huluのApple TV対応|MacFan

文●編集部

オンライン動画サービス「hulu(フールー)」がアップルTVに対応しました。これで数千タイトル以上の映画やテレビ番組を月額980円で、アップルTVに接続したテレビで簡単に視聴できるようになったわけです。アップルTV経由でhuluに新規加入する場合、アップルIDで登録・決済することができます。

記者発表会の席で、hulu中毒気味の私もこのニュースに喜びました。が、すぐに気になったのが、「アップルIDで決済できる」という部分。アップルIDはアップルの課金システムです。ユーザがアップルIDで決済した場合、hulu側はどのように月額利用料を徴収するのでしょうか。

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hulu側に質問してみましたが、答えは「アップルとの取り決めなので公開することができない」という、予想どおりのもの。推測に過ぎませんが、iTunesストアのように、サービス提供者側とアップルの間で利益の配分が決まっているのでしょう。

さらに興味深いのは、なぜアップルがhuluを採用したのかという点です。アップルがこのように後付けでアップルTVにサービスを追加するのはこれが初めてですから。魅力的なコンテンツが増えればアップルTVの販売拡大に期待でき、なおかつ相乗効果でアップルTV上で展開している映画・テレビコンテンツの販売も増える、というロジックは簡単に推測できます。

が、そのためだけでなく、これが「革新的なテレビ事業への参入のトライアル」も兼ねていると考えたらどうでしょうか。huluを追加したように、今後さまざまなテレビ放送局・ケーブル事業者のコンテンツなどが増えていく。いわば、アップルTVがiPhoneやiPadのようになり、さまざまなサービス(アプリ)がその上で動作するようになる。想像を勝手に膨らませば、日本テレビ、TBS、フジテレビ…といったメニューが将来的にあってもいいわけですし、そうなれば過去番組の視聴に少なくとも私はお金を払ってもいいと感じてしまいます。

単なる私的な妄想レベルの話ですが、何かアクションを1つ起こしただけで、さまざまな想像を掻き立てられるのが今のアップルです。