2021.04.16
抑えてよし、捌いてよし! 一直線銀冠で三間飛車を攻略!!
さて、久しぶりの書籍紹介のコーナーです。
居飛車党のみなさま!三間飛車には何を指していますか?
急戦……は先攻できるけど玉が薄い。穴熊……は玉が堅いけどトマホークで襲撃される。
急戦と穴熊のいいとこ取りができる戦法はないのか。
そんな悩みを一気に解決できるのがこの書籍です!
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先攻できて、玉も堅い。(ついでに美しい)
しかし、疑問を持つ方もいるでしょう。
「銀冠は囲う最中に隙を突かれるよ」
「従来の銀冠とは違うの?」
ここではスタンダードなノーマル三間飛車を例に、本書の秘策を探っていきましょう。
普通に銀冠に囲うと、このようになります。(第1図)
親の顔より見た形。
居飛車は7七の角が捌きにくいので、このあと▲3六歩~▲5一角~▲3七角と転換します。
しかし、7七に角がいなくなるとコビン攻めが怖いですし、玉の堅さでも差がありません。
▲6六歩と突かなければ済む話ですが、それには△6五桂(第2図)が激痛。わざわざ破壊されるために囲ったようなもの。
そこで居飛車党はこのように考えます。
「▲6六歩を突かずに、両取りも食らわない形が堅い。いっそ駒を動かさない方がいい」と。
つまり、こうなります。(第3図)
囲い方のポイントは、▲6八玉~▲7八銀~▲7九玉のルートで玉を移動させること。そして、右の銀を4八で、金を5八で保留すること。
右辺を放棄して一直線に銀冠に囲うから『一直線銀冠』と呼ぶわけですね。
これならば桂跳ねも問題ありません。さらに角道が通っていて、攻めやすいですね。
さらに先手は欲張ります。
【第3図からの指し手】
△6三金▲6八金右△7三桂▲9八香(第4図)
▲9八香!
冒頭でネガキャンした穴熊ですが、二枚舌で組みにいきます。
右銀は△6五桂を消すために待機し、右金は玉を固めるためにくっつける。このライト兄弟の工夫が戦法の骨子です。
(ここでは一例として銀冠→銀冠穴熊を紹介しています。後手の形によっては、3筋・4筋に金銀を使っていきます。)
以下はさらに駒組みが続きます。
【第4図からの指し手】
△8四歩▲9九玉△8二玉▲8八金△8三銀▲7八金右△7二金▲5六歩△5四歩▲3六歩△6五歩▲5七銀△4二角▲4六銀△1二香(第5図)
従来の組み方では角も捌きにくく、陣形にも差はありませんでしたが、今や見違えるほど先手玉が堅くなりました……!
もはや満足ですが、最後に仕掛け方も見ていきましょう。
第5図以下▲5五歩△同歩▲同銀で、4四の地点を狙います。△5四歩にもひるまず▲2四歩(第6図)。
△2四同歩なら▲4四銀△同銀▲同角△6四角に、▲2四飛で成功。
△2四同角には、▲4四銀△同銀▲同角△4二飛▲1一角成△4七飛成▲5三歩(第7図)で捌き合います。
お互いに大駒を成りましたが、先手玉の堅さが生きそうな展開です。
▲5三歩が細かい利かしで、△同金は囲いが弱体化しますね。
先手はこのあと、▲2一馬~▲3一馬~▲7五歩のラインで崩しにいきます。
攻め方が分かりやすく、先手の勝ちやすい将棋と言えるでしょう。
以上、一直線銀冠のメリットをまとめると
・最短で囲うので、駒組みの途中で仕掛けられる心配が少ない
・角道を通したまま戦える
・展開によっては銀冠穴熊も目指せる
堅さと攻撃力のハイブリッド型で、アマチュアも指しやすい戦法ではないでしょうか。
本書では、ほかにも石田流、三間飛車藤井システム、三間飛車穴熊の対策を解説しています。
なにげに銀冠を扱った戦術書は少ないため、銀冠の正しい序盤戦を勉強したい方にもピッタリです。
著者の池永先生の軽快なテンポの解説も面白く、楽しめながら強くなれること間違いなし!
『対三間飛車 一直線銀冠』、ぜひお買い求めいただければと思います。
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先攻できて、玉も堅い。(ついでに美しい)
しかし、疑問を持つ方もいるでしょう。
「銀冠は囲う最中に隙を突かれるよ」
「従来の銀冠とは違うの?」
ここではスタンダードなノーマル三間飛車を例に、本書の秘策を探っていきましょう。
普通に銀冠に囲うと、このようになります。(第1図)
【第1図は△7二金まで】


