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高見泰地七段が全勝維持で昇級へあと1勝 第78期順位戦C級2組8回戦

牧野光則五段は初黒星を喫し、1敗は3人に。最年長棋士桐山清澄九段はC級2組から降級

1月9日と16日に東西の将棋会館で第78期順位戦C級2組(主催:朝日新聞社、毎日新聞社)の8回戦が行われました。7回戦終了時では全勝は高見泰地七段と牧野光則五段の2人。それを1敗で三枚堂達也七段、大橋貴洸六段、佐藤紳哉七段、古森悠太四段が追うという展開でした。

まず9日の対局では大橋六段、佐藤七段、古森四段が登場。古森四段は梶浦宏孝五段との若手棋士対決を制し、1敗を維持。しかし、大橋六段は星野良生四段に、佐藤七段は竹内雄悟五段に敗れて2敗に後退となりました。

16日には高見七段、牧野五段、三枚堂七段が対局に臨みました。

高見七段の対戦相手は桐山清澄九段。桐山九段が高見七段の動きに乗じて厚みのある陣形を構築し、リードを奪います。高見七段も自陣に交換したばかりの桂を打ってバランスを取り、差を広げさせません。その後厚みを生かすべく、桐山九段は相手の玉頭から攻めかかりました。2枚の桂で王手をかけて迫りましたが、あとひと押しが足りません。結果的に高見玉を逃がしてしまいました。直接玉を攻めるのではなく、遠巻きにじわじわと攻めるのが良かったようです。危機を脱した高見七段の反撃は素早く、流れるような攻めで桐山九段を投了に追い込みました。

桐山九段は現役最年長の72歳でタイトル獲得は4期。通算勝ち数は1000勝にあと7勝と迫っている大棋士です。順位戦ではA級に14期在籍し、名人戦にも登場したことがあります。この日の敗戦で今期の降級点が確定し、3つ目の降級点で規定によりC級2組から降級となりました。通常、C級2組から降級になった場合にはフリークラスに入り、編入後10年の間で規定の成績を取ると再びC級2組に戻ることができます。しかし、桐山九段のような60歳以上の棋士が降級した場合には、基本的に引退になります(棋戦ごとに参加条件があり、その条件を満たす棋戦があれば、該当棋戦のみ次年度も参加できる)。

もう1人の全勝者、牧野五段は長岡裕也五段との対戦。先手の長岡五段が速攻を仕掛け、大乱戦になるかと思われましたが、小競り合いの後に再び駒組みに。長岡五段がうまく駒をまとめ上げ、全軍躍動で牧野五段を圧倒。働いていない駒がほとんどない会心譜で勝利を収めました。

三枚堂七段はベテランの富岡英作八段と対局。三枚堂七段の攻めが空振り苦戦を強いられてしまいますが、我慢に次ぐ我慢でじわじわと形勢を盛り返していきます。最終的に富岡八段の攻めが途切れて逆転。逆転に成功してからは、慎重を期す丁寧な指し回しで再逆転を許さずに217手にも及ぶ激戦を制しました。

8回戦の結果、現在の上位陣の状況は以下の通りです。(かっこ内数字は順位)

8勝0敗:高見泰地七段(8)
7勝1敗:三枚堂達也七段(9)、牧野光則五段(25)、古森悠太四段(37)
6勝2敗:佐々木大地五段(5)、西田拓也四段(7)、大橋貴洸六段(10)
※6勝2敗の棋士は上位3人のみ掲載

C級2組は全10回戦で昇級枠は3つ。高見七段は順位がいいため、あと1勝で昇級となります。昨年は初タイトルの叡王を奪われてしまっただけに、順位戦では是が非でも昇級を決めたいと思っているはずです。

自力は三枚堂七段、牧野五段まで。古森四段は自身が勝った上でどちらかが負けると自力圏内に浮上です。また、依然キャンセル待ちの状況には変わりありませんが、ここに来て順位のいい2敗の佐々木五段、西田四段にも可能性が出てきました。

9回戦は1月30日と2月6日の2日に分けて行われ、最終戦の10回戦は3月5日に一斉対局で行われます。残り2戦でどのようなドラマが待ち受けているのか、注目です。

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タイトル獲得経験のある高見泰地七段


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