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2000年度 驚異の89局、68勝を記録した羽生九段

2018年度ももうすぐ終了 藤井聡太七段の年度最終局迫る

3月27日、藤井聡太七段の年度内最終局となる第32期竜王戦ランキング戦4組の中田宏樹八段―藤井七段戦が東京・将棋会館で行われる予定です。

昨年度2017年度、対局数、勝数、勝率、連勝の記録4部門を独占した藤井七段でしたが、今期の個人成績は順に51局、43 or 42勝、[0.8431]or[0.8235]、10連勝となります。部門1位は勝率ランキングのみとなる見込みです。

自身が歴代ランキング1位の記録を持っている連勝部門(29連勝)以外の歴代ランキング1位との比較をしてみますと、勝率は中原誠十六世名人が1967年に挙げた47勝8敗[0.8545]を更新する勢いでしたがわずかに届かず、対局数、勝数はいずれも羽生善治九段が2000年に挙げた89局、68勝に及びませんでした。

それにしても、89局、68勝は、今期の藤井七段の記録と比べても、今期1位の記録となる見込みの60局台、40勝台と比べても、いくらなんでも多すぎではないでしょうか。そこで、大記録はどのようにして生まれたのか、今後更新される可能性は? といった点を調べてみました。

羽生九段の大記録が達成された理由は主に2つあります。(※以降の肩書は当時)

7つあるタイトル(※現在は8つ)のうち、王位、王座、王将、棋王を保持して2000年度を迎えた羽生四冠はこの期、4つの防衛戦のほか、棋聖戦、竜王戦に挑戦者として登場しました。6つのタイトル戦を戦ったわけですが、とにかくフルセットが多かったのです。

決着順に番勝負の勝敗を並べてみます(カッコ内は相手)。

第71期棋聖戦五番勝負(谷川浩司棋聖)
3―2 奪取

第41期王位戦七番勝負(谷川九段)
4―3 防衛

第48期王座戦五番勝負(藤井猛竜王)
3―2 防衛

第13期竜王戦七番勝負(藤井竜王)
3―4 挑戦失敗

第50期王将戦七番勝負
4―1 防衛(谷川九段)

第26期棋王戦五番勝負
3―1 防衛(久保利明六段)

6つのうち4つがフルセット決着となっていて、タイトル戦だけで33局指しています。

もうひとつの大きな理由は、1978年度から2003年度まで行われていた「オールスター勝ち抜き戦」で対局数、勝数を伸ばしたことです。

勝ち続ける限り次の対局がつくユニークな方式で行われた同棋戦で、羽生四冠(※連勝中に五冠)は何と16連勝を達成。この記録は同棋戦最多連勝となっています。

その他、テレビ棋戦でも現在同様強さを発揮し、第34回早指し選手権戦(※オールスター勝ち抜き戦と同様、終了棋戦)の準優勝で5局4勝、そして第50回NHK杯戦では自身6度目の優勝に輝き5局5勝を稼ぎました。

これに順位戦など他棋戦での対局数、勝数が加算され大記録が生まれたわけですが、今後更新される可能性はと問われれば、少し難しいと言わざるを得ません。2000年の記録には現在はない棋戦が2つ含まれていましたし、うち1つは大連勝が可能な棋戦でした。対局数で記録に届くのは、現状では至難でしょう。

現在は当時にない「叡王戦」があります。また女流棋戦ではありますが、ヒューリック杯清麗戦が始まりました。この波に乗って新棋戦が次々と立ち上がれば、もしかしたら・・・ということはあるかも知れません。

最後にひとこと付け加えますと、過去には過去の、現在には現在の事情がありますので、過去の記録も、今期の60局台、40勝台の記録も、同様に素晴らしいものであることは言うまでもありません。

 


対局数、勝数の2部門で歴代1位記録を持つ羽生善治九段

 


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