親の顔より見た形。
居飛車は7七の角が捌きにくいので、このあと▲3六歩~▲5一角~▲3七角と転換します。
しかし、7七に角がいなくなるとコビン攻めが怖いですし、玉の堅さでも差がありません。
▲6六歩と突かなければ済む話ですが、それには△6五桂(第2図)が激痛。わざわざ破壊されるために囲ったようなもの。
【第2図は△6五桂まで】


そこで居飛車党はこのように考えます。
「▲6六歩を突かずに、両取りも食らわない形が堅い。いっそ駒を動かさない方がいい」と。
つまり、こうなります。(第3図)
【第3図は▲7八金まで】


囲い方のポイントは、▲6八玉~▲7八銀~▲7九玉のルートで玉を移動させること。そして、右の銀を4八で、金を5八で保留すること。
右辺を放棄して一直線に銀冠に囲うから『一直線銀冠』と呼ぶわけですね。
これならば桂跳ねも問題ありません。さらに角道が通っていて、攻めやすいですね。
さらに先手は欲張ります。
【第3図からの指し手】
△6三金▲6八金右△7三桂▲9八香(第4図)
【第4図は▲9八香まで】


▲9八香!
冒頭でネガキャンした穴熊ですが、二枚舌で組みにいきます。
右銀は△6五桂を消すために待機し、右金は玉を固めるためにくっつける。このライト兄弟の工夫が戦法の骨子です。
(ここでは一例として銀冠→銀冠穴熊を紹介しています。後手の形によっては、3筋・4筋に金銀を使っていきます。)
以下はさらに駒組みが続きます。
【第4図からの指し手】
△8四歩▲9九玉△8二玉▲8八金△8三銀▲7八金右△7二金▲5六歩△5四歩▲3六歩△6五歩▲5七銀△4二角▲4六銀△1二香(第5図)
【第5図は△1二香まで】


従来の組み方では角も捌きにくく、陣形にも差はありませんでしたが、今や見違えるほど先手玉が堅くなりました……!
もはや満足ですが、最後に仕掛け方も見ていきましょう。
第5図以下▲5五歩△同歩▲同銀で、4四の地点を狙います。△5四歩にもひるまず▲2四歩(第6図)。
【第6図は▲2四歩まで】


△2四同歩なら▲4四銀△同銀▲同角△6四角に、▲2四飛で成功。
△2四同角には、▲4四銀△同銀▲同角△4二飛▲1一角成△4七飛成▲5三歩(第7図)で捌き合います。
【第7図は▲5三歩まで】


お互いに大駒を成りましたが、先手玉の堅さが生きそうな展開です。
▲5三歩が細かい利かしで、△同金は囲いが弱体化しますね。
先手はこのあと、▲2一馬~▲3一馬~▲7五歩のラインで崩しにいきます。
攻め方が分かりやすく、先手の勝ちやすい将棋と言えるでしょう。
以上、一直線銀冠のメリットをまとめると
・最短で囲うので、駒組みの途中で仕掛けられる心配が少ない
・角道を通したまま戦える
・展開によっては銀冠穴熊も目指せる
堅さと攻撃力のハイブリッド型で、アマチュアも指しやすい戦法ではないでしょうか。
本書では、ほかにも石田流、三間飛車藤井システム、三間飛車穴熊の対策を解説しています。
なにげに銀冠を扱った戦術書は少ないため、銀冠の正しい序盤戦を勉強したい方にもピッタリです。
著者の池永先生の軽快なテンポの解説も面白く、楽しめながら強くなれること間違いなし!
『対三間飛車 一直線銀冠』、ぜひお買い求めいただければと思います。
限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
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