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菅井竜也八段が電光石火の勝利で2勝目をあげる 第79期A級順位戦

稲葉陽八段を破ってリーグ成績は2勝3敗

第79期A級順位戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)の5回戦、▲稲葉陽八段(2勝2敗)-△菅井竜也八段(1勝3敗)戦が11月18日に関西将棋会館で行われました。どちらも井上慶太九段門下の同門対決は、84手で菅井八段が制しました。

後手番の菅井八段は稲葉八段の居飛車に対し、ゴキゲン中飛車を採用します。片美濃囲いに組むと、5筋の歩を交換し、その勢いで7筋の歩も飛車で入手。稲葉八段は飛車を切って角を入手し、菅井八段の不安定な7筋の飛車取りに角を打ちました。

飛車が逃げると馬を作られてしまう菅井八段。こちらも飛車を切り飛ばしていきました。激しい駒交換の結果、稲葉八段が角銀交換の駒得を果たし、ポイントをあげます。

しかし、その直後に落とし穴が待っていました。稲葉八段は銀をぶつける激しい順を選択しますが、これがつまづきの第一歩。菅井八段に△7五飛と王手角取りで切り返され、角を守る間にぼろっと銀を取られてしまいました。

手駒を増やした菅井八段は、飛車と銀で稲葉玉の玉頭である7七の地点を攻めていきます。7五の飛車が7八の玉をにらむ形で、なかなかうるさい攻めです。まずは銀で相手の7七の桂を取り、△8五桂と設置。この手は7七の角取りですが、飛車がいるため逃げるわけにはいきません。

稲葉八段は▲8六銀と守り駒を打ちましたが、これが敗着となってしまいました。というのも、後手に絶好の順が生じてしまったからです。これを見逃す菅井八段ではありません。ほとんど持ち時間を使わずに、角を取って△5三角と竜取りに打ちました。もし▲2二竜と金を取ってきたら、△7七飛成▲同玉△4四角の王手竜取りの大技がかかる仕組みです。

以下は菅井八段の早指しを見るばかり。△5三角を打ったのが60手目。そこから合計17分の考慮で84手目まで指していき、稲葉八段を投了に追い込みました。一局を通じての消費時間はわずか1時間45分。持ち時間6時間の順位戦としては驚異的なスピードです。

この勝利で菅井八段はリーグ成績を2勝3敗としました。A級へ昇級したばかりの菅井八段は順位が10人中9位と悪く、負けが先行すると降級が見えてくる危ないポジションです。指し分け、そして勝ち越しへ向けて大きな1勝となりました。

一方の稲葉八段も2勝3敗。こちらも順位が8位で悪いため、連敗は何としても避けたいところです。

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同門対決を制し、大きな白星を手にした菅井八段


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