09 不可能に挑戦したエラストマー素材とMacBookケースの話。(1/2)|MacFan

アラカルト ものづくりシテンの。

アップルプロダクトのデザインから考えるものと人と機械の交差点

09 不可能に挑戦したエラストマー素材とMacBookケースの話。(1/2)

文●山田井ユウキ

アップルのプロダクトデザインはすごい、そう言われる。その一方で、国産のプロダクトはどうだろう? 中途半端で、“OKデザイン”のもので溢れていない!? グローバル社会で戦えるようなMade in Japanの製品を。妥協しないものづくりを実践するDAQが、アップル製品を例に今のプロダクトデザインの地平を語る。

ニッチに目を向けることがブランド戦略のカギを握る

─ AndMeshの新しいMacBookケースが出るそうですね。開発のきっかけを教えてください。

【後】そもそもの話になるのですが、我々がiPhoneケース「AndMesh(アンドメッシュ)」を発売したのが約1年前。iPhone 6の発売日と同時デビューでした。iPhoneケースとしては後発だったのですが、実はそのときからMacBook用のAndMeshケースを計画していたのです。というよりも、MacBookとiPadこそAndMeshで狙っていた一番の市場でした。

─ えっ、そうだったのですか。ではなぜMacBook用はこのタイミングになったのでしょう。

【後】大きな理由としては、いきなりMacBookケースを販売することが販路的に難しかったからです。iPhoneケースの方がはるかに市場が大きいので、まずはiPhoneケースでAndMeshを発売して、売り場や販路をきちんと確保してからMacBookに取りかかることは最初から決めていました。それからもう1つの理由は、MacBookがこの春にリニューアルされたことです。5年ほど前からMacBookエアのリニューアルはずっと噂されていましたが、約5年ぶりにデザインが一新されたこともあって、ユーザもかなり盛り上がっています。新製品というのは物が良いからといって売れるわけではありません。需要が最大化したタイミング、つまりMacBookが盛り上がっている今、投入しないと売れないのです。