2026年最新の将棋AI事情&将棋AI導入方法!|将棋情報局

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2026年最新の将棋AI事情&将棋AI導入方法!

これを読めば、あなたも将棋AI通!

限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから 皆様、こんにちは。将棋AI「水匠」開発者のたややんと申します。

今回、将棋AIに関する記事を書かせていただけるということで、2026年現在、最新の将棋AIの状況や、将棋AIの導入方法などをご紹介させていただきます。

2026年現在の将棋AIの状況

将棋AIの歴史で、とても大きな出来事として、2017年の春、「第2期電王戦」において、当時の名人であった、佐藤天彦先生(第2期叡王戦優勝)に、将棋AI「Ponanza」が2連勝を果たしたという出来事がありました。
この出来事以降、公開の場で、棋士vs将棋AIというイベントは開催されていません。しかし、将棋AIは、人類不在のなかで棋力をますます上昇させていきました。

将棋AIが競う大会として、毎年、春の大会と冬の大会が開催されています。
春の大会は「世界コンピュータ将棋選手権」(World Computer Shogi Championship/略称WCSC)です。今年で第36回にも及ぶ、歴史のある大会です。歴代優勝AIは、有名なものばかり。去年の春に、遂に水匠が優勝することができました。本当に嬉しい出来事でした。
そして、冬の大会は、2017年までは「将棋電王トーナメント」、2020年からは「世界将棋AI電竜戦」という大会が開催されています。高額賞金が出る大会で、優勝する難易度は、WCSCに引けを取りません。
2016年の大会は、春冬とともに、Ponanzaが優勝。2015年も春冬優勝していますので、当時、最強の将棋AIでした。
しかし、2017年春、名人との対局と並行して開催されたWCSCにおいて、Ponanzaを破ったのは、後年、エルモ囲いで升田幸三賞を受賞した将棋AI「elmo」。そして2017年冬に行われた大会でも、Ponanzaは「平成将棋合戦ぽんぽこ」に敗れ、Ponanzaの覇権は終わりを告げました。
今の将棋AIのトップ層と、Ponanzaが対戦すると、予想勝率99%以上で、今の将棋AIが勝つと考えられています。それだけ、技術の発展は進んでいるのですね。

そしてそれ以降の大会では、将棋倶楽部24常駐の将棋AIの代名詞「Hefeweizen」、将棋AI界の大巨人「やねうら王」、DL系AIでの大会初優勝「GCT」、最強のDL系AI「dlshogi with HEROZ」、最強のNNUE系AI「氷彗」などが優勝しています。水匠も「角換わり先手必勝定跡」などを標榜して、複数回優勝をしています。

2026年にも、将棋AIの大会は春冬開催されると考えられます。そこで、ここからは、将棋AIの大会を楽しむためのキーワードをいくつか提示させていただきます。

「探索部と評価関数」
将棋AIは、最善手を指すために、局面を探索し、探索した局面を評価します。局面を探索する仕組みが「探索部」で、人間でいうところの「読み」に該当します。探索した局面でどちらが有利かを評価する仕組みが「評価関数」で、人間でいうところの「大局観」に該当します。将棋AIにとっては探索部と評価関数は車の両輪で、とても大事です。

「NNUE系とDL系」
Ponanza、elmo時代に存在した三駒関係評価関数という仕組みから変わって、ニューラルネットワーク(ディープラーニング技術)を用いたNNUE系とDL系といわれる2つの評価関数が、現在の将棋AIの大会で切磋琢磨しています。水匠、氷彗がNNUE系、dlshogiがDL系です。
NNUE系は、CPUというPCパーツで高速に演算できる評価関数で、従来からの探索手法(ミニマックス法)を採用しています。読み抜けが少なく、致命的なミスをしないことが多いという利点がありますが、序中盤の大局観がDL系に比べて低い可能性があり、気づいたら相手AIに有利を取られていたということがあります。
DL系は、画像認識AI等から着想を得たAIであり、主にGPUというPCパーツで推論する評価関数で、新しい探索手法(MCTS)を採用しています。評価関数としての精度が高く、1手読みですら、アマチュア強豪レベルの棋力を有しており、序中盤の大局観が良いという利点がありますが、探索スピードがNNUE系に比べて低いため、気づいたら取り返しのつかない局面になっていたという将棋が発生してしまうことがあります。

