【実機レビュー】「はやうま冷凍」搭載冷蔵庫 NR-F559WPX|MacFan

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【実機レビュー】「はやうま冷凍」搭載冷蔵庫 NR-F559WPX

文●水川歩

Mac・iPhone・iPadと使える新作アクセサリを徹底レポート!

「はやうま冷凍」搭載冷蔵庫 NR-F559WPX

 

私が検証しました!
水川歩

フリーランスエディター・ライター。“IT”をメインに活動しているが、プライベートはテクノロジーから離れ、釣りやキャンプ、登山など、自然に浸るアウトドアライフを送る。

 

[SPEC]
【発売】パナソニック
【価格】オープン価格
【実売価格】36万円前後(市場想定価格)
【定格内容積】550L 【サイズ(H×W×D)】1828mm×685mm×699mm 【質量】110kg 【対応アプリ】「Cool Pantry」対応OS:Android OS 8.0以上、iOS 14.0以上、「キッチンポケット」対応OS:Android OS 8.0以上、iOS 13.0以上、 【年間消費電力量(50/60Hz)】265kWh前後/年(※条件により変動) 【URL】https://panasonic.jp/reizo/products/NR-F559WPX.html

 

 

最近の冷蔵庫って本当にすごい!

歳を重ねるにつれて、できる限り必要最低限のものだけで暮らしたいと考えるようになりました。そこで引っ越しを機に派手な断捨離を行ってテレビや電子レンジをポイすることには成功したものの、朝昼晩自炊が基本だと“冷蔵庫なし”の生活は目処が立たず、それならばと壊れかけの20年選手に別れを告げることに。そして約3カ月前から、2023年3月に発売された「NR-F559WPX」を我が家に迎え入れました。

冷蔵庫ってそこまで頻繁に買い替えるものではないと思いますが、さすがに20年ぶりとなると隔世の感があります。最新知識に欠けていたので、製品カタログを吟味してスペックを比較し、家電量販店に何度も足を運び、Macを購入するときとは比べものにならないほど検討を重ねました。「ミラータイプ」「フレンチドア(観音開きのドア)」「容量500L前後」という希望ははっきりしていたものの、特に悩ましかったのが「真ん中は野菜室か、冷凍室か」という究極の問題。それこそ1~2カ月はかかったでしょうか。最終的には「野菜室は下」に決め、温かみのある落ち着いた色味のミラー加工(通称、オニキスミラー)が決め手となって本製品に辿り着いたのです。

実際に使ってみると、かけた時間の分だけ満足感もひとしおでした。業務用レベルの急速冷凍「はやうま冷凍」はご飯やパン、肉、野菜などの水分や鮮度を保った状態で冷凍してくれますし、「微凍結パーシャル」は肉や魚が凍り始めるギリギリのマイナス3度で微凍結するので長持ちするほか、使うときも解凍いらず。さらに、「Wシャキシャキ野菜室」に野菜を入れれば約1週間も新鮮に保存できるので、食品を無駄にすることがなくなって本当によかったです。

 

さまざまな運転モードで自然に「エコ」を実践

さて、ここからこの記事の本題に移りますが、本製品は実際に使ってみると「IoT連携」も優れていました。正直なところ、購入時には冷蔵庫としての基本性能を重視したので優先度は低かったのですが、本製品と連係できる「クールパントリー(Cool Pantry)」というスマホアプリがなかなか、いやとても便利だったのです。

まず、とても役立つのがさまざまな「運転モード」の設定です。たとえば「お留守番モード」をオンにすると、自宅から離れたときに位置情報を検出して「お留守番モードにしませんか?」と通知を届けてくれるので、すぐに省エネ運転に切り替えられます。外出のたびに通知が届くのは煩わしいと感じる場合は、あらかじめ「自動化設定」をオンにすれば自動的に省エネ運転になります。

また、食費を節約するために“まとめ買い”を実践する身には「お買い物準備モード」が大活躍。普段よく行く買い物先を登録しておくと、位置情報をもとに買い物中であることを検知して、事前に冷蔵庫を冷やしてくれます。こうすることで、食品を冷蔵庫内に入れたときの急激な温度上昇を抑えられるので、節電につながるわけです。なお、買い物先を登録できるのは最大3件ですが、まとめ買いする店はぼぼ決まっているので、個人的には問題ありませんでした。

