【実機レビュー】25W 3-in-1 ワイヤレス充電器|MacFan

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【実機レビュー】25W 3-in-1 ワイヤレス充電器

文●村上タクタ

Mac・iPhone・iPadと使える新作アクセサリを徹底レポート!

25W 3-in-1 ワイヤレス充電器

 

私が検証しました!
村上タクタ

Webメディア編集長兼フリーライター。出版社に30年以上勤め、バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴ飼育…と、600冊の本を編集。2010年にテック系メディアを創刊。

 

[SPEC]
【発売】ESR
【価格】1万8458円
【主な仕様】[重さ]約500g、[本体サイズ(W×D×H)]約1600×900×1840mm、[付属品]33W電源アダプタ、USB-C to USB-Cケーブル、iPhoneの設置方法:縦置きと横置きに両対応、[URL]https://www.esrgear.com/products/esr-25w-3-in-1-wireless-charger-with-magsafe-cryoboost/

 

 

最近勢いのある香港メーカー製

皆さんは、iPhoneやエアポッズ(AirPods)、アップルウォッチ(Apple Watch)を充電するのにどんな充電器を使っていますか? 筆者がここ数カ月愛用しており、皆さんにもおすすめしたいのが、ESRの「25W 3-in-1 ワイヤレス充電器」です。先に挙げた3つのアップルデバイスを同時に充電できるほか、iPhoneをマグセーフ(MagSafe)で充電する際に“冷却機能”を利用できるのが特徴です。

「ESR」は2009年に香港で設立されたメーカーで、スマートフォンの普及とともにここ10年で大きな成長を遂げてきました。充電デバイスにおいてアンカー(Anker)の影響力が大きくなって久しいですが、実はESR製品も普及しつつあります。価格感と機能のバランスが優れていて、最近はユーグリーン(UGREEN)などの新興ブランドとともに知名度・販売数が伸びてきています。

 

iPhoneの充電速度気にしてる?

ここで、iPhoneを有線で急速充電(iPhoneのバッテリを30分間で0%から約50%まで充電できる機能)するための要件をおさらいしましょう。

急速充電を利用するには、iPhone 8~11シリーズは最大18W以上、iPhone 12~15シリーズは最大20W以上かつUSB PD(Power Delivery)対応の充電器とケーブルが必要です。また、iPhone 15プロシリーズなど一部のモデルは最大27Wでの充電も可能です。

この条件で急速充電するとき、デバイス側で精密に電力が制御されます。たとえば0%のデバイスを充電するとき、最初はフルパワー(iPhone 15プロシリーズで最大9V/3A)で充電され、徐々に電圧を下げて5Vに切り替えます。その後、さらに電流量を下げて充電することで、デバイスのバッテリが傷みにくくなるわけですね。

マグセーフ(MagSafe)対応コネクタを使う場合も、USB PD対応かつ9V/2.22A以上の電源アダプタを選べば最大15Wで充電できます。本製品の場合、USB PD対応かつ最大33Wでの出力に対応するアダプタとケーブルが付属しているので、現行のiPhoneに適した環境で充電できるんです(つまりこれが言いたかった!)。

 

ワイヤレスでの充電はいまだに〝熱〟が課題…

続いて、一般的なワイヤレス充電についても説明しておきましょう。ワイヤレス充電規格「Qi」の場合、当初は最大5W出力の製品が主流で、のちに10Wのものも増えました。しかし、アップルは発熱によりバッテリを傷めるとして、電源供給を最大7.5Wに制限しています。

発熱のひとつの原因として、iPhone側と充電器側のコイル位置のズレが挙げられます。これを正確な位置に固定できるよう磁石を内蔵したのがマグセーフで、アップル純正もしくはアップルの「メイド・フォー・マグセーフ(Made for MagSafe)」認証を受けている製品であれば最大15Wでの充電が可能になりました。