「やねうら王」
将棋の思考エンジンとしてのデファクトスタンダード的存在です。評価関数(NNUE系・DL系の両者に対応)を読み込み、局面を探索し、GUI(後述)とのやりとりも行ってくれる、本当に多機能な存在で、しかもオープンソース(プログラミングのコードが公開されており、ルールを守れば自由度高く利用可能)です。やねうら王を使いつつ、自分が工夫したい部分に注力する、という開発者が多数存在しています(水匠、氷彗、tanuki-など)。まさに将棋AI界の大巨人です。

「tanuki-チーム」
毎年、たぬきをモチーフとしたソフト名で大会に参加する強豪AIです。前掲の表における「平成将棋合戦ぽんぽこ」「お前、CSA会員にならねーか?」はtanuki-チームが開発したAIです。
昨今の将棋AIを進化させた技術の多くが、tanuki-チームによって生まれています。NNUE系評価関数、Stockfish(世界最強チェスAI)へのNNUEの輸出、NNUE系評価関数の学習の高速化など、枚挙にいとまがありません。

「HEROZ」
大人気将棋アプリ「将棋ウォーズ」を運営している上場企業です。Ponanza・GCT・dlshogi・氷彗の開発者が所属(大会優勝当時)しており、個々の開発者の高い技術力と、数千万円規模の開発環境のサポート(常時ではない…はず)で、将棋AI界を席巻しています。
将棋AIを題材とする少年マンガがあったら、世界を支配していると思います(笑)。

「将棋AI同士の将棋の楽しみ方」
人間同士の将棋を、評価値だけで見るのはもったいないのとは逆に、将棋AI同士の将棋では、ぜひ評価値の推移に注目して観戦してください。将棋AI同士の対局では、通常の将棋配信ではひとつしかない評価値グラフがふたつ存在します。対局している将棋AIが両方とも評価値を出力しているからです。AIによって評価値が分かれる局面(どちらも自分が有利だと思っている)に差し掛かるときに非常に盛り上がります。どちらのAIが反省するのか、説得に成功するのか…そのような言葉を用いつつ、将棋AIの大会は配信されています。

「将棋AIの将棋はつまらない?」
人間同士の将棋には物語性があります。しかし、将棋AIの将棋にもジャンルが違うだけで、物語性はあると思っています。ジャンルとしては、ミステリーのような物語が将棋AIの対局ではあります。このときの指し手が、数十手先のここで生きてくる、みたいな伏線が張られている将棋を見る感動があると思います。しかし、そのような将棋AIの将棋を説明できる人材が不足しているのは事実…ぜひ、将棋AIの将棋を解説いただいている動画等をご覧ください!

【電竜戦】ある仕組みに気がついたら衝撃が走った!!!(棋士中村太地将棋はじめch)

将棋情報 そらチャンネル


「直近の将棋AI界の角換わり」
「将棋AI界は、角換わりで先手必勝」…そんな言説を聞いたことがある方もいるかもしれません。角換わり水匠定跡の詳細を将棋世界にて連載させていただいたこともあります。
角換わりといえば、この基本図が思いつく人もいるかもしれません。


しかし、2025年冬の大会(電竜戦)における上位10ソフトで行われた決勝リーグにおいて、この基本図はほとんど現れませんでした(全89局中2局)。最近は後手の対応の種類が増え、事前に変化することで、先手にそのまま勝たせないようにする将棋となっています。最新の将棋AIの戦法のトレンドを、大会の棋譜中継などでぜひ楽しんでください。

以上のキーワードに注目しながら、将棋AIの大会(直近では2026年5月3日から行われるWCSC36)を観戦すると、楽しめると思います。私、たややんのYouTubeチャンネルでも水匠応援配信を行うと思いますので、ぜひご覧いただければ幸いです。

