
第3回お仕事小説コン 結果発表
「第3回お仕事小説コン」にたくさんのご応募ありがとうございました。
第3回もバラエティに富み、クオリティの高い作品が揃いました。全体の選評として、グルメ、あやかし、謎解きなどライト文芸の王道を押さえており、エンターテイメント性が高いものが多かった印象です。
審査員一同、熱い議論を重ねて検討した結果、その中から優秀賞2作品を選出いたしました。優秀賞の2作品はテーマと設定、結末のまとめ方が他の作品より頭ひとつ抜けており、作品としてのエッジも立っていました。受賞作は2018年秋に書籍化する予定です。
また、楽ノベ賞は11作品を選出。すべて電子書籍化し、順次刊行予定です。
なお、今回のグランプリ(大賞)につきましては残念ながらこれまでの受賞作に迫る作品がなく、「該当作なし」といたします。


あらすじ
地方にある人気テーマパーク『ユーロ・パラダイス』のパレードダンサー「クロ」こと黒木田環和(くろきだかんな)は、いつか日本一のミュージカル劇団『劇団R&I』で踊るという目標を持ち、日々楽しく仕事に励んでいる。衣装係「シロ」こと鈴木俊郎(すずきとしろう)らとともに、テーマパークの裏側で起こるトラブルを解決していく。華やかなテーマパークの裏側を描くエンターテイメント小説。
選評
舞台となるテーマパークの裏側が細部にわたって書かれており「お仕事小説」として秀逸。知識をエンターテイメントに昇華できる筆力の高さは評価できる。主役・脇役ともにキャラクターが魅力的で、応援したくなるのもよい。欲を言えば、シロとクロのバディ感はもう少しほしいところ。この作家は本作のほかにも2作品応募があったが、どれもクオリティが高く、今後の可能性を感じた。
あらすじ
一風変わった店、「エッグプラネットカフェ」は、内装からメニューまで茄子だらけ。というのも、このカフェを実質取り仕切っているのは、縁結びを司る茄子神様なのだ。店長の山科美咲は、茄子神様に振り回されながら店を営んでいるのだが、客はほとんど入らず、深刻な経営難に陥っていた。そんなある日、凄腕シェフの漣(れん)を雇うことになる。クスッと笑えて最後はどんでん返しに驚く、あやかしグルメ小説。
選評
「茄子の神様」というかなり奇抜な設定だが、物語の作り方は王道。設定のインパクトと面白さプラス、文章のテンポのよさで最後まで楽しく読める。ラストにはどんでん返しがあるのだが、伏線が散らばっていて違和感なく受け入れられる。カフェ、あやかし、恋愛、グルメと、たくさんの要素が詰まっているのに上手に処理できているのも高評価。あとひとつ、ふたつ謎解き要素が加わると作品としてのクオリティが上がるだろう。


選評
今回の楽ノベ文庫賞は、ライトノベルの定番ジャンルである異世界ものから、転生、ミステリー、あやかし、青春ものなど、バラエティに富んだものを選出した。小説としてのおもしろさだけでなく、天然石屋、託児室、食品会社……など、当社のライト文芸レーベル「ファン文庫」のテーマであるお仕事小説としても、引き込まれる題材のものをラインナップ。
受賞作はどれも、魅力的なキャラクターが活き活きと活躍しているのが高評価。異世界&ファンタジーであれ、現実の世界であれ、主人公とその周辺の登場人物が、熱い情熱と惜しみない努力でストーリーを展開しているものばかり。
受賞作品は、2018年より順次電子書籍として販売される予定。