しかしながら、依然としてマグセーフでの充電時に充電器やデバイスが熱をもつ問題は解決していません。いくらマグセーフで充電しても、熱を持っている間は充電速度が抑制されるほか、熱が冷めるまで充電が停止することもあるため、結果的に満充電まで時間がかかってしまうケースもあるでしょう。

 

季節やシーンを問わず快適に充電できる

そう、その問題を解決したのが本製品なんです。充電を始めるとマグセーフ部分が青く光り、充電後しばらく経つとブーンとかすかな音を立て始めます。なんと、マグセーフ充電に利用するコイルの周囲にファンが内蔵されており、充電中に温度が上昇したら冷却してくれる「クライオブースト(CryoBoost)」機能を採用しているんですね。

ためしに、アップル純正のマグセーフ充電器と本製品の充電速度を、iPhone 15プロ・マックスを使って比較検証してみました。デバイスの電池が切れた状態から充電し始めた結果、アップル純正のマグセーフ充電器は2時間31分、本製品は2時間18分で満充電できました。意外と差は出ませんでしたが、よく考えればそれもそのはず。検証を行ったのは、多少暖房を効かせているとはいえ気温が低い2月ですから。いずれの検証時もiPhoneは熱くなっていませんでした。

しかし、iPhoneでゲームや動画を楽しみながら充電する場合は熱が発生するケースもありますし、サードパーティ製品は時期に関係なく発熱するものが多いのは事実。本製品であれば季節を問わず充電速度が変わりにくいほか、充電しながらデバイスを利用する用途にも安心と、選ぶ価値は十分にあるでしょう。

ちなみにESR公式を含む各種ネットショップでは、本製品の一世代前のモデル(2022年モデル)も販売されています。これはアップルウォッチを充電する部分に純正アダプタをはめ込む方式かつ、iPhoneのマグセーフ充電も7.5W対応です。一方、本製品はアップルウォッチの充電モジュールが内蔵されているほか、「メイド・フォー・マグセーフ」認証を取得したことでiPhoneを最大15Wで充電可能です。

2022年モデルは7000円台(公式サイト価格)と本製品よりだいぶ安価ですが、「いちばん優先したいのはやっぱり性能!」という本誌読者も多いはず。そんな皆様は、2022年モデルと間違えずに本製品を選びましょう。

 

【POINT】Apple製品を引き立てるデザイン

Appleデバイスに合う、シンプルなデザインがうれしいところ。Apple WatchやAirPods(非接触充電対応モデル)も一箇所で充電できるので、充電し忘れや持ち出し忘れの頻度を減らせます。

 

【POINT】充電中のiPhoneを冷却!

iPhoneを設置するコイルの周囲に溝があり、ここから風が出てデバイスを冷やすCryoBoost機能を搭載します。特にサードパーティ製のMagSafe充電器のなかには熱がこもりやすいものもありますが、本製品なら熱対策は万全です。

 

【POINT】2時間18分で満充電に

本製品を使ってiPhone 15 Proを0%から100%まで充電したところ、2時間18分で満タンに(充電速度は気温など複数の条件によって変わるので、あくまで参考程度に)。ちなみにApple純正のMagSafe充電器では2時間31分でした。

 

【POINT】冷却ファンのオン/オフを手動切り替え

AirPods充電パッドの前面に搭載されたボタンを押すことで、冷却ファンと青いライトのオン/オフを手動で切り替えられます。就寝前の寝室で使う際に便利です。

 

【POINT】電源アダプタとケーブルが付属

USB-Cケーブルおよび最大出力33Wの電源アダプタが付属します。電源アダプタやケーブルを別途用意する必要はありません。

 

検証報告

□MagSafe対応のiPhone、Apple Watch、AirPodsを同時に充電可能。急速充電対応の電源アダプタとケーブルも付属しています。
□現状、充電速度は純正MagSafe充電器とさほど変わらず。しかし、作業しながらの充電や夏の暑い時期には大きな差が出るはず!