斎藤慎太郎新王座誕生! 「当然の返答」に表れた新王座の気概とは?|将棋情報局

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斎藤慎太郎新王座誕生! 「当然の返答」に表れた新王座の気概とは?

新王座が5年前に書いたコラムを紹介します。

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中村太地王座に斎藤慎太郎七段が挑戦する第66期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負第5局が10月30日、甲府市「常磐ホテル」で行われ、斉藤七段が勝ってシリーズ成績を3―2とし王座を奪取、タイトル戦2回目の挑戦にして初タイトルを手にしました。

斎藤慎太郎新王座、このたびはおめでとうございました!

 

マイナビ出版の将棋書籍を、これまでに4冊執筆いただいている斎藤新王座。

 

著書ではありませんがもう1冊、2018年7月刊、観戦記者の池田将之氏によるこちらの書籍にもたくさんご登場いただいています。

 


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初タイトル獲得を報じるにあたり、この中からどこかを紹介したいと思ったのですが、これに決めました。

 

「最強最速の将棋」に収録されている4本のコラムのひとつ「当然の返答」を紹介したいと思います。

 

斎藤新王座がタイトルを手にした理由は、ひとことでは表せない、私のような素人には想像もつかないようないろいろな要素がからみ合ってできているものなのでしょう。

ただ、このコラムに表れている気概が、理由の一端にはなっていると思うのです。

 

それでは、お読みください。

 


当然の返答

 将棋会館には「検討室」と呼ばれる、進行中の公式戦を検討する部屋がある。関西の将棋会館では「棋士室」と呼ばれており、私は奨励会に入会した6級のころから通っていた。しかし棋士室にはプロ棋士や、奨励会員の中でも有段の方が多く、いつも緊張していた覚えがある。

 ある日、棋士の先生たちが検討されている様子を眺めていると、「君は今何級?」と話し掛けられたことがあった。私が「まだ5級です」と答えると歓声や笑い声が響いてきて、(おかしいことを言ってしまったかな?)と不思議に思っていた。少し日がたってから「まだ」という2文字に反応があったということに気付いて少し気恥ずかしくなったが、今考えれば奨励会員としては当然の返答だったように思う。

 自分の今居る立ち位置に満足しているようでは自身の棋力向上は望めない。自分は上を目指せると思っていたからこそ「まだ」という2文字が出たのだろうと思う。

 先日、対局後にタクシーで帰宅していると、運転手の方に「この時間までお仕事ですか?」と話し掛けられた。プロ棋士であることを伝えると、将棋をよくご存じの方で少し話をした。そして降車する際に「何段ですか?」と尋ねられる。

 私は「まだ五段です」と答えた。


 

いやぁ・・・

もう、何かね・・・

 

惚れてしまいますよね!

 

本書の執筆から約5年、見事タイトルを獲得した斎藤新王座。

もし今、同じシチュエーションに遭遇したら、返答はどうなるのでしょうね。

 

「まだ・・・」

 

と答えるかどうかは別として、と言いますか「まだ王座です」は明らかにおかしいので絶対「まだ・・・」とは答えないと思いますが・・・

 

タイトル1つで満足することはない、という点に間違いはなさそうです!

 

それでも、今はこうでしょう。これしかありません。

 

斎藤慎太郎新王座、初タイトルおめでとうございました!

 

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著者

藤井草平(著者)