スマホ証券を活用 ~株式投資でお金を増やす(5)~
スマホ世代の若者や投資ビギナーが注目
2019年の「老後資金2千万円問題」をきっかけに若年世代からも投資に注目が集まるようになり、さらに2020年の新型コロナによるステイホームや就労制限などをきっかけに、がぜん注目度を高めてきた投資関連サービスが「スマホ証券」です。
スマホ証券は、パソコンがなくても、スマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、口座開設申込から入出金指示、投資情報の入手、取引、残高照会まで実行できる仕組みです。すべてのサービスがスマホ利用を前提に設計されているため、パソコンを使わずにスマホだけで資産運用ができます。
いつも手元にあるスマホで数百円と少額から株式投資ができ、LINEポイントやTポイントなども投資に利用できるというスマホ証券の手軽さが、投資に踏み出そうとする初心者や若年層の後押しになっているようです。
また、煩雑な手続きが不要で、オンラインでの開設手続きのみで最短翌営業日から取引が可能になる仕組みも、口座開設増加につながっているのではないでしょうか。
スマホ証券とネット証券違いや特性は
株の売買は単元株(100株等)で行われますが、スマホ証券では1株単位あるいは、金額単位で売買できるという特性があります。単元株単位での売買が主流のネット証券等に比べて、スマホ証券なら1回の投資金額が圧倒的に少なく済むのです。
また、ネット証券には商品ラインアップが豊富でさまざまな種類の商品や新しいサービスが次々に提供されるという利点がある一方、ある程度の専門知識と経験がないと対応が難しいという難点があります。スマホ証券では、取扱商品が少数に限定されていることが多く、投資する商品を決める手間や時間を大幅に省くことができることも大きな特徴といえるでしょう。
スマホ証券でポイント投資
スマホ証券では、各共通ポイントに対応して、1ポイント=1円として個別株1株からの株式購入代金に充てられる仕組みを用意している会社もあります。
株を1単元(100株)で買うと、代金は数万~数十万円になりますが、1株単位や100円単位で購入が可能なスマホ証券では、通常の投資では手を出せない値動きの激しい銘柄を、ポイント払いで懐を痛めず買ってみるといった使い方も可能です。
また、一部のスマホ証券では、株購入時にポイントを使えるだけでなく、キャンペーンや利用状況に応じてポイントを受け取ることもできるので、併せてチェックしておくとよいでしょう。
各スマホ証券の特色をチェックする
各スマホ証券の取扱銘柄数や手数料は会社による差があり、得意技も各社で違います。自分が何を重視したいか考えてから選ぶのが大事といえるでしょう。
例えば、PayPay証券では銘柄数は比較的少ないといえますが、アップル、アマゾンなど米国の有名企業の株が1千円から買えるという特徴があります。
CONNECTは1株から購入できるので、少ない資金でも複数の企業へ投資することが可能です。NISAにも対応しており、お得に長期積立投資をしたい人にも向いているといえるでしょう。
SBIネオモバイル証券の「ネオモバ 株アプリ」では、買い物で貯めたTポイントを使って株の取引ができます。このように、それぞれの証券会社の特性や自分自身の投資に対しての環境、考え方に応じた選び方を考えましょう。
PayPay証券 | LINE証券 | SBIネオモバイル証券 | CONNECT | |
---|---|---|---|---|
最低購入単位 | 1,000円から | 「いちかぶ」は1株から、または単元株から | 「S株」は1株から、または単元株から | 「ひな株」は1株から、または単元株から |
投資可能銘柄等 | 日本と米国の個別株とETF、J-REIT、つみたてNISA、IPOなど | 国内株、ETF、REIT、つみたてNISA、IPOなど、 | 国内株、ETF、REIT、FX、IPOなど | 国内株、ETF、REIT、つみたてNISA、IPOなど |
手数料 | スプレッド方式で日米それぞれの現地時間の日中は0.5%、それ以外の時間帯は0.7% | 1株はスプレッド方式で日中は0.7%、単元株の信用取引は手数料はゼロ | 月額定額方式。月間の約定代金が50万円以下なら何度売買しても220円 | ひな株はスプレッド方式で0.5%、単元株は毎月10枚の手数料無料クーポンが利用できる。11回目からは一律売買代金の0.033% |
主な特徴など | 米国株の取引が24時間可能。「おいたまま買付」を利用すると、銀行口座に残高があればその場で取引ができる | LINE Payで簡単に入出金できる。LINEポイントでの購入も可能。企業の決算発表の内容をLINEで見ることができる | 毎月ネオモバ限定Tポイント200ポイントがもらえる。ポイントで株を購入することも可能。FX取引もポイントでできる | 大和証券グループ。最後発で初心者向き。一般NISAにも対応。手数料無料クーポンは余れば翌月まで繰り越せる |