国際電子出版EXPO雑感|MacFan

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国際電子出版EXPO雑感

文●編集部

東京ビッグサイトで開催されている東京国際ブックフェアに出かけてきました。お目当ては併設の国際電子出版EXPOです。なにか基軸になる流れが見られるかと思い、いろいろなブースを見て回りました。

電子出版に関わる独自制作システムを展示、PRするブースが多かった印象ですが、個人的には「その先にどんなビジネスモデルが存在するのか」は残念ながら見つかりませんでした。

正確にいえば、これまでケータイ向けの電子書籍(主にはコミックやライトノベルなど)でビジネスを展開してきたところにとっては、昨今のスマートフォン、タブレットといったデバイスの変化が新たにもたらす市場の拡大成長は間違いないといえますが、それ以外の出版物(カタログ除く)が、ユーザ不在のまま進化したところで、誰にとってそれはありがたいことなのだろうか、という疑問がいまだ拭えません。

端末のクオリティしかり、利便性しかり、林立するデジタルブックストアしかり。昨年、日本では電子書籍元年などといわれていましたが、いまだ黎明期からほんの少し進んだ程度の印象です。 

リアルな本棚には、背の高さは違えども、ほぼどんな書物でも並べられます(場所はとりますが)。でもそれがデジタルになった途端、リアルな場所はとらないものの、端末の中でたくさんの本棚が読者の意図に関係なく存在してしまったり、こっちの本棚からあっちの本棚へ移動できなかったり、そもそも容量が足りない端末だったり、向かう先が国内市場だけだったり…。

誰がための電子出版なのか? 出版業界の片隅に身をおく者のひとりとして、これじゃあいかんだろうと、強く思っています。あっ、でも1つだけ朗報ありでした。目を疑う写研ブースがあり、「電子書籍、InDesignで写研書体が他と一緒に使える」とデモンストレーション。しかも写研フォト開放を試みると。

昨日はTLが写研で熱くなっていました。