アプリをストアに公開しよう(1)―UWP第6回|Tech Book Zone Manatee

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Windows 10 アプリ開発入門 ― Universal Windows Platformではじめよう

アプリをストアに公開しよう(1)―UWP第6回

前回までで、基本的なUniversal Windows Platform(UWP)アプリの作り方をご紹介しました。自分にとって良いと思えるアプリを作成することができたなら、ストアを利用して全国にアプリを公開しましょう。UWPをストアに公開するには以下の手順を実行する必要があります。

・アプリのアイコンの用意
・アプリのパッケージ化
・認定キットの使用
・ストアにアプリ情報を記載
・パッケージのアップロード

今回から次回にかけて、これらの手順を順番に解説していきます。

Windowsストア

UWPアプリを全国に公開するには、Microsoftが用意しているストアを経由して配布する必要があります。

MicrosoftはUWPアプリを配布するためにWindowsストアを用意しており、すべてのWindows 10 PCにプリインストールされています。

Windowsストアでアプリを表示してみると、アプリのアイコンやスクリーンショット、機能説明などが表示されています。これらの画像や文章はアプリを説明するためのもので、ストアに公開した開発者が記述しなければいけません。

せっかく良いアプリを作ったとしても、説明が十分でないとユーザーにインストールすらしてもらえないという状況になってしまうのでこれらの説明リソースは十分な記述をする必要があります。

また、ストアに公開するためにはMicrosoftの審査を受ける必要があります。審査はWindowsアプリ認定キットとMicrosoftによる審査の2段階があります。

Windowsアプリ認定キットは開発者のPC上で実行することができ、認定プログラムを実行することでそのアプリが適切かどうかを判断することができます。

認定キットによって失敗とされた項目はMicrosoftによる審査でも失敗となります。よって、認定キットを使うと長い期間かかる審査待ちをせずにすぐに修正点を確認することができます。

このようにWindowsストアでアプリを公開するためには、さまざまなプロセスや審査を通さなければいけません。そうすることによって、ストアではより質の高いアプリのみをユーザーに提供することができるようになっています。

開発者ライセンスを取得しよう

アプリをWindowsストアで公開するためにはMicrosoft開発者プログラムに登録しておく必要があります。

個人アカウントでの開発者登録の場合、最初に19米ドル支払う必要があります。

こちらのページから開発者登録を行いましょう。

Windowsストアの開発者登録料は払いきりであり、年間更新などはありません。

学生の場合、Microsoft Imagineに登録していれば無料でアプリをWindowsストアに公開することができます。

アプリのアイコンを作成しよう

アプリをWindowsストアに公開するにはいくつかアイコン用の画像を作成する必要があります。

Visual Studioで作成したアプリプロジェクトの初期状態では、Assetsフォルダにデフォルトのアイコンが作成されています。

このアイコンのまま審査に出してしまうと、アプリ審査に落ちてしまうのでアプリのアイコンを作成しましょう。

しかしアプリのアイコンは1種類ではありません。スタート画面を見てみると、ライブタイルにはさまざまなサイズのアイコンが存在します。

そこで1枚のアイコン画像からUWPに必要なアプリのアイコンを生成してくれるジェネレータがVisual Studioの標準機能としてついているのでそちらを利用します。

※UWPのアイコンジェネレータがVisual Studioの標準機能として搭載されたのはVisual Studio 2017からなのでVisual Studio 2015以前のバージョンを使用している方は拡張機能を利用してください。

アイコンジェネレータを使用するには、ソリューションエクスプローラーから「Package.appxmanifest」ファイルを開きます。

マニフェストファイルを開いたら、[ビジュアル資産]のタブを開き、「資産ジェネレーター」という項目を使用します。

資産ジェネレーターにある「ソース」項目にアイコンの元画像のパスを入力しましょう。右側にあるボタンを利用するとダイアログから選択できます。

「宛先」は Assets フォルダのままで大丈夫です。

「資産」は「バッジロゴ」以外を指定します。

「スケール」は すべてのスケール とします。

この状態で「作成」ボタンを押します。

作成ボタンを押すと、Assetsフォルダの中にさまざまなサイズのアイコン画像が自動生成されます。

最後にAssetsフォルダの中に入っているStoreLogo.pngがデフォルトのままなので削除しましょう。

マニフェストファイルを編集しよう

先ほどアイコンの設定で表示したマニフェストファイルにはアプリのさまざまな情報を付与することができます。

[アプリケーション]タブではアプリの基本的な情報を設定できます。

「表示名:」の項目にはスタート画面に表示されるアプリの名前を設定します。

「サポートされる回転:」にはデバイスが回転したときにサプリが重力を下向きにして回転するかを設定します。チェックを入れると、チェックを入れた方向にデバイスが回転したときにアプリもそれに合わせて回転します。

[ビジュアル資産]タブではアプリの見た目に関する設定を行うことができます。

「短い名前」の項目ではアプリの名前の省略形を記述できます。

「名前の表示」項目ではどのサイズのタイルで名前を表示するかを設定できます。

「タイルの背景」と「スプラッシュ スクリーンの背景」の項目ではそれぞれの背景色をカラーコードで設定します。ここに指定する色によってライブタイルの色が変化します。

これらのマニフェストファイルに書く設定ではアプリの見た目や挙動にかかわる設定が多いため自分の考えるアプリの雰囲気に合わせた設定を行いましょう。

著者プロフィール

栂井良太(著者)
Microsoft MVP for Windows Development、Microsoft Student Partners
Windowsのデスクトップソフトを趣味で作成しているうちにWindowsに関連した技術に関心を持ち、Windows Phone 7、Windows 10などのアプリに関連した情報をブログ、オフラインコミュニティにて発信、現在はUniversal Windows App、Azureなどを普及すべく情報発信中。
Webサイト:http://garicchi.com