Loading...

クレジットカード・スマホ決済・電子マネーの総合情報サイト

デジタル地域通貨が熱い!ハチペイ、せたがやPay ~コード決済&電子マネーでお得生活(2)~

ハチペイ、せたがやPay 全国で広がるデジタル地域通貨でお得生活

 

特定の地域やコミュニティで使える「デジタル地域通貨」が今、盛り上がりを見せている。きっかけは世田谷区の「せたがやPay」が、21年から22年にかけて高還元のキャンペーンを連発したこと。物価上昇が家計を直撃するなか、こうしたキャンペーンの情報がSNSやメディアを通して拡散されると、区外からも買い物や食事に訪れる人が急増。とくに22年に開催された30%還元の「せたがや全力応援祭」は反響が大きく、キャンペーン開始前に約6万6000件だったアプリダウンロード数は、約4カ月間で約22万件以上に跳ね上がった。

全国各地に広まっているデジタル地域通貨の中で、今後とくに注目すべきは22年11月にスタートした渋谷区の「ハチペイ」だ。23年3月末まで誰でも8%還元(ポイント付与上限888円/1回)となるキャンペーンを実施。同時期に、渋谷区民限定で1万円で1万5000円分のデジタル商品券が買えるキャンペーン(1人2セットまで/合計4万セット)も行い、渋谷区民を優遇しつつ、通勤や通学、レジャー等で渋谷区を訪れる人の利用も促している。利用できる店舗数はまだ約1300件程度と少ないが、うち約4割が飲食店(22年11月現在)。人の流れが多く、店舗数も多い渋谷だけに、今後認知が高まれば大きく化ける可能性は高いだろう。
 

 

ハチペイ


利用エリア : 東京都渋谷区
チャージ方法 : 全国のセブン銀行ATM・区内10カ所の専用チャージ機で現金チャージ、クレジットカードからのチャージ
店舗数 : 約1300店
 

渋谷区内の店舗やコミュニティ、イベントで利用できるキャッシュレス決済アプリ。渋谷区民は、マイナンバーカードで認証するとさまざまな特典が受けられる。

 

ハチペイの使い方

他のデジタル地域通貨と同様に、スマホに専用のアプリをダウンロードすることで誰でも利用可能。使い方やチャージ方法は、アプリ内でも詳しく説明されている。

 

利用方法

店内にあるNFCタグにスマホをかざして読み込み、アプリで金額を入力。お店の人に確認してもらった後でボタンをタップ。「ワンワン!」という決済音が聞こえたら完了!

 

チャージ

全国のセブン銀行ATMや渋谷区内の専用チャージ機で、現金チャージが可能。クレジットカードでのチャージにも対応しているので、カードによってはチャージ分のポイントも貯まる。

 

お得なキャンペーンをチェック

 
渋谷区民対象 1万円で1万5,000円分をゲット!

渋谷区民限定で、チャージ金額を50%上乗せするキャンペーンを実施中(23年3月末まで)。1万円のチャージで1万5000円分のハチペイデジタル商品券が買える(1人2セットまで)。マイナンバーカードでの渋谷区民認証が必要

 
誰でもお得 登録で500P+決済額の8%を還元!

アプリをダウンロードしてアカウント登録すると、もれなく500ポイントがもらえる。また、決済金額の8%のポイントがもらえるキャンペーンも実施(付与上限1回888円)。どちらも22年3月末まで実施予定。

 

せたがやPay


利用エリア : 東京都渋谷区
チャージ方法 : 全国のセブン銀行ATM・区内10カ所の専用チャージ機で現金チャージ、クレジットカードからのチャージ
店舗数 : 約1300店
 

世田谷区支援のもと、世田谷区商店街振興組合連合会が2021年2月にスタートしたデジタル地域通貨。スマートフォンのアプリをダウンロードし、セブン銀行ATMや専用チャージ機で現金チャージして利用する。クレジットチャージは不可。株式会社フィノバレー(東京都港区)が運用支援を行う。

 

街が活気づきユーザーは得をする Win-Winの関係が成立

 

地域限定の高還元キャンペーンはPayPayやd払い等の大手キャッシュレス決済でも数多く実施されている。しかし、こうした大手キャッシュレス決済のポイントは全国どこでも使えるため、キャンペーンで貯まったポイントは他の地域に〝流出〟してしまいがちだ。

一方で、デジタル地域通貨のポイント(コイン)を利用できるのは地域内の加盟店のみ。高還元のキャンペーン目当てで地域外から足を運んだユーザーも、ポイントを消費するために再び街に足を運ぶ必要があるため、両者にとってWin-Winとなっているようだ。

実際に、せたがやPayの加盟各店からは「新規客が増えた」「常連客ができた」「売上が増えた」、ユーザーからは「新しいお店を知ることができた」「物価高の中で助かっている」「高還元のおかげで大きな買い物ができた」といった声が聞かれる。また、商店街に活気が生まれ、雰囲気が明るくなる、という効果もあるようだ。


「お得だから使う」から「応援したいから使う」へシフト

 

せたがやPayを運営する株式会社フィノバレーの代表取締役・川田修平さんは「高還元のキャンペーンに注目が集まりがちだが、本来せたがやPayは地域密着、地元志向、地域への愛着をめざした『デジタル地域通貨』。地元のお店の紹介や地域イベントの案内、世田谷区の取り組みを発信することで、地域の方にお得以外の良さを再発見していただきたい、という思いで活動している」と話す。

22年秋からは地元の大学と連携し、学内での混雑回避と物価高に対する緊急支援を目的に、せたがやPayコインを配布。単なる決済手段ではなく、世田谷区全体の生活の支えとなる活動も強化している。

「来年もキャンペーンを予定しているが、お得だから使うのではなく、世田谷を応援したいから使う、というマインドになっていただくのが目標。そのためにさまざまな取り組みを検討している」と川田さん。キャンペーンを通じてデジタル地域通貨を知ったユーザーが、街への愛着を深め、地域が活性化していく。せたがやPayが先導するデジタル地域通貨の未来に注目したい。

関連記事

もっと見る