2015.11.27
アップル・ウォッチ(Apple Watch)、iOS 9、OS X10・11エルキャピタン(El Capitan)の英語システムフォントがサンフランシスコ(San Francisco)に変更された。この新しい書体はデジタルディスプレイ用にアップルがゼロからデザインしたオリジナル書体だ。だが、なぜそもそもMacのシステムフォントを変える必要があったのだろうか。これが今回の疑問だ。
紙の書体から電子の書体へ
アップル製品のシステム標準フォントがサンフランシスコ(San Francisco、以下SF書体)に変更された。日本語環境ではこれにヒラギノ角ゴシックが組み合わされる。SF書体はアップル・ウォッチの採用を皮切りに、iOS 9以降のiOSデバイス、OS X10・11エルキャピタン搭載のMacに次々と採用された。
Macでは従来のシステムフォントはヘルベチカ(Helvetica)書体が使われていた。このヘルベチカは1957年にスイスのハース鋳造所の活字としてデザインされたもの。つまり、印刷用書体だった。一方でSF書体はアップルがディスプレイ表示用にデザインしたオリジナル書体。いよいよ、字のデザインも紙から電子を主眼に置く時代になったのだ。
このSF書体には、ディスプレイ表示用にさまざまな工夫がされている。たとえば、特に小さいサイズでの表示を意識したSFコンパクト(SF Compact)書体では、丸みのある文字の横が直線的にデザインされている。これによって文字の分離がよくなり、小さい文字でも読みやすくなるのだ。