豊島二冠が7―1でトップに 第77期A級順位戦|将棋情報局

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豊島二冠が7―1でトップに 第77期A級順位戦

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1月31日、佐藤天彦名人への挑戦権を争う第77期A級順位戦の8回戦全5局が行われました。

6勝1敗で並んでいた羽生善治九段(1)、広瀬章人竜王(3)、豊島将之二冠(6)(※カッコ内は今期順位、以下同じ)ですが、羽生九段と豊島二冠の直接対決は豊島二冠が勝ち、広瀬竜王は深浦康市九段(7)に敗れました。

結果、豊島二冠が7勝1敗でトップに立ち、羽生九段、広瀬竜王が2敗で追う形で最終9回戦を迎えることとなりました。

A級順位戦は10人のトップ棋士が総当たりのリーグ戦を行い、優勝者が時の名人への挑戦権を獲得するシステム。終了時に複数の棋士が同星で並んだ場合はプレーオフが行われます。

3者の最終9回戦の組み合わせは、豊島二冠は久保利明王将(5)との対戦、そして羽生九段と広瀬竜王は直接対決となっています。豊島二冠は最終局に勝てば8勝1敗となり、挑戦が決まります。敗れた場合は羽生九段―広瀬竜王戦の勝者とのプレーオフが行われ、これを制したほうが挑戦となります。

豊島二冠は2007年に16歳でプロデビューし、20歳になった2010年度に早くもタイトル戦に登場した大器ですが、その後たびたびタイトル戦に登場するも獲得に結びつきませんでした。しかし今年度、タイトル戦5回目の登場となる第89期棋聖戦五番勝負で羽生棋聖(当時)を3―2で破り念願の初戴冠。すると並行して行われていた第59期王位戦七番勝負でも菅井竜也王位(当時)を4―3で破ってあっという間に二冠となったのです。名人戦への登場はまだありませんが、数字上は75%の確率で名人挑戦となる有利な立場となった今期、棋聖、王位、そして名人と、一気に三冠獲り! という大技も視野に入ってきました。


A級順位戦で羽生九段を破り1戦を残しトップに立った豊島二冠

ある意味優勝争いよりも厳しいもうひとつの戦い「残留争い」も佳境です。A級順位戦は原則として下位2人がひとつ下のクラス「B級1組」に降級となりますが、8回戦を終えた次点で阿久津主税八段が0勝8敗と振るわず降級が確定。もう1人の降級は、2勝6敗の深浦康市九段(7)か、3勝5敗の三浦弘行九段(8)のいずれかになることが決まっています。

深浦九段が残留する条件は、自身が勝って三浦九段が敗れること。これで両者3勝5敗となるのですが、その場合は今期順位が上の棋士が優遇されるため、7位の深浦九段が残留し、8位の三浦九段が降級となるのです。自身が敗れたり、自身が勝っても三浦九段が勝てば勝数で三浦九段が上回りますので、深浦九段が降級、三浦九段が残留です。

A級順位戦最終日は、「将棋界で一番長い日」と呼ばれています。トップ棋士10人がさまざまな想いを背負って、タイトル戦以外でもっとも長い持ち時間(各6時間)の将棋を指す日なのです。重複になる部分もありますが、組み合わせは以下の通りとなっています(左が先手)。

広瀬章人竜王(3)―羽生善治九段(1)

三浦弘行九段(8)―稲葉陽八段(2)

阿久津主税八段(10)―佐藤康光九段(4)

豊島将之二冠(6)―久保利明王将(5)

糸谷哲郎八段(9)―深浦康市九段(7)

5局中4局が挑戦、降級にからむ対局となっています。残る1局も、これまで全敗の阿久津八段にとって大切な一番(※相手の佐藤九段にとっても勝ち越しと来期順位が懸かる大切な一番ですが)。何としても一矢を報いたいところでしょう。見どころの多い最終局となりました。

注目の最終第9局は3月1日に行われる予定です。

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