2024.02.10
Mac・iPhone・iPadと使える新作アクセサリを徹底レポート!
AX-FL10
私が検証しました！
折原一也
大画面テレビやスピーカ、イヤフォンなど映像と音が専門のAVライター／評論家。ITはMacとPCを併用する自称中立派。YouTube「オリチャンネル」でもレビューを発信中。
［SPEC］
【発売】東芝エルイートレーディング
【価格】オープン価格 【実売価格】2万900円
【主な仕様】［サイズ］230（W）×60（H）×19（D）mm、［重量］約0.25kg、［スピーカ］フルレンジスピーカ×2、［実用最大出力］4.5W+4.5W、［電源］バッテリ駆動（音量50％で約6時間再生可能）、［ワイヤレス規格］Bluetooth標準規格 Ver5.1、［URL］https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/pro_speaker/ax-fl10/
壁の振動で音を伝える新発想のスピーカ
最近、面白いブルートゥーススピーカを見つけちゃいました。かつてラジカセの販売で名を馳せたオーディオブランド「オーレックス（AUREX）」から登場した「AX−FL10」です。
本製品は一般的な構造のスピーカユニットではなく“伝振動スピーカ”を搭載しており、設置した壁面を振動させて音を鳴らす仕組みを採用しています。上下左右への音の拡散が少ないため壁や天井の反射、反響音を低減できますが、オーディオ関連の知識がある人は「この機構で良い音質にできるのか!?」とお思いかもしれませんね。そこで、オーディオライターの筆者が実際に音を聴いてみました。
まず本製品は“壁に貼れるスピーカ”というコンセプトで、本体は薄型かつ背面がマグネットという構造です。冷蔵庫や浴室などの磁石が付く面にピタッと貼り付けできるほか、本製品を貼り付けるための粘着シートも同梱されているので、磁石の付かない面でも利用可能です。
スピーカとしての使い方は一般的なブルートゥーススピーカと同様、手持ちのiPhoneやMacとペアリングするだけで使い始められます。また本体のボタンは、電源操作やペアリング操作を兼ねるマルチファンクションボタン、音量+／−、曲送り／戻しとシンプルです。
とあるシーンで最大限の実力を発揮
ひとまず、机の上に本製品を置いた状態で音楽を再生してみると…メーカーが想定する使い方でないこともあって“薄い”音でした。でも、早とちりしてはいけません。本製品は壁に貼って振動させることで実力を発揮するスピーカなんですから。
いろいろな場所で試してみると、貼り付ける場所や素材によって音質が大きく変化することがわかりました。たとえば、硬い壁や冷蔵庫は振動しづらい構造のため、低音がもの足りない印象です。もっとも音質がよいと感じたのは、本製品にとって理想的な“振動しやすい”特性を備えた可動式のアクリル製パーテーションでした。まるでパーテーションの面全体がスピーカユニットになる感覚ですし、遠い位置からでも音を聞きやすい点も印象的でした。
本製品を購入する人がもっとも使いたいであろう浴室は、マグネットが貼り付く素材も多いですし、貼り付けシートを利用すれば選択肢はさらに広がります。なお、本製品はIPX5相当の防水性能を備えるほか、水が入り込みやすい電源部をカバーする防水シールを同梱。シャワーの水がかかっても問題ナシと安心感があります。ただし、シャワーを浴びながら音を聴くには、もう少しだけ最大音量が欲しいとも思ったことはお伝えしたいと思います！
総じて、本製品は音楽リスニングより「ラジコ（radiko）」などでトーク系コンテンツを流す用途に向いていると感じました。持ち前の設置性を活かして、さまざまな場所で使っていきたい1台でしたね。
【POINT】貼り付ける材質によって音質が変化
設置場所の素材や強度によって音質が変化。振動しやすい素材ほど良い音質が得やすかったです。筆者宅の場合は可動式のアクリルパーテーションが最適で、中高域のクリアさとリズムの弾力感も再現できていました。
【POINT】浴室に設置するのもアリ
我が家のユニットバス（TOTO製）の場合、本製品の磁石で貼り付きました。音質面では、やや高域がキンとするほか、中低域もよく鳴るものの少々暴れ気味。しかし反響音はあまり気にならなかったので、音質は“それなり”な印象でしょうか。
検証報告
□壁に貼って使うことを想定した設計です。一般的なスピーカのような“直置き”に向かないことは覚えておきましょう。
□遠い位置でも音が聞き取りやすいので、対談系の動画コンテンツやラジオなどのリスニングに良さそうでした！
製品貸与●東芝ライフスタイル
