忘れても


昨日のことがもう
思い出せません
なにかとてもすばらしい
物語についての話だったような
南風のホの休んでいる木の
蜜をたべるメジロだったような
(あんまりこんなにこひしゆては。)

 

昨日のことがもう
まるでだめな編集です
笑い涙の跡はたしかに残り
バームの匂いも染みついている
あの花の名前はチョコレートコスモス
ほかのことはみんな花粉に紛れてしまった
(なんだか自信が持てないよ。)

 

だけど心配はしてないです
強風にぼきぼき枝が折れた木も
新芽を空いっぱいに付けています
(どうにかやつてはゆくのでせう。)
そーよどうにかやってきましょうよ
忘れても忘れてもずっと引きずって
忘れても忘れても時どき夢にみて

 

 


※中原中也「頑是ない歌」への返歌として

 

 

2014.3.25

カテゴリ: シーズン1, 私と遊んで/大崎清夏
タグ: , , ,