エプソン&キヤノン新プリンタ発表会|MacFan

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エプソン&キヤノン新プリンタ発表会

文●編集部

8月31日、エプソンとキヤノンの2011年の年末商戦向けプリンタの新製品発表会が行われた。狙ったかのように同日に行われた発表会だが、この両方に行ってきたのでその模様をお伝えしよう。

■エプソン編
今回の発表会では、まずセイコーエプソンの羽片忠明氏が登壇し、同社のインクジェット技術「ピエゾ方式」の優位性をアピール。


羽片忠明取締役

続いて、今回の新モデルラインナップが発表された。発表されたのは複合機が7機種、モバイル(カラリオ・ミー)が2機種、A3プリンタが1機種の計10機種。

今回の新製品は「スタイリッシュ」「簡単」「快適」「環境」「未来」「キレイ」の6つをキーワードに開発したと解説。また、「いたれり、つくせり」をキャッチワードに広告展開を図るとの紹介も行われた。



その後、セイコーエプソンの奥村資紀氏が登壇。今回の新モデルの特徴についての紹介へ。


奥村資紀業務執行役員

全機種の詳細についてはマイコミジャーナルに譲り、今回のボリュームゾーンにあたる「EP-804A」について詳細に紹介しよう。まず、この機種はブラック、シルバー、レッドの3モデルが用意される。レッドを用意したのは、ノートパソコンで人気があることから色を合わせて購入する人が多いだろうということで選択したという。販売の割合はブラックとホワイトがそれぞれ35%、レッドが30%を予想しているとのこと。ちなみに、レッドはかなり目立ちます。新機能にはコピー元の原稿の置き忘れや印刷時にセットした用紙の間違いを指摘する「うっかり防止アラート」、ユーザーの操作により利用する機能を予測しボタン部のLEDを点滅させる「先読みガイド」、自動電源OFF機能などを搭載。

このほか、本体に設定したメールアドレスに添付ファイル(JPEGやPDF、テキストなど)付のメールを送信することで、外出先からのプリントを可能にする「メールプリント」や、iPhoneやiPadからのダイレクト印刷を可能にする「Epson iPrint」、「AirPrint」「Google Cloud Print」にも対応している。




上からEP-804A(ブラック)、EP-804AW(ホワイト)、EP-804AR(レッド)、実売価格は3万1000円前後。

新製品の機能などの説明が終わった後は、広告展開などの説明があり、最後にCMキャラクターの役所広司さんが登場。今年でエプソンのCMを担当して3年目ということで、巨大な名誉宣伝部長の名刺がプレゼントされた。ちなみに、一緒にCMキャラクターを演じる黒木メイサさんは、今回はビデオレターでのみの登場となった。残念。




■キヤノン編
キヤノンの発表会では、まずキヤノンマーケティングジャパンの川崎正己氏が登壇。まず、「水道橋(エプソンの発表会が行われた場所。午前中がエプソン、午後がキヤノンだった)から来た人も多いと思いますが」と軽くジャブを一発。続いて、現在の市場動向や読者アンケートに触れた。



次に、今年の新製品のコンセプトへ。きれいや速いといった機能的な価値は当然として、デザインやエコロジー、静粛性、快適性などの生活価値を高めた製品を追求したと説明。



ここで、今年の新機種が発表された。



こちらも各機種の詳細はマイコミジャーナルに譲るとして、今年のボリュームゾーンに当たる新製品「ピクサスMG6230」をピックアップし、新機能を紹介しよう。まずは、本体カラー。ブラック、ホワイト、ブロンズの3色が用意される。EP-804Aと同様1色増やしてきたのが面白い。このほか選択したメニューにより光らせるボタンを変える「光でナビゲート」、サイレンとモード(稼動音を約49dBから約37.7dBに抑えられるという)自動電源オフと自動両面印刷でエコに貢献するといった機能の紹介も行われた。



また、iPhoneやiPadからのダイレクト印刷機能、「Google Cloud Print」や同社が運営するサイト「CANON Image Gateway」にアップした写真を直接印刷する機能など搭載されている。残念ながらAirPrintへの対応は今回の発表では語られなかった。今後のファームアップなどで対応してくれたらなぁ。


ピクサスMG6230(手前からブロンズ、ブラック、ホワイト)、実売価格は3万円前後。

このあとは、キヤノンの清水勝一氏が登壇。新機種の詳細やクラウドへの今後の対応への強化やパソコン向けソフトの機能強化などが語られた。特にクラウド機能への強化は力を入れるということで、対応するオンラインフォトアルバムやWEBの定型フォームをパソコンなしで印刷できる「PIXUSクラウドリンク」がピクサスMG6230などに搭載されている。



最後に新製品のプロモーションをキヤノンマーケティングジャパンの佐々木統氏がマーケティング/プロモーション戦略について紹介した。プロモーションとしてはMG6230を中心に据え、俳優の岡田将生氏と子役の芦田愛菜ちゃんによるCMを展開するという。キヤノンの発表会では、残念ながらCMキャラクターの登場はなしであった。


右から佐々木統取締役、川崎正己社長、清水勝一取締役

※ピエゾ方式とは、インク管に組み込んだピエゾ素子に電圧をかけることで変形させ、インク管に圧力をかけてインクを吐出させるという技術。ちなみにキヤノンのインクジェットプリンタはサーマル方式(バブルジェット)という、インク管に配置したヒーターに熱を加えることで、インク管内に気泡を発生させインクを吐出させるという技術を採用している。前者はインク滴サイズのコントロールに優れるほか、熱を利用しないことから幅広いインクに対応できるというメリットがあるが、インクが詰まり易くなる、ヘッドの構造が複雑になるというデメリットがある。サーマル方式はヘッドの構造がピエゾ方式に比べて単純で印刷の高速化が図りやすいというメリットがあるが、インクに熱を加えるため熱で劣化しない素材をインクに利用する必要があるほかヘッドの寿命が短いなどのデメリットがある。