世界コンピュータ将棋選手権「やねうら王」が優勝|将棋情報局

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世界コンピュータ将棋選手権「やねうら王」が優勝

千日手狙いの作戦見事に奏功

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第29回世界コンピュータ将棋選手権が5月3日~5日の3日間をかけて川崎市「川崎市産業振興会館」で行われ、「やねうら王」(開発:やねうら王withお多福ラボ2019)が優勝しました。

大会は初日(3日)、40チームが参加した一次予選で開幕。2日目(4日)に一次予選上位8位までと前回成績により選抜された16チームを合わせた24チームによる二次予選が行われ、その上位8チームが3日目(5日)の決勝へと進む形式で行われました。

プログラマー達は皆顔なじみで、ノートパソコンを覗き込む眼差しは真剣そのものでも、大会自体は実に和気あいあい。今やプロより強いと言われるプログラム、当然自身よりも強いにも関わらず、対局が進行するモニタを見ながら指し手を批判したり、相手チームに聞こえても構わず「まちがえろ!」と声を出して相手プログラムに念力を掛けたりと、プロの対局やアマチュア大会とは全く違う雰囲気で進行しました。

決勝は8チームの総当たりリーグで行われ、6回戦まで成績上位2チームのやねうら王とKristallweizenが最終7回戦で直接対決となって、両者の間で優勝が争われることとなりました。

やねうら王の優勝条件は「勝ち」か「引き分け」。それを踏まえ、やねうら王withお多福ラボ2019チームは大会運営陣に、「引き分け」となる千日手を狙う戦略はルールに抵触するかを確認。オーケーであることがわかると、プログラムを千日手になりやすい設定に変更しました。するとその作戦が見事にはまり、最終局は序盤早々に千日手が成立。千日手となる第1段階の指し手は後手Kristallweizenの「4四角」。その前の局面ではやねうら王withお多福ラボ2019チームから、「4四角!4四角!」と念じる声が上がっていました。

実は決勝に残った8つのプログラムはいずれも、ウェブ上に公開されているやねうら王のライブラリを参考にして作られた、いわば「やねうら王チルドレン」。その中で頂点に立ったやねうら王は次回、2015年、2016年の第25回、第26回でponanzaが達成して以来の連覇を狙います。


(上)普通の大会とは全く違う雰囲気(下)会場のスクリーンに対局の進行が映し出される

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