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フォントが生み出す新たな価値

文●編集部

おそらくWEBブラウザを見ていて「おや?」と思った人も多いのでは? そう、昨日9月2日、グーグルが社名ロゴを刷新しましたね。

グーグルの社名ロゴが、これまでの陰影がついた立体感のあるデザインから、シンプル&フラットなデザインに変更されました。Mac Fan読者の皆さんにとっては、OS Xマーベリックス→OS Xヨセミテへのアップデートで、多くのソフトアイコンがフラットデザインに変更されたことは記憶に新しいでしょう。フラットデザインは世の流れ。やはりモダンな印象を与えます。

「紙」より「ディスプレイ」上で文字を見る機会がますます増えている昨今、「どんなサイズのデバイスで表示されても同じ見え方で、読みやすい文字」というのが、この時代のフォントデザインの課題です。今回のグーグルのロゴ変更にもそうした意図があるとのこと。我らがアップルも、次期OS X&iOSにてシステムフォントを一新するという話が聞かれています。今から楽しみですね。

そんな中、昨日は私が注目する別のフォントの公開も行われました。その名も「東京シティフォント」。開発は、アップルのWEBサイトでもお馴染みの「AXISフォント」を開発したタイププロジェクトです。

タイププロジェクトが掲げる「都市フォント構想」には以前から関心がありました。その地域固有の文化や雰囲気を文字のデザインに取り込むことによって、「その都市らしさ」を醸成していこうというこの試み。日常的に目にする文字(たとえば街区表示や看板の文字など)に、地域のアイデンティティを感じられるなんてすごく面白いと思いませんか? これまでに名古屋の「金シャチフォント」や横浜の「濱明朝体」などを生み出してきたのですが、ついについに「東京」が出てきたという感じです。


タイププロジェクトWEBサイトより http://typeproject.com/projects/cityfont-tokyo

今回公開されたのは街区表示用のフォント。2020年の東京オリンピックももちろん念頭にあるでしょうが、「100年残る仕事として考えたい」とグラフィックデザイナーの色部義昭氏は語っています。100年…スケールが大きい。さまざまな分野で変化の激しい現代にそんな仕事ができたら本望だろうなあ。

東京シティフォントは、9月2日より東京・銀座にて開催中の色部義昭氏の個展にて公開されています。9月17日には「世界のシビックプライドについて」というテーマでトークイベントも開催されるとのこと。東京にお住まいで興味のある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

●Google Japan Blog:Googleのロゴが新しくなりました
http://googlejapan.blogspot.jp/2015/09/google-update.html

●都市フォントプロジェクト 東京
http://typeproject.com/projects/cityfont-tokyo

●色部義昭氏の個展情報
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000663

【山本安寿紗/Mac Fan】