した将棋でした。

以上のことから考えると、叡王戦第5局も本命は相掛かりになりそうです。藤井二冠が先手番なら相掛かりが大本命、豊島叡王が先手番なら角換わりもあるかもしれない、と予想しておきます。

また、叡王戦ではこれまでの4局とも先手が勝利を収めています。先手になったから勝ち、などということはもちろんありませんが、振り駒には注目したいところです。

両者は叡王戦が終わった後にも、10月8日から始まる第34期竜王戦七番勝負で対戦します。この「19番勝負」の第1ラウンドである王位戦は藤井二冠が制しているだけに、豊島叡王としては防衛戦である第2ラウンドは死守して、第3ラウンドの竜王戦に臨みたいところでしょう。

一方、藤井二冠が叡王奪取に成功すると、史上最年少での三冠となります。それもタイトル戦で5シリーズ連勝、そのうち同一番勝負内で2敗したのは今期の叡王戦のみという驚異的な強さでの獲得です。今年度だけで竜王戦、王将戦、棋王戦でタイトル獲得の可能性が残されており、叡王獲得となれば棋界制覇がいよいよ現実的なものとなってくるでしょう。

現在将棋界は、渡辺明名人(棋王・王将)、豊島将之竜王(叡王)、藤井聡太王位・棋聖、永瀬拓矢王座の「4強」と言われています。この勢力図がこれからも続くのか、それとも崩れるのか。大げさに言えば、それを占う叡王戦第5局となりそうです。


豊島叡王(右)と藤井二冠。写真は叡王戦第4局のもの(提供:日本将棋連盟)

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