「ロボアドに向いていない人」って?
投資の目的は人それぞれ違います。将来に備えて資産を増やしたい人もいれば、趣味で投資をしたいという人もいます。投資の目的によって、ロボアドを使うべきかそうではないかは変わります。
ロボアドは世界中の資産に自動で分散投資をします。おまかせの投資なので、個人投資家は基本的に、何か行動する必要もありません。10年、20年と長い目で資産を増やしたい人や、投資にあまり時間を割きたくない人に向いています。
反対に以下のような場合、ロボアドは向いていないと言えます。
1. 自分で投資商品を選びたい場合
中には投資が趣味で、自分で商品を選びたいという人もいます。ニュースを見て相場や景気の先行きを予想したり、応援したい企業の株を買ったりするのも投資の楽しみだと言えます。ロボアドはおまかせの投資なので、自分で商品を選ぶことはできず、楽しみを失ってしまうかもしれません。
ただ、こうした投資とロボアドによる投資の、どちらか一方だけを選ぶ必要はありません。ここでコア・サテライト運用の考え方をご紹介しましょう。コアは運用の中核で、安定的に資産を増やす役割を担っています。一方のサテライトは、ある程度リスクを取ってより高いリターンを目指す投資です。世界中に分散するロボアドの投資をコア、自分で個別の商品を選ぶ投資をサテライトとして組み合わせることができます。サテライトは一般的にリスクが高めなため、最大でも3割くらいに抑えることをおすすめします。
2. 短期で大きく増やすことを狙いたい場合
ロボアドは10年、20年と時間をかけて資産を増やす投資であり、短期間で大きく増やすことは期待できません。いわば守りの投資です。
一方、短期で大きく増やすことを狙う場合、短期的な値動きを予想して売買を繰り返します。これはいわば攻めの投資です。
※ウェルスナビ提供
短期売買では、予想が運よく当たれば資産は短期で大きく増えるかもしれません。しかし資産が半分になるなど大きく減る可能性もあることに注意が必要です。
将来に向けた投資はロボアドで、楽しみたい投資はそれ以外でと、目的によって投資の方法を使い分けることをおすすめします。
しかし、「より高いリターンを期待できる」「ほかの人が高いリスクをとって運用している」といった理由で、自分の取るリスクを判断してはいけません。
ウェルスナビ株式会社
ウェルスナビ株式会社は、ロボアドバイザーによる個人向け資産運用サービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」を提供する企業。財務省出身の柴山和久が「誰もが安心して手軽に利用できる次世代の金融インフラを築きたい」という思いから、2015年4月に創業した。2016年7月にサービスを正式リリースし、預かり資産は8,000億円を突破している(2023年4月時点)。「WealthNavi」は、「長期・積立・分散」の資産運用を全自動で行うサービスで、高度な知識や手間なしに国際分散投資を行うことができる。
牛山 史朗
ウェルスナビ 執行役員 リサーチ&クオンツ
働く世代の誰もが「長期・積立・分散」の資産運用を行えるようにしたいという想いから、2015年12月にウェルスナビに入社。金融工学の専門知識を活用し、自動の資産運用サービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」の資産運用の仕組みを開発・リードしてきた。ウェルスナビ入社以前には、三菱UFJ信託銀行で個人向けの資産運用アドバイスなどを担当した後、野村證券にてグローバルな投資戦略の開発を行った。京都大学工学部で人工知能を研究、京都大学大学院情報学研究科で金融工学を専攻。