マナティ

熱血!藤井講師の基本情報技術者試験 合格講座

平成28年度秋期 基本情報技術者試験の分析と講評~[午後試験編]

前回に引き続き、平成28年度秋期の午後問題について解説を行います。

平成28年度秋期試験の問題と解答

平成28年度秋期試験「基本情報技術者」の問題と解答は以下から入手可能です

平成28年度秋期試験 問題冊子・解答例・採点講評・配点割合(PDF)
※リンク先はIPAのサイトになります。

満点を目指したい基本レベルの問1

問1は情報セキュリティ分野からの出題であり、必須解答の問題として指定されています。テーマとしては販売支援システムの情報セキュリティとされており、ネットワークにおけるサーバの適切な配置やフィルタリング設定などが問われています。もともと午後試験の問1は比較的取り組みやすいレベルの問題が出題される傾向がありますがそれは今回も同様であり、設問単位で半独立的に対応・解答することができるものであり、標準的な水準よりもやや平易なレベルでの出題であると思います。午前試験対策の十分な繰り返しによって満点が狙いたいところです。

得意分野への集中学習が効果を発揮する選択問題

問2~問7は、6問中4問を選択する回答形式となっており、次の6分野からの出題となっています。

ソフトウェア・データベース・ネットワーク ソフトウェア設計・プロジェクトマネジメント・経営戦略および企業と法務

問2はソフトウェア分野からの出題であり、コンパイラの字句解析と構文解析がテーマとなっています。浮動小数点定数の構文規則を定め、それを状態遷移図で表現した場合における処理の内容が問われています。また構文規則による字句の並びを2分木で表現した場合の適否についても問われており、あたかも3種類ほどの午前問題を総合的に組み合わせた形式であるともいえるスタイルです。いずれも水準は午前試験レベルであり、今後の午前及び午後試験対策を兼ねることができる良問であると思います。

問3はデータベース分野からの出題であり、従業員の通勤情報を管理する関係データベースがテーマとなっています。関係データベースの演算が出題の柱であり、5種類のテーブルに対する関係演算の基礎知識が問われています。特筆すべき点は特になく、過去問題の繰り返しによって満点が狙える標準的な出題水準でしょう。

問4はネットワーク分野からの出題であり、Web画面の表示に関するデータ転送時間がテーマとなっています。同テーマは転送データの種類が画像であったり音楽であったりしますが、いずれも午前試験の頻出テーマであり、データ容量と転送能力に加えてキャッシュの働きなどを総合的に演習できる良問だと思います。設問中の空欄は計算式中に設けられていますので一見難解そうになりますが、論点はあくまで午前試験レベルに留まっており、出題レベルは平易だと言ってよいでしょう。

問5はソフトウェア設計分野からの出題であり、レンタル業務システムの設計がテーマとなっています。詳細に記述されている業務手順とシステムの処理部分でかなりページボリュームがある出題ですが、それぞれの処理の過程を丁寧にトレースしていくことで特に難解な点もなく解答そのものは可能だと思います。しかし現実的には、限られた短い試験時間内において効率よく解答していく点で、少々長文読解問題の演習の必要性を感じる出題です。

問6はプロジェクトマネジメント分野からの出題であり、単体テストにおける品質管理がテーマとなっています。具体的なテストケースと単体テスト結果及びそれに対する改善策への穴埋め問題となっており、この分野に関する深い知識がなくとも、[改善策の実施]の文章にじっくりと目を通し、回答群を消去法的に絞り込んでいけば正解を得ること自体は困難ではないと思います。このタイプの過去問題の演習の際には意識して速読する訓練も必要だといえるかもしれません。

問7は経営戦略・企業と法務分野からの出題であり、業務提供と出資の検討がテーマとなっています。企業会計分野に関する総合問題的なカラーを帯びている構成内容となっており、営業活動と投資活動によるキャッシュフローについて問われています。実務的な切り口の新傾向問題の一つだと思います。

定番アルゴリズムのパターンを習得しておきたい問8

問8はデータ構造及びアルゴリズム分野からの出題であり、必須解答の問題として指定されています。テーマとしては数値の編集とされており、本問のように特定の文字や数字の組み合わせによるパターン生成または分析の出題はアルゴリズム分野の定番でもあり、詳細なテキストを用いた事前演習を行いぜひ慣れておきましょう。

※問9~問13はプログラミング言語の出題であり、5問中1問を選択する回答形式です。言語ごとに仕様が大きく異なることから本記事では講評を割愛いたします。

次の春試験に向けて~午後試験対策に移行するタイミングは?

理想的な目安として、午前問題を7割程度征服できた時点で、午後試験の学習に移行することが望ましいでしょう。これは具体的には、午前問題集を適当に開いてみて、どれが正解か、誤りの選択肢はなぜ間違っているのか、問題集の7割程度を十分に理解したレベルです。ここまで知識と実力を高めるためには、良質のテキストと午前問題集を徹底的に活用し、少なくとも2~3ヶ月程度を要するはずです。

次の春試験に向けて~「問1~問7」の攻略法

午後問題「問1~問7」は午前知識の応用問題です。「午後試験はまったく手も足も出なかった」場合、それは午前試験の準備が不十分で基礎力不足であるのが大きな原因の一つです。本記事のように午後試験を分析しますと、その多くは午前試験レベルの知識や思考能力を問う問題の組み合わせだと分かります。午後試験に自信を持って臨むために、まず午前試験の対策を先行して進め、特に苦手分野を集中的に取り組み攻略することで、不得意分野を作らないようにすることが必要です。がんばってください!

著者プロフィール

藤井淳夫(著者)
事務官として防衛庁に入庁し、システム開発及びシステム管理業務に従事。1998年に独立、IT系社会保険労務士としてITコンサルティング、ITを駆使した人事労務管理及び情報処理技術者育成事業を展開する。大学・企業等における講義講演時間数が1万時間を超える「カリスマ講師」。著書多数。Webサイト:http://www.ilovepc.jp