2016.09.10
合格講座:第13回「テクノロジ系 プロトコル」
2016年(平成28年)秋の[基本情報技術者試験]に合格するための重要ポイント「プロトコル分野への対応と攻略」について解説します。
プロトコル分野への対応と攻略ポイント
プロトコルには様々な種類がありますが、本項目で紹介している種類と特徴の把握に努めましょう。特にIPv6の特徴は頻出事項ですので注意です。
本試験出題例
基本情報技術者 平成20年春期問題 午前:問52
※リンク先はIPAサイトの過去問(PDFファイル)になります。
IPv4にはなく、IPv6で追加・変更された仕様はどれか。
ア アドレス空間として128ビットを割り当てた。
イ サブネットマスクの導入によって、アドレス空間の有効利用を図った。
ウ ネットワークアドレスとサブネットマスクの対によってIPアドレスを表現した。
エ プライベートアドレスの導入によって、IPアドレスの有効利用を図った。
インターネットで利用されるプロトコル
プロトコルとは,コンピュータ同士でデータをやり取りする場合の決まり事や約束事である通信規約のことです。自分が通信する相手と同じプロトコルを使うとともに,相手と物理的に通信回線で接続されて初めてデータのやり取りができます。インターネットで利用されるプロトコルには様々な種類があります。多数のプロトコルの中でも、特にTCPとIPの2つはインターネットの基本プロトコルと呼ばれ、パケット交換型通信の仕組みが定義された最も重要なプロトコルです。インターネットで利用されている代表的プロトコルには以下のような種類があります。
TCP…転送するデータの安全性を保証する。IP…IPアドレス宛にデータを転送する。
SMTP…メールサーバ間およびクライアント端末からのメール送信。
POP…メールサーバからメールを取り込む。一括受信方式。
IMAP…任意のメールだけを選択受信する選択受信方式。
MIME…電子メールの本文などに音声や画像などの情報も扱える仕様。
S/MIME…ディジタル署名と暗号化を行うMIMEの拡張仕様。
HTTP…ハーパーテキストを転送する。
FTP…ファイルをアップロード・ダウンロードする。
PPPoE…コンピュータをPPP(2点間を回線でつないでリンクする方法)で接続する。
TELNET…離れた場所に設置されているコンピュータを遠隔操作する。
SNMP…ネットワーク管理用プロトコル。各ネットワーク機器が保有するネットワーク情報を管理システムへ転送する。
IPアドレスの仕様
IPアドレスとは、インターネットやイントラネットなどのTCP/IPネットワークにおいて、ネットワークに接続されているコンピュータ(ルータも含みます)に対して割り当てられる識別番号です。一般的に使用されているIPアドレスはIPv4というバージョンであり、32ビットの2進数で構成されています。しかし2進数の羅列では利用者にとっては扱いにくいため、便宜上8ビット単位で4つにブロックに区切り、以下のように0から255(256通り=2の8乗)の10進数によって表現します。
IPv6が登場
IPv4は32ビット構成ですから約43億パターンの表現が可能です。しかし、全世界的なインターネットの発展・普及によってIPアドレスが枯渇したことから、この状況を解消するために新世代IPアドレスであるIPv6が策定され、その利用が拡大しています。IPv6は128ビットで構成されるため、従来とは桁違いの表現(約43億の4乗パターン)が可能となります。
IPv6の新機能
IPv6となって新たに追加された機能としては、セキュリティ機能の強化としてパケット送信者の認証とパケットの暗号化、ビデオ会議やインターネット電話などリアルタイム性が要求されるパケットにラベル(識別子)を付加することで優先順位を付加した通信が可能なフローラベル機能、プラグ&プレイ機能およびマルチメディアへの対応などがあります。
IPv6におけるセキュリティの強化
IPv6の暗号化機能については、ネットワーク層における暗号化プロトコルであるIPsecと呼ばれる専用の拡張ヘッダ(記述領域)があらかじめ定義されていることによって、パケット単位での暗号化を行っている点に特徴があります。そのため、アプリケーションソフトに依存することなく端末間での暗号化が可能となり、データの改竄防止や秘匿機能の提供が実現しています。
■解答と解説
正解:ア
IPv6は128ビットのパターンで構成される為、非常に多くの個数を割り当てることができます。