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【探求2】藤井聡太のマグマはどこに行ったのか? ~文本先生に聞いてみた~

『藤井聡太の軌跡』で生まれた疑問をゆる~く追う

電子書籍・将棋ソフトが大幅割引! 将棋情報局4周年感謝祭を開催中! こんにちは。化学の味がする中華スープが好きな編集部島田です。

さて、7人くらいの方にとって待ちに待った(と思いたい)連載第2弾です。
この連載では『藤井聡太の軌跡』で生まれた疑問をゆる~く追っております。



まずは第1弾を光速でおさらいしてみましょう。
我々の探求命題はこうでした。
 
子どもの頃の気性の激しい藤井二冠と、現在の聖人のような藤井二冠のギャップってすごいよね。どうしてそうなったの?

今回はこの疑問を「ふみもと子供将棋教室」の文本力雄先生にぶつけてみた結果をご報告いたします。
それではどうぞ。

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――藤井二冠を子どもの頃から見てこられた文本先生に、藤井二冠の変わりようはどう映っていますか?
「う~ん。どういうことなんですかねぇ。思い出すのは奨励会二段のときですかね。中学生になって昇段の報告に来たときに、なんか急激に青年の相になってね。ちょっとびっくりしたことがあったんですよ。雰囲気も、身体もそうですけど。『まるっきり青年だな』と思いましてね」

――なるほど。劇的に印象が変わったタイミングがあったんですね。
「そうですね。その辺りから将棋のこと以外は寡黙ですよね。ただ、昔からシャイだったというのは変わってないかもしれません。なかなか目を合わせようとしない子で。人前でほとんどしゃべれなくて、お母さんやおばあちゃんが代わりにしゃべってました」

――変わっていない部分もあるんですね。
「はい。でも島田さんのおっしゃるように、私も違和感みたいなものを感じることはあります」

――あ、先生から見てもそうなんですか。
「体を動かすのが大好きだったし、足も速かったしねぇ。そういうものがうまく発散できていればいいんだけど。・・・将棋をすることによって発散できていれば一石二鳥ですけど(笑)」

――そうですよね。
「何かを内包してるのに、それを抑えてるというか。だから私の周りの将棋仲間はみんな心配してますよ。『女性の相手間違えたら大変なことになるぞ』って(笑)」

――それはどういう心配ですか?
「つまり、持っているマグマがそっちのほうに行ってしまわないかと」

――なるほど(笑)。それは心配ですね。
「先のことはわかりませんけどね。羽生さんみたいにバランスの取れた人になってくれればいいですけど」

――あー、羽生先生。確かにそうですね。
「お役に立てず、すいません。あとは島田さんの想像力でなんとかしてください(笑)」

――がんばります(笑)


(以下、雑談と、いつか飲みに行きましょう。名古屋でぜひ、という話題で盛り上がって取材終了)

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さて、謎が解決するどころかむしろ深まってしまった感があります(笑)。

しかし、待ってください。
よくよく振り返ってみると、我々は今回の取材によって以下の3つのヒントを手に入れることができました。
 
(1)中学1年辺りで劇的な変化があった
(2)シャイであるという点は変わっていない
(3)女性の相手を間違えると大変
(4)飲みのつまみは味噌カツ

まぁ(3)はヒントといえるか微妙なんですけど・・・。

ここから導かれる合理的なストーリーは、以下のようなものです。
 
(1)中1辺りで大きな心情の変化をもたらすような何かがあり、自分の感情をみだりに発散することをやめた。
(2)(1)と元々の人一倍シャイな性格とが相まって、今の聖人のような振る舞いにつながった。
(3)とはいえ、マグマは持ち続けているので発散場所には要注意。

・・・結構いい線行ってるような気がしてきました。

文本先生の感じられている違和感は(1)の急激な変化によってもたらされたものだと考えられます。であれば、次の課題は(1)の変化をもたらしたものは何か、ということですね。

わからん。何にもわからん。でも知りたい。

(…そうだ、もう一回『藤井聡太の軌跡』を読んでみよう)

幼少期の藤井二冠を近くで見てきたのは文本先生ですが、奨励会で頭角を現してきてからの藤井二冠をよく知っているのは『藤井聡太の軌跡』の著者の鈴木宏彦さんです。

ということで、第3回(=最終回)では、文本先生への取材で得られた仮説をもって『藤井聡太の軌跡』を再読し、私なりのスパイスをピリリと加えた考察で締めたいと思います。

春風のようにゆるやかな気持ちでお待ちください。

(第3回に続く)
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