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長期投資を諦めたくなってしまう3つのタイミングとは

長期投資を諦めたくなってしまう3つのタイミングとは

 投資では長い時間をかけることが大事と言われますが、長期投資を続けていくのは、簡単なことではありません。

 500回以上のセミナーで講師を務めてきたなかで、多くのご質問をいただき、どのような場面に人は長期投資を挫折してしまうのか、傾向が見えてきました。今回は、長期投資を諦めてしまいやすい3つのタイミングをご紹介します。

第一のタイミング:投資を始めたばかりのタイミング

 投資を始めたばかりの頃は、日々、資産が増えたり減ったりすることに慣れずに、戸惑うことが多いのではないでしょうか。それまでは、資産はすべて預貯金で保有していたという人であれば、資産が減っているという事実に耐えられないかもしれません。

 リターンがマイナスになると、「やはり投資など始めなければよかった」「始めるタイミングが悪かったのでは」など、後悔や不安が募ることがあると思います。

 特に、投資を始めたばかりのタイミングでは、リターンがゼロ付近でプラスとマイナスを行ったり来たりすることが多くなります。行動経済学の研究では、人間はリターンがゼロに近いところを行ったり来たりすると、ストレスを感じやすいことがわかっています。日々、強いストレスを感じながら投資を続けていくのは、誰にとっても難しいことでしょう。

 長期投資を続けるうえでは、短期的なリターンに一喜一憂しないことが鉄則です。リターンを見るたびに不安になってしまうのであれば、運用報告書は見ない、アプリにはログインしないなど、短期的な運用実績を見ないように工夫したほうがよいかもしれません。

※ウェルスナビ提供

第二のタイミング:金融危機によって、積み上げたリターンが減り始めたタイミング

 最初の壁を乗り越えて長期投資を続けると、リターンがある程度のプラスで安定していく可能性が高まっていきます。

 そのままずっと、資産が右肩上がりで成長し続けていけばよいのですが、どこかで金融危機が発生すると、せっかく積み上げてきたリターンが大きく減ってしまうことがあり得ます。利益が減り始めると、「今日もまた下がった」と不安が募るようになるでしょう。このタイミングで、積み上げたリターンを守りたくなり、資産を売却して安全な資産(預貯金など)に移したくなるかもしれません。

 しかし、長期投資を続けていくうえでは、金融危機などの相場下落時にも、淡々と積立を続けていくことが重要となります。相場が下がったタイミングでも慌てずに続けていくことで、長期的にはリターンの最大化を目指せます。

※ウェルスナビ提供

第三のタイミング:リターンが減った後、回復してきたタイミング

 金融危機による相場の下落でリターンがマイナスになった後、相場が回復してリターンが徐々に上がり、下落前の水準まで戻ったとします。しかし、3番目の落とし穴が、このタイミングに待っています。

 一度、金融危機による下落相場を経験すると、多くの人は、もうリターンが減っていく状況に耐えることはしたくない、と思うのではないでしょうか。実は、マイナスが続いている時期に投資をやめる人よりも、相場がいったん回復しプラスになったタイミングでやめる人のほうが多いと言われています(相場が回復し、やれやれという気分で売ることを、「やれやれ売り」と呼びます)。

 相場が戻ったタイミングで売却して様子を見ようと思うのは、人間の心理として自然かもしれません。しかし、本来はそのまま続けていれば得られたリターンを、取り逃すことになるのです。

 長期投資の場合、資産を引き出すべきタイミングは、実際にお金を使うときに限られます。繰り返しになりますが、短期的な相場の上下に一喜一憂せず、本来の目的を忘れずに長く続けることをおすすめします。

※ウェルスナビ提供

 長期投資を続けていくうえでは、さまざまな難しい場面が待ち受けています。運用実績をできるだけ見ないようにし、不安なときは長期投資のゴールを思い返すといった工夫をすることをおすすめします。また、一人では不安に耐えられそうになければ、FPなどお金のプロに相談するのも有効です。

 

ウェルスナビ株式会社

ウェルスナビ株式会社は、ロボアドバイザーによる個人向け資産運用サービス「WealthNavi(ウェルスナビ)」を提供する企業。財務省出身の柴山和久が「誰もが安心して手軽に利用できる次世代の金融インフラを築きたい」という思いから、2015年4月に創業した。2016年7月にサービスを正式リリースし、預かり資産は8,000億円を突破している(2023年4月時点)。「WealthNavi」は、「長期・積立・分散」の資産運用を全自動で行うサービスで、高度な知識や手間なしに国際分散投資を行うことができる。

 

小松原 和仁

セミナー講師/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2008年に証券会社に入社し、社会人をスタート。リテール営業に従事する中で、リーマン・ショックも経験。その後、保険会社にて、代理店向けの教育・研修に携わったのちに、信託銀行にて、富裕層向けの財務相談業務に従事した。2018年にウェルスナビの働く世代が豊かさを実感できる社会をつくりたいという理念に共感し、セミナー講師として入社。これまでに、500回以上の資産運用セミナーに登壇し、参加者からの多くの質問にも答えている。

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