さらには、外気温の低い冬季に冷蔵庫内を冷やしすぎることを抑え、食品や飲み物などを適温にキープする「冬季省エネ運転」、暴風/暴風雪警報を受信すると自動で予冷運転を開始して停電時の保冷を長続きさせる「停電そなえモード」なども搭載されています。

そもそも本製品には7種類のセンサが搭載されていて、冷蔵庫内の収納量や温度、湿度、扉を開け閉めする頻度や時間などによって節電をアシストしてくれるのですが、こうしたスマホ連係によってさらに省エネに配慮できるのです。

 

切れていると困るストック品の確認にも

「クールパントリー」アプリでは、こうした省エネ状況が「見える化」されるのもポイントです。どの時間帯に省エネ運転しているか、毎月の電気代の目安はいくらなのかなどがアプリ上のグラフで確認できます。

最近は電気料金が高騰していますから、節電を自然に促してくれるのは実にありがたいところ。1カ月間でかかる冷蔵庫の電気代の目安は600~700円前後(500L/発売5年以内の製品)といわれるなか、筆者は毎月100円前後もコンスタントに削減できているようなので、なんだか自分を褒めたくなります。ドアを開閉した時間や回数もわかるので、家族で利用している場合は「ドア開けすぎ!」と注意したり、遠く離れた家族の見守り目的に活用したりすることもできるでしょう。

そして最後にもう1つ、本製品では「キッチンポケット(KitchenPocket)」というアプリも利用できます。これは冷蔵庫のみならず、パナソニック製キッチン家電の使いこなしをサポートしてくれるアプリで、レシピの検索や保存、食材管理をはじめ、対応機器であればメニューを機器に送信して火加減や時間をおまかせで料理できます。本製品の場合は同梱される「重量検知プレート」がこのアプリに対応しており、重量検知プレートに置いた食材がどれくらい残っているかをアプリから確認することが可能です。

買い物の最中、冷蔵庫の中にある卵の残量を思い出せなかった経験はないでしょうか。そこでこのアプリがあれば、ストック状況をすぐチェックできるのです。卵、ヨーグルト、納豆、缶ビールなどいろいろなものを置いて試してみましたが、個人的には「一目で内容量を確認できないもの」に便利と判断。今は、毎日の晩酌に欠かせないカクテル「カウボーイ」を作るための牛乳管理に重宝しています。

 

【POINT】まずは専用アプリの詳細をチェックしてみよう

パナソニックの最新冷蔵庫シリーズでの利用に対応している「Cool Pantry」アプリは超多機能。詳細は、公式Webサイトで確認できます。【URL】https://panasonic.jp/reizo/app.html

 

【POINT】省エネをサポートする機能を搭載

「Cool Pantry」のメイン画面。エコナビ(省エネ)運転率、電気代削除額、ドアの開閉回数を確認できるほか、季節や利用者の位置情報に応じて運転モードを細かく設定する機能も搭載しています。

 

【POINT】電気代削減額が一目でわかる

「Cool Pantry」のメイン画面から[電気代削減額]を選んだ画面。削減できた電気代を1カ月ごとにグラフ化してくれます。筆者の場合、なんと1カ月で100円以上も節約できています。

 

【POINT】冷蔵庫の「運転」を賢く調整

「Cool Pantry」の[運転モード設定]画面。外出時は省エネ運転に切り替える「お留守番モード」や、買い物先の近くにいると庫内を冷やしておいてくれる「お買い物準備モード」などを搭載します。

 

【POINT】食材の残量を外出先で確認

「KitchenPocket」アプリの「ストックマネージャー」機能を使えば、重量検知プレートの上に置いた食材の重さを検知して、アプリで残量を確認可能です。写真では、重量検知プレートの上に卵ケースを乗せています。

 

検証報告

□20年前の冷蔵庫だと、最近の冷蔵庫に比べて電気代が数倍にもおよびます。そもそも省エネで、しかもアプリで賢く使えるならもっと早く買い替えておけば良かったです。
□「Cool Pantry」は、製氷用タンクが空だったり、氷ができたときにも通知してくれます。