たややん / 将棋AI水匠
https://www.youtube.com/@tayayan_ts

将棋AIの導入方法

次に、将棋AIを使って、将棋の研究や、将棋観戦のおともにするのに興味がある方向けに、将棋AIの導入方法について、いくつかご紹介します。

1、棋神アナリティクスを使う
将棋をお仕事にされている方や、将棋AIの研究でトップを目指したい、将棋の定跡に一定の結論を出したい、という方には、HEROZさんがサービス提供をしている「棋神アナリティクス」を使用することをお勧めします。導入はとても簡単です。
https://kishin-analytics.heroz.jp/lp/
棋神アナリティクスを使用すると、最強のNNUE系AI「氷彗」と、最強のDL系AI「dlshogi」をクラウド上で動作させることができます。つまり、スマホで動かしても、ノートパソコンで動かしても、同じ性能で検討をすることができます。
氷彗、dlshogiは本当に強い将棋AIです。将棋AIに詳しい方の中には「読みのスピードが最高級デスクトップPCに比べて低いから…」と思う方がいるかもしれません。しかし、例えば、2025年の冬の大会において、氷彗と水匠が対局した際、氷彗が、水匠より10手以上前に、自分が有利であることを理解し、水匠は、10手以上経過した後に自分が不利であることを理解した場面がありました。家庭用ノートPCと、最高級デスクトップPCのスペック差があっても、読みの深さは4~5手程度しか変わりません。したがって、10手以上前に正しい評価をした氷彗の強さに、PCのスペックで対抗できるとは言いづらいです。正直、料金は安くなく、使用できる時間にも限度がありますが、自分の定跡の最終チェックなどに使用することをお勧めします。

2、激指を使う
全く将棋AIでの検討をしたことがなく、PCも上手く使う自信がないという方には、マイナビ出版さんから販売されている「激指シリーズ(2026年現在の最新版は16)」を購入するというのもお勧めします。
 

パッケージソフト(ダウンロード版あり)なので、有料ではありますが、月額料金がかかることはなく、PC初心者でも導入ができ、AI検討、解析画面も分かりやすいです。将棋AIの難しい設定も全くありません。サポートも手厚いです。
将棋の結論を目指して精緻に検討するという用法でなければ、棋力向上や、将棋観戦のおともにするのに全く問題のないスペックだと思います。

3、ShogiHome+やねうら王+水匠を使う
PCの操作にある程度慣れている方(ファイルの移動、圧縮ファイルの展開、exeファイルの実行等)は、ShogiHome+やねうら王+水匠を導入することをお勧めします。
これのメリットは、無料で導入できるという点です。棋神アナリティクスや、後に紹介する最新水匠に比べると棋力は相当程度低いですが、2021年頃の大会で優勝できる程度の強さを持っているので、問題なく使用できると思います。
ShogiHomeというのは、将棋用GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)です。黒画面で数値と文字列を羅列するやねうら王の出力を、将棋盤と将棋駒を使いつつ、人間にわかりやすいように表示するプログラムです。その中でもShogiHomeというのは、グラフィカルで機能も充実しており、かつオープンソースで、自由に改造ができます。藤井聡太先生がバイブコーディングにより、ShogiHomeを改造した、というニュースがあったように、藤井聡太先生も愛用しているプログラムです。藤井先生と同じ環境で検討したいという方にもお勧めできます!



https://sunfish-shogi.github.io/shogihome/index.html
ここがダウンロード場所です。最新版、安定版好きな方をダウンロードして、圧縮ファイルを展開し、インストールしてください。

その後にダウンロードするべきは、やねうら王と水匠です。前述したとおり、将棋AIは探索部と評価関数の両輪で動くため、探索部(+α)であるやねうら王と、水匠を別々にダウンロードしなければなりません。
ダウンロード方法や、インストール手順の詳細は、やねうら王開発者のやねうらおさんが詳細に解説してくれています。
https://github.com/yaneurao/YaneuraOu/wiki/やねうら王のインストール手順
このURLを読んで、将棋AIに関する知見を得つつ、ぜひやねうら王+水匠(水匠じゃなくてもいいですよ!)の導入をしてみてください。

なお、詳しい方に向けて申し上げると、2026年1月現在、無償で最強の将棋AIは「AobaNNUE」です。ここからは自分自身の目で確かめてみてくださいね!

そして、やねうら王+水匠には、有償版がございます。やねうら王FANBOXというサイトにて配布されているようですので、最新の水匠がご入用でしたら、ぜひ導入をご検討ください。100万円超のPCで無償公開の水匠を動かすより、家庭用ノートPCで最新の水匠を動かした方が強いです。よりよい将棋AI環境を目指してみましょう!
 

おわりに

長文となりましたが、最新の将棋AI事情&将棋AI導入方法をご紹介できたかな、と思います。もっと詳しく知りたい、将棋AI小ネタを知りたい、将棋AIを開発してみたい、という方は、ぜひ、私たややんのYouTube配信にお越しいただくなどして、コンタクトを取ってくださいませ。ありがとうございました!
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