ぽとんと
うしろで小さな音がした
ふりむくと裏の草むらに
青いくるみの実がひとつ
くるみの木から
落ちた音。
夏のくるみの木の下に
青いくるみがひとつ
ぽとん。
世にも小さな音だけれど
何も不思議はないけれど
わたしがわたしに
戻る音。
くるみの木の下
木の下くるみ
「はい」と
一年生の木下さんが
良いお返事をするように
夏のくるみの木の下に
青いくるみがひとつ
ぽとん。
千年たっても変わらない
万年たっても変わらない
わたしがわたしに
還る音。
くるみの木の下
「木下くるみ」
詩：宮尾節子 切り絵：まちこ ☆詩と切り絵との「オトナの詩絵本風」コラボです。ちょっとひと息♪
2014.6.19
