2018.11.08
いつでも撮影できるエポックメイキングなムービーカメラ
常識を塗り替える価格
一見すると写真用一眼カメラのようなこの「ポケットシネマカメラ4K(Pocket Cinema Camera 4K)」ですが、その正体は劇場映画品質の映像を撮ることができるムービーカメラ(静止画も撮影可能)です。近年は小型のカメラで高画質な動画が撮れることが一般化していますが、この製品最大の特徴は、「RAW形式」で動画が撮影できる点です。
RAWとは、カメラのセンサが受けた情報をそのまま丸ごと記録したもの。写真では一眼カメラのほか、ここ数年のiPhoneでもサポートするなど広く普及しています。しかし、動画のRAWは莫大なデータ量になるため、本製品がサポートする4K DCI(4096×2160)、秒間60フレームのRAW撮影ができるカメラはいかにも現場向けなルックスの大型カメラが中心でした。
一方、本製品は楽に手持ち撮影できるほどコンパクトで、14万7800円(税別)という、性能からして「ゼロが一つ足りない」レベルのリーズナブルな価格を実現。今春の発表時から映像クリエイターの間では話題沸騰となっていました。
小型さや低価格だけでなく、先進的な設計もポイントです。本体にはUSBタイプCコネクタが装備され、SSDなどを接続して映像を記録するほか、バッテリの充電にも利用可能。最高品質の映像を記録するには「CFast」や「SD UHS-II」といった高価なメディアが望ましいところですが、SSDは価格もだいぶ下がっているのに加え、直接Macにつないで即編集できるのも大きな魅力です。
レンズマウントは、ミラーレス方式の先駆けであるマイクロフォーサーズ規格を採用。すでに10年近い歴史があるため、レンズの選択肢が非常に幅広いと同時に、本体とバランスのとれたコンパクトさをキープできます。低コストでありながら、これまで実現不可能だったスタイルをも可能にする、まさに何重もの意味で“ゲームチェンジャー”なカメラといえます。