超速▲3七銀をめぐる歴史をつづった戦術書



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 ゴキゲン中飛車は、この十数年間に定着した戦法ですが、平成22年ごろ、超速(▲3七銀)が現れ、ゴキゲン中飛車が消えるのでは、と思われるほどの猛威を振るいました。
 ゴキゲン中飛車を指す棋士は、この戦法が消えては困るので必死に対策を練り、超速側はそれに対応する。この数年はそんな激しい戦いが続いています。
 この本は、従来の将棋の解説書というより、一つの戦法をめぐる歴史書のつもりで書きました。
(まえがきより)
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近藤正和六段が初めてゴキゲン中飛車を指したのが平成8年。
その後、アマプロ問わず大流行したゴキゲン中飛車でしたが、
天敵「超速▲3七銀」が現れます。


本書は「超速」VS「ゴキゲン」という、
プロ最前線の激しい戦いの軌跡を、まるで歴史書のように余すことなく記録した戦術書です。
具体的な内容は、


序章 超速とは
第1章 △5六歩交換型
第2章 菅井流△4四歩
第3章 菅井流対策▲7八銀
第4章 ▲4六銀△4四銀対向形
第5章 ▲4六銀、▲6六銀「クロスファイア」
第6章 その他の超速


となっています。



手順は多くは紹介できないので、本書の「歴史書」的な部分を紹介いたします。
画像は「菅井流」と呼ばれる超速対策の紹介です。
面白いのが、平成22年に久保利明二冠が誕生し、その影には菅井竜也三段(当時)の研究があった…とかなんとか。
そんな菅井流も誕生から現在の結論まで、もちろん網羅しています
(画像はクリックすると大きくなります)

















目次で気になった方もいるかもしれませんが、こちらが「クロスファイア」。
先手の2枚の銀が「5五にクロスして火を噴くイメージから私が勝手に名付けた」(本文)ということですので、皆さん、今日からはぜひ、この形は「クロスファイア」とご記憶ください。
玉は薄いですが、攻めが分かりやすいので、おすすめです。


画像では第4図までの手順を紹介しましたが、
第4図から△3三桂には▲5五銀左とガツンとぶつけて先手の攻めが炸裂しています。
まさに「クロスファイア」という強烈な攻めですね。












進化のスピードが早すぎてアマチュアには難しいところもある超速ですが、
本書では進化を追いながら、体系的に理解することができます。
ゴキゲン中飛車対策をお求めの皆さん、発売日までもうしばらくお待ち下さい。

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