勘や経験だけでは、勝ち続けることができない
たとえば「商品を作って売る」ビジネスに的を絞って考えてみましょう。
以下のような情報が分かれば、非常に効果的かつ効率的に商品を作り、在庫ロスも抑えられるので、利益を大きく伸ばすことができるはずです。
- 売れる商品は、どんなものか
- その商品はいつ頃に売れるか
- 売れる数はどのくらいか
昭和の時代では、こうした戦略はその業界の経験に長けた者が勘で決めていた企業も多かったようです。
しかし、時代は変わりました。
売上データや、売上に関与する可能性がある関連データなどの記録にパソコンを使うようになったことで、データの記録と保存が容易になりました。
そしてパソコン自体が安価になり、各個人が使えるようになったことで、誰もが手元のパソコンでデータを集計し、未来予測の助けになるデータを分析できるようになりました。
たとえば…、
(1)売れる商品は、どんなものか
過去に発売した同カテゴリーの商品の売り上げデータを調べ、売れている商品の方向性を探ることができます。さらに、競合他社の情報なども付加できれば、より精度の高い情報になるでしょう。(2)その商品は、いつ頃に売れるか
同カテゴリーの商品の売り上げデータを1年以上に遡って調査し、売れている季節や日付、曜日などを調べます。小売店で販売する商品であれば、天候の情報などを加えてもいいでしょう。これらの情報を分析し、売れる季節や日付(給料日直後など)がわかれば、生産数の調整に役立ちます。(3)売れる数はどのくらいか
以前に発売した商品と似た商品であれば、同じような売上結果になるかもしれません。しかし、同じ商品であるがゆえに飽きられてしまい、売上が下がるケースもあれば、別の要因が桑合って上がるケースもあるでしょう。仮に、そうしたイレギュラーなケースが起こったとしても、月末は月初に対して1.5倍売れる…といった相対的な予測はできますから、順次データを見直していけばいいだけです。
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上で紹介した例はB2Cの小売商品を前提としたものでしたが、ほとんどのビジネスにおいてデータ分析(ビジネス統計)は活躍します。
「自分の仕事だと、データが役に立たないのでは…?」
そんな疑問を持っている方もいらっしゃるでしょうが、本書では「データ化できないような予測を、データとして分析する方法」についても解説しています。
これまで、漠然と「過去のデータを役立てて、未来予測ができないものか…」と悩んでいたような人にこそ読んで頂きたい、データ分析(ビジネス統計)の入門書です。
数学が苦手だったという方でも読めるよう、データ分析に必要な要素だけ易しく解説しているページもありますので、ご安心を!

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